下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【趣味】映画「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」MX4D鑑賞(映画2度目)

 

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どんだけハマッとんねん!

ロシャオヘイ戦記また見にいっちゃったよ!

しかも、戦闘とかはMX4Dやったらもっとちゃんと理解できるかもと思って4Dを見に行っちゃったよ!

これさ……この感じさ……過去に経験したことあるんだよな。

そう。ベイマックス!!

あの時はMX4D見るために豊洲の某シアターまでまではるばる行きましたよ……

 

さて、これは視聴2回目なので当然ネタバレで補足情報になるわけですが

前回のネタバレを観たい人は以下をご確認ください。

tora-kaibuntei.hateblo.jp

 

さて。

この4DMXのロシャオヘイ感想言うまでにまた4DMXの愚痴なんですけど(笑)

ニオイが残りまくってる時点で「換気できてます」の主張はムリがないか??

以前はすごく臭かったけど今もすごく臭いぞ!

そして、初っ端から「主人公目線じゃない動き」で視点をバラつかせるのはやめろ。

こっちはあくまでも主人公とカメラワークの視点やねん。

中のキャラのドタバタをそのままぐらぐらさせると、どこが視点なのか分からんのじゃい!!

 ※なお毎度言うけど、今まで経験した中の最高のMX4Dは「ベイマックスの浮遊感」と「ルパン3世 カリオストロの城の銭形のボコられ(バカモーン!あっちがルパンだー!」です。ユナイテッドシネマの4DXはアラジンが激しすぎて「わいは死ぬ」と思った。

 

つーことで、リピートしてから気付いたことなど、追加感想いきます。

 

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■ムゲンの精霊?使い魔みたいなのが、シャオヘイに始めから接触してたね

ちょうちょの精霊を使って情報収集するムゲン。

白い半透明のちょうちょが印象的に始めから登場するんだが、それにむじゃきに触って喜んでいるシャオヘイ。

初っ端で精霊ともう接触してたんじゃん!とびっくり。

しかもそのあと、そのちょうちょは魚の形になる。

この魚、シューファイの使い魔ですよね??と。まるで平和な感じのやりとりを繰り広げるシャオヘイを後目に、この時点でシャオヘイの居場所を探っていたのなら、嫌な予感しかしない。

 

■自分の住処を奪われるシャオヘイ

前回見たとき、人間に自然がだいぶやられたな!と思ったんだが、

今回見てると人間のやってる破壊とは違う気がするんだよな。

最後に、確かにシャオヘイはショベルカーを見て落下していくんだが、それまでの破壊は木が襲ってきたり盛り上がったり石が動いたり……これって……。

しかもシャオヘイ単体を襲う何か(銃弾的な)があるんだが、人間はただの猫であるシャオヘイを追い出す必要などないわけで、その存在を認識しているとは思えない。

ということは……ふむぅ……

 

■人間の世界へ!

大穴へ落ちて突然人間の世界へ!

これも思い過ごしかもしれんのですが、フーシーたちがあの穴の位置に異世界の移動のドアみたいなん作ってたんやないか?

そこから人間の世界に無理やりぶち込むことで、孤独や恐怖を味わわせて人間憎しにさせようとしとんのではないか??

 

で、前回の感想で「人間に目の敵にされた」と書いたんだが、今回見てるとすごくほほえましいシーンが多いんだよな。

バス停で休んでるシャオヘイを見て笑顔の女の子とか、農村を駆ける姿とか。

確かにシャオヘイはビビッて怖がって怒ってたりするし、人間もコメディタッチに「コラーッ」て怒ったりするけど、それまでで、それ以上の表現はない。

それだけの表現で、殺されそうになるほどの怒りを買うだろうか??と思っていた矢先に、シャオヘイを襲撃する3人がやってくる。

2度目でやっと気付いた。

 

なんていうか……これさ……あれだろ……操られてるよな……

 

目に光がないし、そういう能力持ったやつがフーシーの仲間にいるし。

どのくらいやっても問題ないか分かってる感じの攻撃。そして、3人がかりでシャオヘイ狙いっていうんが完全にアウト。

人間はシャオヘイが大猫に変化しても、何も言わないし何の反応もない。

初めて見たときには中国アニメってそういう感じなんかとしか思ってなかったけど、2度目だから言える!超すごい伏線だった!

いよいよヤバくなってから、しゅるしゅるの木で一人が吹っ飛ばされ、あとの二人が闇に引きこまれても人間は何も言わない……操られてるよなぁ。

自作自演でシャオヘイを手に入れようとしてるぞー!(大好物)

 

■フーシー登場、住処へ

でもやっぱいいお兄ちゃん感。

人間に変化して初めてそこでやっとシャオヘイに人間の言葉をしゃべらせるの素晴らしいな。印象が一気に猫から人間の子どもっていう感じになった。

歓迎会をしよう!と言ってくれるロジュマジいいやつ(2度目)

シャオヘイが肉食べてるとき、口の周り赤くなってるの見て肉汁とかかなと思ってたけど、あれか。中国の赤い肉か。

あと、自分が悪いんですけどロジュとシューファイの落ち着いた感じの声は似すぎてどっちかよくわからんくなる。

 

■ムゲン登場!

歩きながら攻撃捌くの格好いいよなぁ!!

てか戦ってる相手、食人族のやつだ―――ッッ!!!(youtubeでアニメを少しだけ見たらたまたまそのキャラのやつだった)

 

■ムゲン襲来!

めっちゃ戦ってるけど、この時よく考えたら4vs1なんだよな。ムゲンの圧倒的な強さが分かる。

最後にフーシーが逃げるとき仲間に「行け!」と言っておきながら惜しそうにシャオヘイを見てるのすごいいい!

焦点が、目の前に迫るムゲンじゃなくて遠くのシャオヘイっていうのが執着を表していて素晴らしい!

逃げた後で気付いたけど、シューファイ左腕切り落とされてたん・・・?いつの間に…?

 

■海から脱出だぁー!

シャオヘイの服が白い彼シャツからおしゃれな道着になったんいつ(笑)?

前回の感想でヤシの実流す→拾えの流れ、拾ったと思ったんだけどぜんっぜん拾ってなかった(笑)!めっちゃ遠くに投げ捨てててかわいい。

あと、二人が命を粗末にしたのは魚じゃなくて鳥だった。

鉄板舐めて「しょっぱい」「私の汗だ」のところで2度目なのにわろてもうた。

シャオヘイが鉄板を動かすのを「教わってやってもいいかもな」と言ったあとのムゲンの「おいで」で普通に隣に座りに行くのかわいすぎんか。

「陸に上がったら、解放してくれる!?」「ああ」みたいなやりとりしたのに解放してくれず

「すまない、行かせるわけにはいかない」という判断に至ったムゲンの心の動きを察すると切ないなぁ。

まずい鳥のところで、フーシーたちとのたった1夜の優しい思い出を思い出して、幸せで切ない気持ちになったシャオヘイが横を見ると

めっっっちゃ面倒くさい男(ムゲン)が無表情でいるの、すごくいい。笑えるし、よりフーシーへの思慕が募るのがわかる。

 

■執行官

皆普通にうろうろしてるけど、それって「妖精だということがばれてはいけない」というルールに反してないんか…?

ムゲンの話で「100年ぶりの弟子か」みたいなのを言ってるから、少なくともムゲンは100年以上生きてる。謎すぎる。

 

■ムゲンとのフリータイム

仲間から金を借りたが借りすぎやないか(笑)。皆どこで金を得てるのかなとか思ったけど、後半館長(?)が「市長に協力を仰ぐ」みたいな話をしてたから

妖精と人間を共存させるために、一部補助とかも貰ってたりするのかな??

人混みで歩きづらそうなシャオヘイ(猫)に腕を差し出して「おいで」と言うムゲンと素直に従うシャオヘイ。かわいい。

花屋の妖精になんか言われて「ここで休んでるだけだ!」と言い返すシャオヘイめっちゃかわいい!

りんご抱えて寝るシャオヘイを見て確実に不憫に思ったムゲン。ビジホに泊まる。

カードキー差したら電気がつくこと当然知ってるwwww

パジャマとかないんかな?着替えないと臭そう。

 ※そういえば香港の重慶マンションの激狭宿や普通のホテルでは当然そんなものはありませんでした。

このビジホで夜にする会話「館に行って、気に入らなければ出ていってもいい」「今でもフーシーをいいやつだと思うか」

に対してシャオヘイが「当たり前だ!フーシーはいいやつだ!……あんたも、悪い奴じゃない」みたいな会話がいい。

嬉しそうに口もとに笑みを浮かべるムゲンが、ここのところ突然人間感を出していてすごいいい。

 

■電車でさらわれる!!

空間転移術に気付いてシャオヘイを抱き留めようとするムゲンいい!

あれ、地下鉄→地上に出るタイプの電車なんやな。前回いつの間に地上に??と思ってた。

フーシーに攻撃するとき「ミン先生の(敵?)」みたいなん言ってたけど、ミン先生ってあのメガネのおいちゃんだよな?

「貸してください」と言われてパワーとられとったんか。

 

■すごい気付き!!

この映画、擦り傷っぽいものを負っても、血は流れないんだな!

だから子どもでも十分に楽しめるし、戦闘の迫力もある。血を出さずにもその迫力を感じさせるのすごい!

 

■やめろフーシー!のロジュ

いやー、ここ、もうなんか……自分ここがめっちゃ気になってもうてしゃーない(笑)

いい意味でも悪い意味でもすごい気になる。心がこのシーンに囚われる。

シューファイに掴まれた手を振り払うけど、その後全員集まって「よっしゃやるぞ」みたいなシーンにも一人参加せず、足しか映ってない。

ロジュはここでフーシーへの信頼を一気に失ってるのが分かるんだよな。

 

■ナタさま

少年の姿の神のナタクのことなんだな!

でもWEBアニメを知らない側からしたら突然のキャラフューチャーになるんだよなぁ。

女の子だと思ってたから、一回目見た時は吹きそうになった。

 

■人間を転移させる強い地味なやつ

塔の上から手をパンッてさせて人間を移動させまくるめっちゃすごい人おるのに地味!

 

■むちむち

意識の下層で自分の球の中にいるシャオヘイ。

なんかここ(前回の感想にも書いたかもやけど)ほんっとうにむっちむちでかわいい。

白髪になるわけだけど、あれ耳だけ黒いのなんでだろ?白猫は耳も白いけど……とか猫化したときの姿をめっちゃ考えてた。

 

■最後の戦い

シャオヘイ、意識を取り戻して参戦!

これ、2度目でやっと理解できたよ!

あの丸っこい謎の黒い生き物がムゲンの懐から飛び出してきて、そいつに憑依(転移?)してシャオヘイが登場したんだよな?!そうだよな??

あの丸っこいのなんだろう。いまだにわからんけど、あれがシャオヘイの精霊みたいなもんなんだろうか。

参戦したシャオヘイ見て嬉しそうなムゲンのド正面シーンがやたら鮮明に真ん中捉えすぎてて(時間も長めで)わろてもうた。

シャオヘイの胸倉掴んで転落阻止→胸元をパパッて整えるのすげーかわいい!

しかしここで、唯一苦言を呈したいことが…

なんかこの最後の戦いのときの音楽。やや前向きな、それでいて真剣な曲でいいんだが――いきなり音楽がチープになってない!?

それまでちゃんとした楽器の音なのに、いきなりmidi音源みたいになっていて

前回自分は「そこはかとなく笑えるけど言葉にできない」と感じていたことがこれだと理解した。

 

■タヒねぇ!

フーシー、この言葉発してシャオヘイ(とムゲン)に攻撃しちゃうんだもんなぁ。

取り返せないことやったよ、ほんと。

でもその後にシャオヘイは「フーシーは悪いやつだったの?」とムゲンに聞く。

あんなんされて、タヒねとか言われても「悪いやつ」だと認識をしていないシャオヘイの優しさと純粋さに胸がいたくなる。

ムゲンは「それはお前の心が知ってるはずだ」みたいなん言うの、株が上がりまくりです。

 

■師匠!

2度目聞いたけど「師匠」ってちゃんと聞こえないんだよな…自分だけかな……。

話の流れから師匠と認識してるから師匠と思うんだけど。

あと音楽もいい。そしてその音楽の盛り上がりが、ムゲンの胸にドスゥッと刺さる「師匠」のところにくるのもいい。

シャオヘイがダッシュでムゲンに駆け寄るところ、ここんところ人間の姿をしてたから始めはぽてぽて走るのに、四つん這いでダッシュするのめっちゃいい。

早く駆け寄りたくて、思わずやっちゃったのがめちゃ分かる。

 

■エンディング

WEBアニメでおなじみのキャラが出てる感じだった。

ちゃんとWEBアニメ見てなかったから、自分も良く分からんかったけど・・・ちゃんと知ってたらもっと楽しかっただろうなぁ。

 

■4DMX

なんなんだろう……存在感無かったな……それだけ没入してたともいえるけど、むしろスクリーン前に立ち昇る煙とか

スプラッシュで一瞬気持ちが「えぇっ?」てなるぶんマイナスだったか?

まぁ、見てよかったとは思う。

 

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今度は中国語を見に行きます。

(どんだけハマっているんだよ)

 

 

【趣味】映画「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」鑑賞

全然気にしていなかった羅小黒戦記(ろしゃおへいせんき)。

 

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luoxiaohei-movie.com

評価が高いっぽい感じの情報をどっかで見て、会う予定だった友人に「見ない?」と聞いたら「見ない」と言われ

ひとりで見よう…と思っていた矢先に「職場の仲間が観てきて、イイ!と言っていたので観る」と言われた。

なんだよ…自分の情報に対する不信感すげーな……(笑)

ロシャオヘイ戦記は中国アニメ。今まで見たことが(たぶん)無いので、どんなもんやろ?と思っていた。

 

なお、見終わってから感じたんですけど

このポスター中国人が作ったんじゃないよな??勝手な偏見だけどこれ日本がデザインしてるだろ!

あの内容で、制作陣がこんなポスター作ると思えないんだよなぁ。

こんな……例の登場キャラブロッコリーみたいな……こんなん…この映画を作ったスタッフが考えるとは思えないんだよな。

(調べてみた)

よーわからんかった(笑)!でもこのブロッコリー方式に中国語が載っている画像は見当たらず、日本語のみだった。

勝手な偏見を言いますが、このポスターはこの映画の魅力をぶっ殺してると思います。

 

 

 ということで、当然のごとくネタバレの感想言うよ!

 

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■手描き感覚のレトロさとCGっぽい最先端さ

このアニメ、キャラの線がぶっとくて、最近のしゅっとしたラインじゃないからレトロっぽさがあるのに

それが遠景になって動きがついた瞬間にすごく最先端な表現になる。すごい。

こればっかりは見てもらわないとわからん。自分でも書いててよーわからん(笑)。

 

ジブリ

それっぽい表現がかなり出てくる。こだまっぽいやつもいたりする。

でもこれパクリとかじゃなくて、めっちゃジブリ好きなんだろうなー!と思って思わずこっちが

微笑ましく感じてしまうような、そういう好意を丸出しできている感じがかわいい。

ちゃんと自分たちの世界観に昇華できているというか。

ぜんぜんジブリ好きじゃなかったらごめん(笑)

 

■黒猫のシャオヘイ

黒猫の妖精?だったかな?あれは「猫の」じゃなくて「黒猫の」という理由がなんかあったやろか・・・

表情はいかにもな「かわいいでしょ」狙いの感じだけど、動きがまぁすごい猫!しっかり猫してます!

顔や目が大きく当然キャラクターとしてしっかりデフォルメされているけど、動きが猫ですばらしいです。

 

■故郷を追われるシャオヘイ

ゆっくりしてたらドーンドーンとぶちこわされ、自分の居場所を失います。

人間の世界にやってくるしかなく、なんとか魚をパクッたりパクらなかったりして生きています。

魚はパクらず綺麗な川とかで自分で穫ることもできる。

ここで疑問が起こったんだが「自分で穫れるなら、人間から盗む必要なくね?」と。ただ、その疑問はすぐに事故解決だ。

人間の住処だのなんだのは関係ない。

自分のいた場所を奪われたんだから、生きるために移動しただけで、そこにたまたま人間がいただけで

たまたま人間は金で買い物したりするだけで、シャオヘイはただそこにあった死んだ魚を穫っただけだ。

そうやって堂々と生きるシャオヘイは、おそらく人間から恨みを買ったんだろう。

とうとう追いつめられてしまう。

 

■化け猫じゃー!

追いつめられたシャオヘイは、果敢に人間の攻撃を避けるが、いよいよ危険になる。

このへん、なんかホントに猫がいじめられてるっぽくてめっちゃ辛くなった・・・

日本ならこんな感じの描写まではないのかなぁ?

あそこまでの攻撃的な描写したら、なんか文句言う人とか出そうだ。とにかくまぁ、辛くなるほど追いつめられる。

そんなシャオヘイはとうとう巨大な猫っぽい獣に変化して人間に対抗しようとする。

おお、そんな変化できるんや・・・という気持ち。

 

■そこに助けが!

(名前失念したので検索した)フーシーという妖精(人型に変化)がやってきて、助けてくれる。

大地の力みたいなんを使って、コンクリートの下からにょきにょき木を出したりして移動もできる。すごい。

 

■フーシーとその仲間たち

謎の場所から自分たちの秘密の島みたいなところにシャオヘイを案内。

始め不審そうだったシャオヘイも、フーシーやその仲間たちに歓迎会を開いてもらい、めっちゃ嬉しそう。

人間に化けることもできないのか、みたいに馬鹿にされると、シャオヘイは四つん這いから変化!

かわいいおしりが見えている!かわいい!

しかし耳が出たままなのを「おい猫耳が残ってるぞ!かわいいなぁ!」みたいにわっしゃわっしゃされ

「なんだよ!人間の変化になれてないだけだ!」みたいに言い返すのもかわいい。

でも変化でちゃんと服も出るもんなんやね・・・そりゃ全員変化するたびに素っ裸なのも問題か。

しかし、フーシーの仲間にほぼ虎と額から角出てるやついるけどそっちは突っ込まれないんだな・・・と思った。

 

■優しい仲間

「シャオヘイ、ここで一緒に住まないか」

みたいなのを言うフーシー。めっちゃ優しい兄ちゃんの感じです。

きらきらした目でシャオヘイは「いいの!?」と聞く。

もうね、それまで孤独に必死で生きてたシャオヘイの姿を知っとるから、幸せにおなりよ・・・という気持ちがわきまくる。

ええんやで。幸せになってええんやでシャオヘイ。

 

■おふとーん!

なんとシャオヘイ専用の部屋もできている!

ふかふかの藁みたいなのが敷かれて、そこにシャオヘイが飛び込んでニャオニャオ喜んでいる(笑)。かわいい!

いや、しかし・・・シャオヘイと出会ってまだ数時間なのに・・・「ここはシャオヘイの部屋だよ」みたいに

がっつり用意されてるの、用意周到すぎねーかとちらりとよぎるが

シャオヘイが幸せそうなのでどうでもいくなった。

 

■そして襲来

突然の轟音で目を覚ますと、フーシーたちが何かと戦っていた。

このアニメ・・・戦闘シーンがすごい!ほんまにすごい。

最近の、戦闘があるようなアニメほぼ見てないんだけど

そんな自分はついて行くのに必死で、それでもめっちゃすごいと思った。

スピード感と空気感がすごい。

世界観が「妖精」とか「気」とかだから、目に見えない部分を描く必要があるんだが

その「気」が見えるような空気感すばらしい。

 

■執行官ムゲン登場

フーシーとやり合っていたのはムゲンという人間(超強い)

ほぼ無表情で、腕についた細い鉄板をしゅるしゅる動かして攻撃しまくるし防御する。

おお、全体的になんか新しいな・・・という衝撃がおそう。

無表情でクールな感じを出しても、その人が動かしているのは鉄板。

「鉄」は重い、大きいとかいう発想になりがちだが

それを質量の問題ではなく成分として取り扱うのに新しさを覚える。

 

そんな視聴者の自分の感情とは別に圧されているフーシー。

子猫だけど一所懸命で義理堅い(?)シャオヘイは、必死でフーシーの名前を呼びながら探しまくるし

「行くな!」とほかの仲間に言われても行く。

自分は「自分から問題に飛び込む守られキャラクター」が大嫌いなわけだが、シャオヘイは違う。

やっと自分が得られた安寧が奪われようとしているんだから、戦って当然だ!という理由付けがしっかりあって良い。

 

■ムゲンに一発かまされて失神

フーシーを守って一発かまされてしまい、気を失うシャオヘイ。

その間にフーシーは悔しそうに撤退。

「シャオヘイ!必ず助けるからな、シャオヘイ!」

という声を残して消えていく。

熱いぜ・・・・!仲間熱いぜ・・・・!!

 

■ムゲン

残ったシャオヘイは気を取り戻すと「フーシー!」と必死に叫んで探しまくる。

これが、短時間でサラッとするならいいけどシャオヘイはずっと探している。

ずっと声を出してずっと走り回って探していて、埋まってしまった秘密の扉をガリガリ掻いたりする。

なんか涙が出そうになる・・・飼い主を探す捨て猫みたいやないか・・・

そこにムゲンが登場「フーシーはおまえを置いて逃げたぞ」と言われて「そんなことするはずない!」と起こるシャオヘイ。

語弊はあるけど、そうやねんでシャオヘイ・・・と悲しくなる。

そんで、今いる場所が島だったのでムゲンが筏を作ってそこから脱出。いざ海原へ!

 

■抵抗しまくるシャオヘイ

「フーシーはお前を助けにくる」「フーシーの元に連れて行ってもらうぞ」という理由でムゲンに連れて行かれるシャオヘイ。

しかしシャオヘイは抵抗しまくる。

すきあらば逃げようとする(笑)。それはもうしつこいほどに逃げようとする。

映画開始からかなりのところまでずっと逃げようとしまくっている。

ぜんぜんチョロくない感じがすごくいい!

・逃げるために海に飛び込んだがおぼれたので、ムゲンの鉄板に助けられる。

・ムゲンタヒねと思って備蓄食糧のココナッツを海に流しまくったらばれて拾うよう指示される。

などいろいろかわいい。

 

■なんか鉄板に興味を持つ

シャオヘイは純粋なので、嫌いでムカつくやつでもすごければちゃんとすごいと思っている。

だからムゲンが扱う鉄板にやや興味を持ち、ムゲンもそれに気付いたからこそ「お前もやってみたらいい」となんとなく扱いかたを教える。

そいだら・・・なんとしっかりと素養があり、なんとか動かせるようになったりしていて

ムゲンもそれに微妙に驚き「本当に才能があった・・・」と呟いていておもろい。

ただね・・・個人的な趣味の問題だろうけど、ムゲンの無表情キャラ的な部分があまり好きじゃないんだよなぁ。

綾波レイとか、そのへんの時期にはやったであろう無表情たんたんとした声色のキャラが好きじゃなくて

そのせいでムゲンのしゃべりや動きにもイマイチ感情移入はできないまますすんでいる。

 

■ギャグシーンが増える

ムゲンと一緒にいるとギャグシーンが増えた。

正直、フーシーとやり合い、シャオヘイをとらえたところまではこっちは完全に気持ちが

フーシー&シャオヘイペアなわけで、お前なんやねんと。シャオヘイのこれからの平和を奪うなと。そういう気持ちでいたのに

行つのまにかムゲンとシャオヘイのペースに引き込まれている。

魚を穫って口に入れて「おえー」と吐いたシャオヘイに「おい、命を粗末にするな」みたいなのを言いながら口に入れた瞬間に「ボエ」と吐くムゲン・・・

なんだこれwwwww

この映画、笑いの箇所がちゃんと笑いだと感じられていい。

笑いに国境は無いんだな、ということをヒシヒシと感じた。

笑いのテンポとかが日本アニメにも通じるものがあって良かったなぁ。

 

■大波

シャオヘイと二人きりで海原・・・なにも起こらないはずもなく・・・

海が荒れてどーん!と筏が揺れたとき、シャオヘイが意識を失い海に投げ出されそうになってしまう。

そのとき襲い来る海水へ筏がつっこみ、海水はまるで筏を避けるようにドーム状に空間ができる。

「これは・・・!」

というムゲン。これは・・・なんなんだよ!!!!と笑いが出そうになる。

でもムゲンは何かを察している様子。

 

■説明パート

海の時間がとても長い。

シャオヘイは鉄の修行を続けていたり、それぞれになんか空間があるみたいな説明をされたり

さらっと色んなことを短時間で詰め込まれる。

無理のない程度だけど、すげー説明パートだなと思った(笑)。

 

■陸地に到着!

もはやお家芸の逃走芸(笑)のシャオヘイ。

海の時間を経て二人の掛け合いはとても軽妙で温かな遣り取りすら見え隠れする。

それでも逃げようとするシャオヘイ!貫こうとする姿が男だぜ!

っていうか、どうあろうともムゲンは自分の大切な仲間を襲った悪者なわけで、そこですぐにほだされることはないよな。

おなかがすいている二人。「ごちそうしよう」と言うムゲン。

店で二人でめちゃくちゃ食いまった後、お金を払おうとしたらグチャグチャのビリビリに。胸ポケットからヒスイ?を出して「これは高価なものだ。釣りはいらない」みたいなのを言うが、当然店員は食い逃げと認定して追ってくる。

逃げる二人。このへんのボケもしっかりしている。イラストもデフォルメされてかわいい。

 

■呑気な感じの二人に対してフーシー

同じ時間を過ごし、だんだんと互いを理解し始めた二人。

そんな一方、追われたフーシー達は必死にシャオヘイを探している。

切羽詰まった彼らの捜索に対する呑気な二人という緩急がついていてすごい。

そのフーシー達のピリピリ感を見ると「ああ、シャオヘイはなんか呑気にどこぞで生きているよ・・・」と遠い目をするしかない。

 

■バイクがノーヘル

ほぼノーヘルなんやけどあれ中国では当たり前なの(笑)??

 

■ムゲンの優しさ

シャオヘイが「お前から逃げてやる!フーシーが助けにきてくれる!」という感じのことを言うと

ムゲンはびっみょうに苦しそうな顔で「シャオヘイはフーシーを信じているのか」みたいなことを聞く。

このあたりで、シャオヘイがざわつく胸の内に気付き始める感じの変化が素晴らしい。

口では「当たり前だ!」的に言い返しておきながら、ムゲンとの温かな遣り取りでムゲンの人となりを知ってきたシャオヘイ。

鉄を操る力とかいろんな知識とかも付けてきており、ムゲンにも妖精の仲間がいたりするのを知っているだけに、100%悪人だと思いきれていない様子が描かれている。

ムゲンのシーンでめちゃくちゃよかったのが

ムゲンの仲間が大騒ぎで迎えたときに「静かにしろ。子どもが寝ている」と言ったところ。

子どもwwwシャオヘイは妖精(妖怪)なのに、ちゃんと子ども扱いwwwかわいいwww

 

■シャオヘイとムゲンのタンデム

人間の世界に改めて来て、シャオヘイは人間のムゲンの視点を得て様々なことを理解し知っていく。

独りぼっちだったときは怖かった車やバイク、人間などをどんな気持ちで見たんだろうか。

「ぼく…あれに乗ってみたい」とシャオヘイが言ったのが車!「ああ、いいぞ」みたいなん言ってムゲンが用意したのが…バイク!!

「なんでこれなの・・・?」「わたしは免許を持っていない」だったと思うけど

むしろバイクの免許は持ってるんかい(笑)!というツッコミをしたくなってしまう。

バイクで移動して、なんか食べて、うろうろして、ガス欠になって…みたいな二人の旅路を見ているこっちはもう

(いや、完全にムゲンは今カレじゃん…)という感情にもなるもんです。

 

■フーシーの異変

人間に馴染んで生きている妖精仲間のところを急襲したフーシー。

店主からパワー的なものを吸い取った!!

その後ムゲンの仲間が確認したところ「気?」を他人から奪う能力をフーシーが隠し持っていたことが発覚。

当然報告を受けたムゲンはそれを知る。

 

■キャラクターのかっこよさ

シャオヘイの知らないところで、色んなキャラクターが闘いまくっている。

それはムゲンもそうで、涼しい顔をしてシャオヘイと別れたあとに一人でガンガン戦ってたりする。ひえー恰好いいじゃないか!

ただ、その戦いは決して自分のためでもないわけで、その理由を知らないシャオヘイは当然フーシーと戦うムゲンを理解できない。

このへんの描写がすごく上手い。見てるこっちは色んなことを理解し始めているからもどかしい。それがすごくいい。

 

■電車の中の戦い

早すぎてよーわからんけど(笑)何者かと電車の中で、天井の上で、めっちゃくちゃ戦っている。しかも戦いが完全にシャオヘイの取り合い。

眠らされて連れ去られそうになるシャオヘイを守るムゲン!奪われるシャオヘイ!

このへん、ムゲンの余裕さとふとした瞬間に相手に攻撃される、奪われる塩梅がすごくいい。

ちゃんと緊張感もあって、でも絶望でもない感じがすごい。

無事にシャオヘイを取り戻して腕に抱くムゲンだが、その直後意識を取り戻したシャオヘイからサッと距離を取る(笑)。

触られたのではないかと警戒しているシャオヘイがかわいい!そしてそれを理解しているからこそ距離を取ったムゲン。

クールぶっているムゲンが、いかにシャオヘイを理解して心配しているか、ひしひしと伝わってくる。

意識を取り戻したシャオヘイは鉄でできた車両の中の手すりとかをぐにゃっとまげて応戦!ちゃんと戦えていてすごい!

そしてムゲンに褒められて嬉しそう!!かわいい!

それでもあきらめない二人の追手を一人で片づけていくムゲンだが、電車の上から鉄の塊みたいなのが落ちてきて車内の少女にぶつかりそうになる…!

そこを、化け猫に変化して女の子を守ったシャオヘイ。

人々が口々に「ばけものだ!」などとシャオヘイに言葉をぶつけていく中、去ろうとした背中に女の子から「お兄ちゃん、ありがとう」という言葉が。

まぁそうだよな!そういうシーンだもんな!知ってた!

と思いながらも泣いてしもうた。

 

■電車の屋根の上でだんだんと分かっていく

そいつらがフーシーが放った追手だということをムゲンに言われて「フーシーはこんなことしない!」みたいに言うシャオヘイ。

信じたいけど、信じることができないと言う感じに胸が詰まる。

闘いながら、本当のフーシーの目的を語るムゲン。

もっと前に言ってもよかっただろうに、ここまで黙っていたことはシャオヘイを想ってのことにほかならない。

シャオヘイがフーシーを信じる心を大事にしてやりたかったんだろうなぁ。

 

■電車があぁ!!!

高架を走る電車。高架が倒壊したため脱線して落ち、事故になる…!!

この描写よく中国で許されたなぁ。検閲通ったのが驚き。

高速鉄道事故のイメージが一気に湧いたよ…!ビックリだ。

 

■シャオヘイ、捕まる(助けられる?)…!!!

フーシーと再会できたシャオヘイは、無事を喜んでとても嬉しそう。

しかし思いつめたようなフーシーに「人間の世界を壊すべきだ」みたいなんを言われる。

それまで人間のムゲンと時間を共にし、人間の世界に触れてきたシャオヘイは「どうしてそんなことしないといけないの?」みたいに聞く。

しかし自分たちの居場所を奪われたフーシーの想いは頑なだ。「俺達に力を貸してくれ」と詰め寄るフーシーを拒むシャオヘイ。

ムゲンに何かを吹き込まれたんだと苛立つフーシー。結構早々に話をすることを諦め、自分の力でシャオヘイを拘束。

そして、今にも泣き出しそうなシャオヘイから力を奪ってしまう。

この時、仲間のロジュが「フーシー!やめろ!俺が説得するから!フーシー!」とめっちゃ叫んで止めようとする。

なんか、すげーいいやつ。ロジュ。ただ少し気になったのは、ロジュがアツいがゆえに展開からいきなり浮いてしまっていたこと。

キャラクターのほとんどが低めのじりじりとした怒りとか不安とかで動いている中、ロジュだけ突然の主人公然としたヒーロー感。

戦闘以外で声を張っていることが無いこの映画の中で浮いてしまった感を覚えた。

まぁ、それだけ彼の必死の叫びは胸に突き刺さったとも感じるけど。

 

■シャオヘイ

なんか実はめっちゃ力のある子だったシャオヘイ。

悪くはないんだけど、後出しでボロボロいろんな事が出て美味い事話を持って行ってるように感じた。

あれ以外のやりようあったのかはちょっとわからんけど…ご都合主義というか。

もっと初めに、シャオヘイの能力の片りんみたいな部分を匂わせてもらえてたら「選ばれし子だった」でも納得できたかなぁ。

フーシーがシャオヘイに執着したのも力があったからで、その力をどこで知ったのかとかなんかそういうのが欲しかった。

ただ、そんな中でもよかったのはシャオヘイが最後まで一所懸命だったこと。

全然イキりもせず、ムゲンの言葉も聞いて、フーシーのことも考えて、真っすぐ前向きにいたのが本当に良かった。

キャラクターとして超強くなって敵に挑むとかではなく、最後の戦闘やその後にも、優しく、成長し続ける姿を見ることができたなぁと強く感じた。

 

■ムゲンVSフーシー

シャオヘイの力を手に入れて超強くなったフーシー!

ムゲンがもとから圧倒的な力で勝ってきたけど、やや圧され気味。

苦痛に歪む表情は今まで見たことのないものでどれだけフーシーが強くなったのかを観客は目の当たりにする。

それでも一方的ではなくやりあう両者。

「シャオヘイを傷つけてまですることか!」的なムゲンの言葉に対して「人間は許さない!」みたいなフーシー。

シャオヘイを本当に心からおもっているのは、明らかにムゲンだ。せつねぇ。

 

■白化シャオヘイが復活!

自我の中にいる(?)シャオヘイがぺたぺたと周囲を触っているのがかわいい。

何の音もないなかで、一所懸命にそこから出ようとしている。

そして自我を取り戻したシャオヘイは、一目散にムゲンの元へ!

金属をゴリゴリ動かし、やられるムゲンを守るシャオヘイ。強くなったなぁ!

でも使いこなせていないのをムゲンがフォローする。決して守られているだけではなくきちんと戦うムゲンもいい。

力を使いこなせないシャオヘイに「ここはお前の領域だ。お前の思う通りになる」みたいなのをアドバイスする。

それを受けて、なんとか戦い続けるシャオヘイ。

 

■シャオヘイ、ごめん

フーシーが最後に呟いたこの言葉も切なすぎる。

豪快に術を使って人間の町に一矢報いて消えるフーシー。

でもたぶん、人間はあんなことくらいではへこたれないんだよ…たぶん…と切ない気持ちにもなった。

 

■戦いのあと・・・

自分の居場所を妖精たちの国(集落?)に求めて移動するシャオヘイとムゲン。

他の妖精たちと楽しそうに進んでいくシャオヘイの姿をめっちゃ親御さんの視線で見ながら立ち止まったムゲンに気付き、振り返るシャオヘイ。

ムゲンはそっと「私はここまでだ」と言う。

「どうして?ムゲンも一緒においでよ」「私は人間だ。私を嬉しく思わない妖精はたくさんいる」

ということで、二人(妖精たち)には20メートルくらい距離ができている。

シャオヘイの頭に蘇る思い出。「幸せになれよ」みたいなんを言って笑顔で背を向けるムゲン。その顔が切なげすぎて悲しくなってくる…!

呆然とその背中を見つめるシャオヘイが、ひたすら思い出を巡ってから「師匠!」と叫ぶ。

背中から師匠呼びがぶつかって、長い髪がスローモーションで前方に揺れるムゲン(笑)。わかりやすい表現です(嫌いじゃない)

でもこの表現完全に恋愛アニメだよなー…胸にギュン!てきたときのやつだよな…でもこれ完全にムゲンの心に突き刺さったからほぼ一緒なのかな…(混乱)

今までそんなん一言も呼んだことがないのに!いきなり師匠!と呼ばれたムゲンの背中にさらに怒涛の泣き声で「師匠と、いっしょにいたい…!」という言葉が浴びせかけられる。

ムゲンは嬉しそうだけど静かに「また放浪することになるぞ」と聞くと「…うん!」という返事が。

もうシャオヘイは号泣。丸っこい涙をボタボタ流している。この涙の表現はジブリっぽい感じだったな。涙がトロトロの球状というか。

まあこの時点で自分ももう泣いとるわけですけどね!!!!!!

ムゲンが振り返って「おいで」みたいなんを言ったら、泣きながらダッシュで抱き着きにいくシャオヘイ!

猫っぽくてかわい!かわいいよー!

 

■それから二人は

…エンディング!!もうエンディングです!!!

こっからも見たかったよ!!!めっちゃ二人の掛け合い見たかったなぁ。

 

■声優さんについて

自分は声優さんをほとんど分からないのであれですが・・・・主人公のシャオヘイめちゃよかった!

フーシーはキャライメージに対してやや重い感じかな?でも良かった。

ムゲンは、そもそもあの感情無い感じみたいなのが好きではなかったのでウーンと思っていたんだが、戦いのときとかのアツさが良かった!

あとはロジュの主人公感がな…主張凄かったな、という…主役級の声やんあれ…。という感じでした。

別に言うほどひどいとかそういうのじゃなくて、もうちょっと緩めの人のほうが主役が立ったかな??とかは思った。

 

■欲を言えば…

フーシー達とのおだやかな日々をもうすこしちゃんと描写することで、後半の絶望感が引き立った気がする。

海のシーンがやや冗長だったかな。

 

***********************************

★★★★★ ほし、5ちゅちゅ!!!

 

戦闘すごい。

伏線はそうでもないけど、そこは複雑な感情表現で一気に押してきた気がする。

もうね、これ自分が帯とか書くなら「壮大なNTR物語」だな。

見て良かった!!たぶんまた見に行く。っつーか中国語版見に行くだろうな。

 今年見た映画で一番と今のところは言える!

 

 

【趣味】映画「マティアス&マキシム」

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鑑賞してきました。感想を言いたい。
相変わらずのネタバレ100%なのでお気をつけください。
会話などはうろ覚えでその雰囲気を表現するものなので、いいまわしが違うなどはお許しを。
あと展開も前後している可能性ありだけど許して。
そして毎度のことながら名前をほとんどおぼえてない。






■最高の悪ガキ友達
主人公の二人がどうとかよりも(暴言)、それをしのぐ友人たちが素晴らしい!
ロン毛、金持ち、普通、貧乏(頑張ってる)、ちゃんとしてる、公務員(と思われる)
ハッパ吸いつつ大騒ぎ、別荘前の湖におもむろに飛び込んで昔話、食事をしながらゲーム。
いい男たち(見た目もトシも)が童心に帰って最高にわいわいやっている姿が最高に楽しい。
ずっと見ていられるバカ。友情が深いからこそ「おまえはそうやっていつも言葉に突っ込んでくるな」「突っ込んでないよ」「突っ込んでるだろ、知ってるぞ」
とやりはじめればみんながワイワイ「いやあのときだって」と話し始める。一歩間違えれば喧嘩になりそうなところだが危うさが無い。
何やってても楽しい友達たち。そして皆を大事に思うその懐の深さと優しさにあふれている。
ずっと見てられる!

■金持ち友人の妹
こまっしゃくれ(笑)の妹。英語を使うと「くそったれ英語なんか使うな!」みたいに兄に怒られている。かわいい。
それでも妹は負けない。
まるで小学生の兄に付いてまわりをうろうろする妹のようだ。
そんな妹のこともみんなで見守ってきたのだろう。おとこたちは妹が「映画を撮ってる」と言ってきたことに「勝手にやっとけよ!」という反応をしていてかわいい。
しかし問題がおこる。出演をするはずの二名がやってきていない。そこで、優しいマキシムは「いいよ」と出演に同意したことで運命がかわる。

■妹の自主制作映画
本当にすごいのかどうかがわからん。だって親とその周囲が「すごいすごい」ともてはやしているだけだ。
でもマットとマックスの運命を変えたことを考えると絶対すごい。

■マットの出演とキス
先述したくだらない友人とのノリの賭けで負けたマットは出演しないといけなくなり、役を聞くと「マックスとディープキスをする」役だと判明。
「ふざけんな、いやだ!」とくっそ抵抗して怒るマット。そりゃそうだ。と理解していたところに、意外にも諦めムードで受け入れているマックス。
さらには「覚えて無いのか?昔キスしたことがある」「ない!」というやりとり。友人たちも覚えていて「してたろ!」という突っ込みも。
二人でひっそりというよりかなりオープンにやらかしたキスらしい。その時点で、きっと今回のように罰ゲーム的なノリがあったはずだ。
それを覚えているマックスと、覚えていないマット。
このあたりでマックスの心の奥底がやや見えてきた。
明確に言葉にすることもできないような、ぼんやりとした想いを観ている側に抱かせる。

■ディープキス
歯を磨きまくってド緊張している二人がソファに横並び。
その前にこまっしゃくれの金持ち妹が指導している。
それを窓から覗いてワイワイしている友人に「どっかいけ!」と何かを投げつけるいらだったマット(笑)
うひゃ~コワイコワイ!みたいに声をあげながら逃げていく友人たち。
めっちゃリアルwww
情景としてもリアルだけどだからこそつらい。
何かつらいってこれが過去のように「ふざけた」「罰ゲーム」という色が濃いからだ。
マックスの心の奥底に触れた視聴者側からすれば、針のむしろ感がある。
そうして、キス。……見せんのかーーーい!!!!!
いや、だからこそいい。だからすごい。
見せないという判断をしたドランすごい。
見せないからこそ神聖で、見せないからこそ想像力が働いて、見せないからこそ気持ちにさらに近寄っていくことができる。
そして見せないからこそ後半のあのシーンが鮮明になる。
すごい。

■その翌朝
同じベッドを使用して寝ていた(たぶんこの数日同じ環境だった)マットとマックス。
下着姿で起き上がり、マックスに「おい寝てるのか」と声を掛けるが普通に「すぅー」という寝息が聞こえる。
マックス熟睡すぎてかわいい。
マット、起きあがって湖にいくといきなり泳ぎ始め、こっちは(
頭を冷やしに行ったかな)と思ったのもつかの間
どこかにたどり着き、その敷地の別荘にいたご婦人から「助けましょうか」みたいなんを言われ「○○邸(泊まってた金持ちの別荘)はどちらですか」と聞くと「あら!遠いわよ!」みたいなん言い返されて、また湖に飛び込み戻っていく。
いつの間にか遠泳になっとるやないかい!と、こっちが吹き出しそうだった。
どんだけ集中して、どんだけもやもやしてんだよwwww
遠くでバシャバシャやっている姿を唖然とした顔で観ているマックスとロン毛(笑)心の声(あいつ何やってんだ)が表情からダダ漏れで笑える。
やっと戻ってこれたマックスはふらふらで、そこに金持ちが複数のバスタオルで体を包んでやっている。
ほんまいい奴らだ……。
そして、このシーンはわかりやすいマットの動揺と変化だった。

■キスシーンについて
前日の夜にそれを撮影した二人なわけだが、そのことに言及するひとはその後誰もいなくなる。(妹の自主制作映画の評価としては別だが)
それは、あくまでもそのキスが自主制作映画のワンシーンだっただけということでもあり
友人たちにとってはいつもの戯れ言のふざけたことのなかの一つということの強調でもあるように感じた。
あのことで心が乱されたのは、本人たちマットとマックス以外に誰もいないのだ。
それだけ誰も気にもとめなかったことが変化のきっかけになったということを痛感する。

■マットの婚約者
綺麗で、いい子。友人たちとも仲が良く、当然マックスのことも大事に思ってくれている。

■マットの仕事の弁護士
あの人いきなり現れて特にしっちゃかめっちゃかにするでもなく、謎すぎへんか。
あの人もゲイだったみたいな展開は最低で嫌いなので(テヘヘ)そうでなかったことは
彼の存在全てを肯定できるほどに良かった。ただ、謎だ。
「婚約した」的なことを弁護士がマットに言ったり、やたらと女性を性的に評価するというシーンが多かったことから
彼はマットの中の「女性を愛する、愛するべき」という根幹を揺るがすために必要だったのは理解できる。
ただ、なんかわざわざ濃いキャラ付けて登場させないといけなかったかな?とか
キャラ濃い割にはサラッといなくなったな、とか。弁護士の仕事してるシーン一度も無かったなとか。
そもそもあの人本当に弁護士なのか?自分から名乗ってるシーン一度も無かったけど。っていうのが気になる奴でした。

■母親とマックス
アルコール中毒、ニコチン依存的なところが見え隠れする母親。
母親をなんとか愛したいと思うマックスを見ていると心が締め付けられる。
あと、親の介護から逃げている(?)弟。
でも逃げているからこそ母親の中には昔のいい子のままで存在していて、現実と立ち向かうマックスとは違って印象が良いものしかない。
母親からしてみれば自分を責めてくるマックスが憎くなればなるほど弟の印象は良くなっていき
さらにマックスが悪くなるという悪循環。
みんなの前では一緒にバカをやるマックスの現実が見えて本当につらい。
特に、母親の状態が良く、マックスの好物だったパスタを作ってマックスに振る舞ったとき。
マックスががっつくように食べていて、まるで子供だった。
夢中になって食べている姿もつらかったし、その会話の中で面白くもない(母親がよくわかっていない)弟の留守電の話を持ち出すのも胸が痛んだ。
二人が笑えるかもしれない共通の話題はそれくらいしかないのだ。
実際には、母親も理解できず笑いには昇華されなかった。それもつらい。
その後の展開は言わずもがな。
母親にたたかれ、唾を吐かれたマックスの絶望は筆舌に尽くしがたい。
マックスがなまりのある英語を使って、なんとか母親と離れるしかない現実。つらい。

■このへんからマットの視点が多くなる。
どちらかというとマックス視点だった前半から、キスによって翻弄され、自分の感情に苦悩するマット視点!
うおおぉぉお!←何

■おかねもちのどうらく
友人(金持ち)の家に、婚約者と一緒に呼ばれたマット。
行くと自分の母親ほか、おめかしした母親陣がめっちゃワイワイキャーキャーやっている。
なに見せられてんだwwwwという観客の気持ちを代弁する、マットと友人の表情(笑)
別行動して一人悶々と考え、リビングに行くとーースクリーンで例の自主制作映画が披露され終わるところだった。
愕然とするマット。母親たちは拍手をして「すばらしい」とかいろいろ言っているが、見られたのは自分とマックスのディープキスシーンだ。
友人も「あーあ」みたいな顔をしていてかわいい。
「なんだよ、こんなの」みたいに言うが、それは金持ち友人の妹が撮影したものなのであまり強くは言えない。
妹は得意げにいろいろ言っていてかわいい(笑)。
婚約者がやってきて「すばらしかったわ」とか言われるのを気まずそうにやりすごそうとする。
実はこのシーンでも、映画の「すばらしさ」に言及はされてもキスシーンに特に大きな注目があったわけでもない。

■マックス行ってらっしゃいパーティー
マットの家で、マックス行ってらっしゃいパーティー
最高のバカをやる連中と、マットの婚約者。そしてマットの母親が作った手料理を振る舞ってもらいワイワイやっている。
この、幼なじみ(マット)の母親からも我が子のように愛されてるのいいなぁ。
むしろあの人が母親だったらマックスはどれだけよかっただろうな。
一方でマットはあのキス以来マックスを意識してしまって、不自然なほど無視。
だから自分の実家でパーティーなんかされようもんならしんどいわけです。
仕事を理由にちんたら帰ってきて、少ししたら友人から「おいマットがスピーチしろ!」みたいにあおられて、無理矢理スピーチをさせられる。
「えっと……マックスがオーストラリアに行くことは、新しい角ででいいことだと思う」みたいな適当な感じを言っている。
新しい門出を祝う気など全く感じない。
むしろ行かせたくない、俺はおまえが行くことに納得してない、そんな気持ちがダダ漏れ
友人たちも「マット何それ」みたいな顔をしていていい雰囲気(笑)
言われたマックスは、少し寂しげな笑みをうかべて乾杯に応じるのだった。

■おんぼろ車にすしづめで大合唱
その帰り、路上に止めた車の中で友人(マット以外)がすし詰めになってラジオをかけ、大合唱と大騒ぎ。
完全にバカ。(もちろんいい意味で)

■マット、婚約者と口論
そしてその横を車で通りがかったマットと婚約者。運転する彼女も、彼らが大騒ぎしている歌を一緒に歌ってウェイウェイ感を出しているが
助手席のマットは苦笑いでやりすごす。そして通り過ぎ、帰路で喧嘩。
「何よあのスピーチ」
くそみてーなスピーチを聞いて、マットを送りながら婚約者ぶち切れです。かっこいい!

「友達は大事にしなさいよ」
「君を大事にするには、彼らと距離をとるしかない」
「はぁ?彼ら?マックスとじゃなくて?」
「あれはなんでもない!」
 婚約者は突然声を荒らげ始めたマットを不審そうに見る。
 気付かないマットは苦しげに、震える声で言い切った。
「あんなの、素人が撮った映画のただのキスシーンだ!それだけだろ!なんでそんなにこだわるんだよ!」

という具合に小説風に書いてみましたがこんな感じでした。
このあと婚約者が言い返してたか忘れたな。この一言が衝撃的すぎて。誰もこだわってないそこに固執してるのはマットだけだ。
でも婚約者がどん引きしてる(ショック受けてる)姿は見たな。
言葉少なく「どこで降ろしたらいいの」とか聞いて終わってた。
マットの中で、今まで無かった感情が芽生えてたことに気付いてる感。切なくてコワイ。

■マットの父親(離婚済み)の就職の斡旋
マックスは、マットの父親にオーストラリアでの就職を斡旋する紹介状を書いてもらいたいと頼んでいた。
「あの……紹介状まだ来てないか?」と聞くとのらりくらりと「まだ来てない。忙しい人だから」とか言われる。
ほんまに言ってんのかぁ?行かせたくないから適当言ってんじゃねーのかぁ?と見ている側は疑問に。

■なんかパーティー
友人の税金泥棒(笑)の家でパーティー
よくわからんゲームの説明を金持ちが仕切ってやってる。
なんかもうこいつに対して友人の気持ちがわいている自分。めっちゃわくわくしてくる。
しかも説明がけっこう丁寧で、一緒にやれそうな勢い(笑)。
みんなでソファに座り、ギャーワーやっているのをスローモーションとかで見せられてめっちゃ面白い、楽しい!
しかしその中にマットの姿はない。
ちなみに参加メンバーには、マックスが気になっている女子(もうほぼ付き合ってるしキスもしてる)もいる。
後からきたのか後から参加したのか忘れたけど、マットが参戦してくる。
マックスはもうほかの友人達と完全にデキアガっていてアヒャヒャと馬鹿笑い。そして、隣に座っていた金持ちに何かを耳打ちする。顔が近い。
その瞬間、じっとマックスを見つめているマットがアップに。
耳打ちして顔を離して笑いあい、そしてまたマックスが耳打ちする姿を見ていたマットが「おい、マックス!」と声を上げる。
雰囲気にそぐわない刺さるような大声で場に微妙な空気が流れるも、まだ大丈夫な感じ。
しかしマックスが続ける。
「おまえ、今金持ちに何言ったんだよ」
「は?」
「今おまえゲームの答え言ったろ」
「え?言ってないよ。何言ってんだ?」
「いや、言ってた」
頭ごなしに決めつけるマットに金持ちが「いやいや、マックスはそんなの言ってないぞ」と返すも
マットはすさまじい視線でマックスを見つめつづけ「俺はマックスに言ってんだ。おい、聞いてんのかマックス」とさらに責め立てる。
「ほんとに言ってないって」と面倒臭そうに言うマックスに苛立ち始めるマット。一気に悪くなる空気。止めようとする友人に「なんだよおまえらいいのか、不正を認めることになるんだぞ」
と言うマット。周囲のおい始まったよ、やめとけやめとけ感すごい。
シーンとする空気をぶちやぶりまくりのマット。「俺は不正を許さない」みたいなんを言いまくるため、友人たちは「つまんねーわ」とゲームを投げだし始める。
いたたまれない空気。何よりもいたたまれないのは、マットとマックスがまともにしゃべった久々のシーンだということ。
それでも止まらないマットの言葉に、友人のロン毛が切れて「いい加減にしろ」と詰め寄るとがちの喧嘩に!周りがワーワーと必死に止めるが、ロン毛がマットを絨毯に押し倒して上から殴る。
マックスが「やめろ!」と一緒に止めると、マットは一言「アザ野郎」みたいに言い捨てる。
ここまで忘れてた。マックスは顔にアザがあった。
友人達はそんなの気にせず普通に友達だし、普通に愛されてるし、アザがあったってなんの問題も無かった。
でもそのマットの一声で、マックスの顔にアザがあることが突然違和感のあることとして放られたわけだ。
黙り込む皆。立ち上がったロン毛が最後に蹴りを一発見舞う。
よくやったぞロン毛!!!!!!!!
……と思うほど、このあたりのマットはくそです。
でも、そんなマットの本当の良さを幼なじみのマックスは分かっているわけで。つらいなぁ。
友人の税金泥棒「喧嘩してもいいけど俺の家を壊すな!」は名言。

■みんな帰っちゃう
パーティーにやってきていた面々が帰り始める。
その中には、マックスと一緒にやってきた彼女もいる。
家の玄関前にいたマットが、ぼうっと部屋の中を眺めると、その女子がマックスに別れのキスをしているのを見る。
なんてことないワンシーン。それがどれほどマットに突き刺さっただろう。

■仲直り
しばらくして、冷静になったマット。
ロン毛に「悪かった」と謝罪。ロン毛もイケメン笑顔でぐっとハグ。めっちゃいいなぁ、友情いいなぁ。
こんなくそマットを見捨てない友人達本当に最高だなぁ。

■そして……
結構な人数が帰ってしまった。いつものメンバーはキッチンのテーブルでカードゲームに興じていて、居心地悪かったマットは参加させてもらおうとうろつくが
「おまえがいたら空気悪くなるんだよ、あっちいってろ」と無碍にされてすごすごとリビングへいく。
そこには薄暗い中、一人でポップコーンを食ってテレビを見ているマックスが。
少し離れたところに無言で座ってマックスを見つめるマット。
「なんだよ」とマックスが言っても何も言わない。むしゃむしゃとポップコーンをむさぼり食うマックス。
どちらも何も言わない中、空気に耐えられずふふっと笑うマックスはまたポップコーンをむさぼり始める。
いい空気感だ。緩くて切なくて、すごい緊張がある。
長くも短くもない絶妙な数分のあと、マックスは無言でポップコーンを置き立ち上がって居なくなってしまう。
やや逡巡してから、マットが立ち上がって進み始めた。

■到達
見てる側からしたらマットが何を考えてるのかいまいちわからない。
だから歩いてて何やろうとしてんのか分からんかったが、マックスが進んだらしき廊下を追うように歩いて、部屋のドアを開けて中を覗いては閉める。
あ、こいつマックス探しとんやな、と。
よっしゃわかった。そこで謝罪の一つでも口にしてやってくれや、と。
そんで元気に行ってこいという一言を言ってあげてくれや、と。
こっちはそう思うわけです。
それでも、なんというかマットの動きはすごく追い求めて探しているというよりも、まだ迷っている感じ。
きっとこのままマックスが見つからなければ見つからなかったでいいんだろう感すごい。
最後に、暗いアトリエみたいなところに行ったマットが電気をつけると、そこには窓際の収納棚の上に座って足をぶらぶらさせているマックスが。
このマックス、すげー少年感すごいんですよ(語彙)
ハーパンにTシャツ。んで、やや気まずそうにちらっとマットを見て視線を下げる。
すごい可愛い。だが戸惑いもすごい。

■ほんで
ぎこちなく近付くマット。マックスはうつむいたままだ。
座ったマックスの前に立ち、マットは視線を合わせることもできずにいる。
どちらも何も言わないもどかしい時間が過ぎて、先に動いたのはマットだ。
マックスの右手をそっと取って、ゆっくりと自分の口元へ持って行き、手の甲にキスをした。
そのまま視線を合わせて、おずおずとキスをしてからはもう、堰を切ったようにキスをしまくる。
唇に、頬に、首筋に。でもそれ以上ではない感じが初々しくていい。
マックスの手をガラス窓に押しつけ、キスをしまくるマット。
完全にタイタニック的既視感。あれいいよね。好きじゃ。
目を瞑ってそれを受け入れながら興奮していくマックス。
そんな二人をよそに、友人達は突然の大雨に気付いてわーっと庭に駆け出し、税金泥棒宅の洗濯物を必死に取り込んでいる。
(どうでもいいがこのとき、フランス人も洗濯物を外に干すんだなぁとしげしげと思った)
洗濯物を落としてもスローモーションで大爆笑。
洗濯物をひっぱって伸びててもスローモーションで大爆笑。
めっちゃいい。
そんな彼らとは対照的に、カメラがゆっくりとパンした先では、ガラス窓に押しつけられた手と、マックスの首にあるタトゥーが印象的に写り込む。
えっっろい。
彼らのキスシーン自体はそんなエロくはなくて、結構爽やかさのある感じなのにそれを演出する方法がエロい。
磨り硝子と、雨粒。二人の心にしみ入ったのは何なのだろうか。(上手くない)
普通にバカをやっている友人達が対比として描かれ非常に印象的。

■我に返るマット
二人の興奮が高まって、マックスのナニに触れるマット。
マックスも興奮しているので、マットのそれに触れるがちょっと止められ、マットは自分でナニを出そうとするがーー
このへんの描写すごい短く表現されてたからちゃんと分からなかったけど、たぶんマットはたってなかった。
だから「そんな、そんなことーー」みたいなんを言いながら後ずさりして、そのまま部屋を出ていってしまう。
呆然としているマックス。
見ているこっちは「おい!出たよまたマットのそれ!!」という気持ち。
マックスの方がよっぽど肝が据わっている。

■出発前日
まだ荷造りみたいなんしとんのかい。
遅くないかい。
そしてまたひよって疎遠になっとるマット。
しかもここからはマットではなくマックス視点にまた移っている。
おい!あいつを出せ!マックスの気持ちをかき乱しまくる責任とれよ!と思わずにはいられない。
マックスの荷造りとかを手伝ってくれたのは、意中の彼女とロン毛です!!
ロン毛まじいいやつ!!!

■マットの実家で知ったこと
マットの実家に行き、マットの母親から巨大な旅行鞄を借りるマックス。
何か言いたげなマックスに気付いて「あなたは今お水をほしがってる。一杯どう?」と水をすすめてくれた。
まるで母親のように優しく対応してくれるおばさんにマックスが遠慮がちに聞いた。
「あの……元旦那さんの連絡先を教えてもらえませんか」
「どうして?」
「マットに、僕のオーストラリアの紹介状を貰ってほしいと伝えてたんですが、まだ届かなくて」
「あら、そうなの?」
「忙しいのかもしれないんですけど」
みたいにフォローしているマックス。めっちゃ気を遣っている。
おばさんも何かを悟ったようで「連絡先ね。えーっと、えーっと」と探し始めてくれる。
そのとき、おばさんが開けっ放しにしていた引き出しにふと目がいき、何かを手に取る。
そこには子供のつたない農場の絵が書いてあり「マットとマックスの農場」というたどたどしい文字があった。
それを見て涙がこみ上げてくるマックス。
ここ、めちゃくちゃ切ない。なんていうか、自分たちの普遍的だと思っていた関係性がゆるゆると崩れている不安感。
今まで築き上げたものがたった一度のキスで壊れはじめて、それでも新たな関係性を確認するように激しいキスまでしたのに、それ以降なにも進んでない。
さらには紹介状もない。これから発つマックスには不安しかないだろう。
で、おばさんが戻ってきて連絡先をもらう。

■電話
がらんとした部屋に戻り、電話をかける。
アメリカの弁護士事務所になまりのある英語で一所懸命説明し、確認をしたところーー
「三週間前に出していますよ」みたいなんを言われる。
「え?僕は受け取っていません」
「そうですか?送っていますよ」
という感じのことを言われ、そこで始めてマットが届いた紹介状を隠していたことを知るマックス。
「彼はどうして、僕に紹介状を渡してくれないんでしょうか」
「それは、こちらではわかりません」
当然の返答。ありがとうを言って切ると、涙がどんどんあふれてくる。
なんていうか、ほんとマット土下座な!フローリングで土下座な!と、もう友人の一人の気持ちでいる自分は思うわけです!
このときの絶望すごいよな。
幼なじみで親友に、自分の未来(オーストラリア行き)を歓迎されていないことが露呈。
「お父さんに依頼をしてなかった」ほうがまだマシだった。実際にはきちんと届いたものを、意思を持って隠しているのだ。つらい!!!つらすぎる!!
うぐぐマットのくそ野郎!と思う自分!
(こういう展開、マットの病的な心理描写、大好物ですけど!!ありがとうマット!ありがとう!)

■出立
ロン毛が迎えにくると約束していたらしく、迎えにきたため
覚悟を決めて部屋を出たマックスの視線の先にはーー

もう、これ、ほんとマットやめろやと。もう翻弄するのやめてやれやと。
おまえの前のマックスは、もう何も知らない弱者ではなくて、おまえが紹介状隠してたことも知ってるマックスなんやぞと。
この後、どうなると思います??てめっちゃみんなに聞きたい(笑)
自分は、このあとのらりくらりとコミュニケーションを取ってこようとするマットから、マックスはやんわりと距離取ると思うんですよね。
そんでオーストラリアでがんばる話を聞いたりしながら、また普通の友人に戻っていく。
マットは婚約者と結婚し、マックスもオーストラリアで彼女ができて、でも別れてみたいになって、そのグチも友人達に言う。
そんな感じじゃないかなぁ。
でマットに子供ができて、あのときの感情は一時のものだったんだと過去を思い返せるようになってほしい。

同性愛の否定とか、異性愛がどうとか言ってんじゃなくて、マットが信用ならんという話ですよもう。
マックスを自由にさせてやるにはそれしかないんじゃないか??と思うわけです。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
総評;★★★★☆
とにかく友人のバカ描写が最高。
最高に自然で最高に楽しい!今までみた映画の中でトップですよこのノリ。
あと、登場人物基本的にみんな優しい。
いろんな痛みを抱えてはいるけどみんな優しい。

一方で、マットがずるずると陥る「マックスへの気持ちはなんなんだ?」という疑問と感情の揺らぎと嫉妬とか全部すごい。
ほんますごい。大好物。
とはいえ、これは正直ゲイの映画ではないと思う。
このへん言い始めたら難しいことになるかもしれんのですけど、自分が好きな「人間愛」的なところが大きいなぁと思います。
いいもんみたなぁ、とすごく思った。

【趣味】映画「2分の1の魔法」鑑賞

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ディズニー映画が3度の飯くらい大好き!でおなじみ、自分が見てきました。
ピクサープレゼンツ「2分の1の魔法」。
正直、ピクサーがあまり刺さらないか刺さりすぎて痛いのどっちかに振れ幅がある自分はやや心配。

では、いつも通りネタバレありで感想をいいたい。
そしてかなり辛口です。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

■開始3分で納得いかない部分が目につき始める
大人の男性の独白で「昔世界は魔法にあふれていた」みたいなのが始まるんだが
その内容は「昔世界には様々な種族がおり、中には魔法が使えるエルフもいたが、便利さを求めるため魔法を捨ててしまった」というものだ。
実はこの書き方ならまだましだ。
映画の中では「魔法を使うのは大変だから、人々は楽な道を選んだ」とはっきり言っている。
ここで自分は納得できずにたぶん心を閉ざした感ある。

はっきり言おう。選ばれた人しか使えない魔法が廃れた理由を文明の発達のせいにするのは間違ってる。
文明が発達したのは、そういった「普通の人」が魔法を使える人なみに便利なものを求めたからで、別にそのせいで廃れたのではない。
廃れたのは「選ばれし魔法を使える人」が魔法を放棄したからだ。
そ文明の発達を喜びとする人々をまるで「悪いこと」のように描こうとする視線にイヤらしさを感じた。

■主人公
ややへたれの主人公。
なんていうか、自己表現が下手な子っているよなぁとやや分かる気がした。
声優がへたで集中できず。

■母親
キャラはお母さんぽいイメージ。(後述あり)
声優がへたで集中できず。

■兄
初っぱなからウザすぎていらだって仕方なかった。
冒頭すぐから怒濤のうざさ。
主人公が着ていた父親の遺品であるトレーナーがひっかかって少しやぶけたのを「ひっぱれば取れる!」と言い切っていきなり引っ張り案の定ぼろぼろになる。
このあたりで「あ、この兄貴はちょっと障がいがあるかな?」と認識。(後述あり)
声優がうまくてやたら美声。

■父の同窓生のおじさん
亡くなった父親を知るおじさんと出会う主人公。(むこうから話しかけてくる)
「君のお父さんは・・・」といろいろ教えてくれるが、はなしている途中で自分の子供に呼ばれて去ってしまう。
ありえなくね?普通さ、父親を亡くして悲しんでて「父はどんな人でしたか」と聞いてくる子供に対して
自分がいいたいことだけササッと言って終わらないだろ。だっておじさんは自分から「もしかして、○○の子供?」と聞いてるのだ。
だったら、その子供を残して亡くなってしまった父親の気持ちも分かっているのではないか?
なのに、とっとといなくなる。マジか・・・・。
普通電話番号渡したりしないんか・・・・?後からでも、たくさん話してやるとかすればいいのに・・・。とめちゃくちゃモヤモヤした。
これ、おじさんがめっちゃ急いでる時とか、誰かにものすごい急かされてるとかなら分かるけど、普通にいすに座って喋ってるからな。

■話を聞かないやつばっかでほんっとしんどい
これさ、自分が歳食ったからかもしれんのですけど(笑)、本当話を聞かない奴らばかりでめちゃくちゃしんどかった。
主人公が話をしている間に遮って何か言う、はなしている最中に自分の世界に入って止められるまでしゃべり続ける、そんな繰り返しばっかり。
たぶんそういったやりとりで難しい設定を説明していかないといけないんだろうけど、聞いてるだけでうんざりだった。

■父ちゃんの話がでると泣いちゃう
主人公がカセットテープの父ちゃんと会話するところでぼろぼろ泣いてもうた・・・
もうさ、だめだよ。そういうのあかんて。

■父ちゃん
パンパンに服が詰まった上半身がどうやって自立しているのか気になってしゃーなかった。

■サンダジア?諦め早くね?
そのせいで車が死んだ

■母ちゃんの彼氏
話聞かない系でしんどい

■母ちゃんと伝説のライオンみたいなやつ
ペアにして笑いを取ろうとしてるのかもしれんけどしんどい

■石が地元だと判明して
なかなかのテンション高いところからの落差!めっちゃよかった!
でもそこでぶち切れる主人公。え?え?マジで言ってんの?
だって古い地図に基づいてやってきたわけで、その先がどうなってるかなんて分からなかったわけだろ?
なんで兄貴にぶち切れられるのかぜんぜんわからん。
これ、テンション下がってもなんとか無理矢理鼓舞して記されたその場所に行ったけどなんかめっちゃ崩壊した建物とか校長室の地下とか
普通に入れなかったり見るからに崩壊してたりで呆然としてからの諦めと激怒とかの方がよかったのでは?
なんで地元に戻ったからってぶち切れたのかぜんぜんわかんないんだよなぁ。

■兄貴のカンのよさ
最後の最後ですごい兄ちゃんらしくなっていくなぁ。かっこいい!

■母ちゃんが勇者?
なにそれ。もっとにおわせとけば面白かったのに、突然感(予想はしてたけど)すごい。

■兄の吐露
「弱ってしまった父親と話をするのが怖くて、病室から逃げ出してしまった」
という兄の言葉がめちゃくちゃ胸に来る。そうなんだよな、分かる。めっちゃわかる。
現実から目を背けたら、それは現実じゃなかたように思える。
でも本当はそれは「目を背けてるだけ」なんだよな。なんの解決にもなってない。
でもなー、わかるよめっちゃ怖いんよな。うん。
主人公格のキャラで、こんなに生々しい弱さを見せたキャラクター初めてかもしれない。
くそ泣いてもうた。

■復活する父
兄を父親に寄り添わせ、記憶にない父親の姿をせめて見ようと必死に背伸びしている主人公。
優しすぎるし、思いやりに溢れている。
ちらりとでも見られればいいのに、見れなかった…悲しすぎる。
でもその後あった兄は清々しいほどの顔をしていた。先述した兄の苦悩が昇華されたのがわかる。

■その後
皆の前で魔法を披露する主人公。
なんか人気者っぽい感じになっている。


***************************************
総評;もやもやする。
★★☆☆☆ ほし、2.9!

流石のピクサーで涙も出たけど、主人公の成長やなにやらで感動というのではなく
その時の気持ちに共感して泣いているのであって、ぜんた全体的な話で心を揺り動かされることはなかった。
いわゆる「なろう系」?なのかな、と感じたのが「主人公が自己主張が苦手、自信がない、友人付き合いも苦手」なところから「選ばれし者」と発覚し、兄と旅に出る。
というところ。
しかし、その「自己主張が苦手」「自信がない」ということが旅の中で自信にも変わり自己主張ができるように・・・・と思いがちだが
自信が出てきたり主張したりするのが結構突然。突然自信が出るのに次には「僕には無理だ!」を繰り返す。
ええかげんにせぇや、と思わずにはいられない。

とにかくバタバタしているばかりで集中はできなかったこと、全体的に声優が結構ヘタクソだったこと、主人公やその周囲の感情変化に没入できなかった。
とにかくキャラクターの一方的な会話が多く疲れてしんどい。しんどい。

【趣味】映画「人数の町」鑑賞

見てきました。

一応前回のプロメアからいくつか映画を見てきましたが(ジョーンの秘密、他単館系で3本見たけどタイトル完全に忘れた)

コメントを書くまでのテンションにならず放置していました。

久々に書きたい作品があったので書きます。

 

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画像が大きなものが見つからなかったので諦めました。公式HPへどうぞ。

映画『人数の町』公式サイト

 

中村倫也主演人数の町

 

 

 

 

 

 

毎度のことながら遠慮なくネタバレありで感想を言います。

見たくない方はスクロールしないでください。

なお、今回はかなり厳しく色々言っていますので、めちゃくちゃファンの人も見ないでください。

ちなみに主人公の名前を忘れているので一旦「中村」と表記していたのですが長文になりすぎたので最後まで中村で通させていただきました。中村倫也さんすいません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※正「出るのも入るのも自由だがない離れられない町とは?」

誤「出るのも入るのも自由だが逃げられない町とは?」

修正いたしました。

***************************************

■ 全体の設定がすごくいい
そもそものうたい文句「出るのも入るのも自由だがない離れられない町とは?」というものが非常に興味を引く。
この謳い文句だけでこの街が人数に関することで何やらきな臭さを感じさせる。

■予告を見ても非常に期待度が高い
無気力な感じの主人公が清潔そうな街で生活を始めている。ただそこには何かしらのいわくがあるようだ。
主人公がその環境に違和感を覚え抵抗していくのが予想されとても面白そうだと思った。

中村倫也頼み
アラジンの件があったせいで自分は中村倫也が好きじゃない。
それを直接映画の評価にするにはとても乱暴だと思うからそういったことはしたくないが、 この映画にはそこはかとなく中村倫也ありきでの部分が感じられる。
全部通してみての感想だが中村倫也さんはドラマなどよりも舞台の方がドラマなどよりも舞台の方が映える俳優な気がする。
声も通るしいいし、ぼそぼそ喋るようなドラマの演技よりも舞台でしっかり発声した方が魅力が出るのでは?

■ 脇を固める俳優陣
どこかで見たけれども有名ではないというイメージの俳優さんが多々出ていた気がする。いわゆる「名わき役」。
特に印象に残っているのはポール役山中聡さん、紅子役石橋静河さんのお二人だ。
ポール役の山中さんは優しさとその裏にある胡散臭さがとても良かったとてもとても良かった(大事なことなので2度言いました)。
紅子役石橋さんは身近な美しさそして聡明さを感じさせる演技だった。更にその中でも弱さを感じさせる部分があり、守ってあげたくなるような女性を嫌味なく演じておられたと感じる。この二人に関しては今後の出演作品にも注目をしていきたい。

■ 現時代のアンチテーゼ
投票数、人数、イイネ数など、個人の意見よりも他者の意見や感想が重要になってしまっている現在を
うまいこと表現した「労働」はとても面白かった。闇バイトでめっちゃありそうだもんな。ていうかあるよな。

■みどり
なんかちょっと演技が下手と思った……けど、それがまた後半になると味わい深くなる!
役がそもそもの重要な役目で、だからこそ美味しいし、この役者さんもそれをちゃんと体言していてすごいと感じた。
いやー女って怖いですね(謎)

■めがねの女
自分結構あの地味子好きやったんやけどなぁ。
体もエロそうだったし、中村がなんであんな態度だったのかわからん(まぁやれればいいっていうだけだったんだろうけど)
「しかもどこでも誰とでもセックスしていい」場所において、寄り添って寝て自分の本当を吐露するなんてかなり重要な人物だろ!
・・・と思わせての本当にモブ。びっくり。みどりちゃんへのミスリードがすごい。
そして自分はまんまとミスリードにひっかかりましたよ!

 

■名前

紅子が登場して初めて、この映画で個人を指す「名前」が使われてないことに気付いた。(使われてたらすまん)

だから「みどり」の名前が出たときに衝撃が走る。

ああ!個人が奪われて、数になってんだ!と気付いたのは天啓のようだった。

「中村?贅沢な名前だね。今日からお前はデュードだ」

 

 

(そしてこのへんから不満噴出)

 

■エロくない
なんか「エロスが」みたいな売り文句?評価?があったのでどんなもんかと思ってたけど
ぜんっぜんエロくない。エロくないからイヤだとかじゃなくて「エロス」を売りにできる表現や映像ではまったくない。
基本水着の女がうろうろして「やりてぇ」みたいな感じしかない。
エロスってもっと、匂い立つような男女のやりとりか、超直接的な表現しかないと思うんですよ。
前者なら露骨な表現がなくてもエロいし、後者なら丁々発止のやりとりなんかなくても一気にエロい。
そのどっちもない。終始一切ない。
おっぱいのひとつもこぼれなければ、恋愛の駆け引きもない。はーびっくり!!

■「出るのも入るのも自由だが離れられないない町とは?」といううたい文句が仰々しい
このミステリー感あふれるうたい文句、素晴らしいんですよ!
なんでだろう!?なんで戻ってきちゃうんだろう!?すごく想像が広がる、本当に素晴らしい言葉だと思う。
でも結局「入居の時に首の後ろに埋め込まれた機械のせいで、頭の中で音楽が爆音で流れて耐えられないから」という物理!
はぁ~なめとるwwwwwww
すげぇナメとるわぁ~~と、もう見ながら半笑い。

一度「やれんじゃね?」と逃亡を企てた中村と相棒のふとっちょが、町から離れるにつれて爆音になる音楽に耐えかねてあわてて戻ってくるのを見て
自分は(いやいや、まさかな……まさかこんなのに耐えれないからっつって戻ってくんのか……?)と思ってたら最後までそれ。
なんかもう、本当がっかり感すさまじくて一気に気持ちがそがれた。

■中村
人生なんてどうでもいいやから始まっている中村の町生活。
まぁ後半覚醒していくわけですけど、ぜんぜんその覚醒への道筋が無い気がすんだよなぁ。
どこかではっきり何かに気づいたわけでも、正義感にたてついたわけでもなんでもない。
ただぼんやりと仲間(町にどっっぷり)ができて「ここで死んだ人ってどうなるんだろうなぁ」と言っただけ。
紅子と出会ってからどうという感じも無い。

■紅子と中村
妹を探しにきた紅子。入居したばかりでまだウブな紅子を見守る中村。
町になれてきてこなれている中村を嫌悪する紅子を心配して近づく中村。
しかし警戒している紅子。
町中での「数」の仕事に行ったとき、バスの中で紅子に「愛してる!」と叫ぶ中村。
いや……これ……正気?
惚れてる描写あった?気にしてる描写はあったけど。
それまで中村はみどりと一緒にいて「みどりよりも紅子を優先する」描写なんてひとつもなかったのに(緑にけしかけられて声をかけてたけど)突然の愛してる?
しかもそれは、バスの中え自分を拒否されたから言ったみたいな感じになっていてなんなんこれと。
紅子はまんざらでもない感じで否定し「何言ってんの」みたいなの言ってたけど、お前こそ中村を気に入ってる感じぜんっっぜんなかっただろうが!!!
自称セックスにまみれた(ぜんぜんまみれた描写のない)爛れた町にいる中村にそんな簡単に惚れるんか?!
心理描写がぜんぜん無い上に説明もないから本当気持ち悪い。
突然の「展開用の愛情」が持ち出されて自分は席を立とうかと思いましたが我慢!

■キス
そんな中迎えたキス。
脱走計画(後述する)を実行しようと通報ベルを押そうとしたとき、その前で紅子が切り出す。
「あのさ、あんたが言ったの、意味がわかんないんだけど」みたいなのを言う紅子に「あぁ、うん、そのまんまの意味だけど」みたいなのを言う中村。
さらに言い訳をしようとした中村の唇を突然のキスでふさぐ紅子!
唇をはなして、じっと見つめ合いながら中村が(?)ボタンを押して、左右に分かれて計画実行!

……っていう、もう見てると「ああぁーーこのシーンすんげぇ描きたかったんやろなぁ!すっげぇ満足したやろなぁ!」と笑いがこみ上げた。
そのシーンの突然感すごいんすよ。ねじ込んだというか。そもそもそこへ行き着くまでの恋愛描写がどん引きするほど薄いのに、そのキスシーンだけはかなりしっかりしている。
これ、もしかしたら中村倫也ファンならキャーってなるんかな?ぜんぜん理解できないですけど、なるならごめん。
そうだとしても演出としてどうかと思う。

■ガッバガバの逃避行
そもそもの町に来たときに「ところどころに監視カメラがありますよ」という描写があった。
にもかかわらず、普通に行われる解除用機械の盗難と逃走。
鍵もかかっていないいろんな施設の場所。
寝ている子供の略奪シーンは、それまでガラス越しに見るしかなかった子供にどう会うんだろうという予想を裏切り
あっさり侵入して普通に抱き上げて去る。なんじゃこれ…ガッバガバ・・・・
これってあれか。主人公アゲのために周囲がバカになるっていうあれか。

■しかしそんなのはもうバレバレなのです!
頭に流れる音を止める解除用装置の電池が切れ、逃走中にワァー!となったところで監視員が車に乗って登場!
「もうそろそろだと思って止めにきました」とどや顔で音を止めてやる監視員。
捕まって車に乗せられているのを見て「この女監視員をぶちころがして、車パクッて逃げたらいいのに」と思ったらやった!!!おっしゃ中村いいぞ中村!!
でも道のど真ん中に転がしとくのは色々まずくないか?なんも考えてないというか、逃げるのに必死やったんかな?
あんな見つかりやすいところじゃなくて、草の奥とかに突っ込んどけばいいのに。

■そこからの逃避行
金が無い(少しだけならある)。寝る場所も無い。そして逃げているという疲労
本人たちの戸籍も無くなっている。(実家とか知りあいとかおるんちゃうんか?と思うけど。特に紅子はこの間まで働いていたわけだし)
まぁとにかく彼らは世界にいないような感じになってます!
そんな中、田舎のコンビニみたいなところに車を止める中村。
紅子「だめ、やめて」中村「大丈夫だから」紅子「だって・・・・そんな。やめて、だめ!」中村「大丈夫、信じて」みたいなん言って目深にフードをかぶりなおす。
そうして店の中に入り、暗転。

■暗転のその後
突然場面が変わり、海辺の道に停まった車(盗んできたやつ)から、服装も違う紅子と中村が大量の食糧が入った買い物袋を下げて出てくる。
砂浜を見下ろす防波堤に座ってパンを食べる中村。
紅子「あ。それ、賞味期限長いから桃(一緒に逃げる子供)のやつなのに」中村「あ。ごめん」

・・・はああぁぁぁああああ!?!!?!?!?!?!?

いやいやいやいやいやいや、完全にあの時襲撃チーマースタイルやったやん。一文無しでガソリン代も必要で、それなのに今新しい服で食事もできてるってなんでなん?
襲撃以外で考えられるのは、店主が本当にいいひとで恵んでくれたとか、日雇いで仕事したとか、善意の寄付があったとかだろうけど、そんな匂わせかんっっぜんにゼロ!
そもそもそんな善意があるなら物語に組み込む必要があるわけで、そんな善意はこの物語には不要なんですよ。だって主人公ドン底人生だからこそ「人数の町」を選んだんやもの。
だから金があるってことは悪いことしか考えられんのだけど!
あれから悪いことをして金を得た展開って、その後後悔したり、でも子供の笑顔が見られるという喜びに葛藤したり、そういうのがあると思うんですよ。
でも一切なし。呑気に海辺でパン食ってる。逃げるでもなくなんでもなく。
で、手を離れて海へかけていく子供から目を離す。

バカじゃん。本当。せめて何かに気を取られて目を離せよ。はなから見る気がない感じで見てない。

で案の定、子供は水辺に行ってしまう。慌てて名前を呼び、広い海をなんか右往左往見て歩く中村。
いややいやいやいやいやいやいや!!!超直線状におるやん!!!!!
危ないから子供を呼び戻そうとするが子供は当然聞いちゃいねぇ。
その時、音楽の解除用機械から離れすぎたために頭になり響く音楽!呻く中村!
砂まみれで呻く中村!響く音楽!中村!水際の子供!突然腹痛が襲う紅子!よろよろと車に戻る紅子!響く音楽と中村!子供!波打ち際の笑顔を守りたい!叫ぶ中村!叫ぶ紅子!!激しい音楽!クラクションをめいっぱいならす紅子!!聞こえぬ中村!!叫ぶ中村!!子供!!(‘_’)という顔の自分!
結局必死に子供に近付いて抱き上げ、なんとか戻ろうとするとグッタリした紅子に気付いて叫んで駆け寄る!!!
いやー、すっげぇしつこいんだぁ~。ここも、すっごい描きたかったところなんだろうなぁ~。
焦燥感と緊張感を見ている側に与えたいんだろうけど、自分は(すでに分かるように)全然感情移入もできてないのでやたらしんどい。
ただでさえ音が大きめでどうせ鳴りやまない面倒くさい感じなのに「守ろうとするものに必死」みたいなヒーロー感出しまくられても
いや、この人いつヒーロー感ある覚醒あったんでしたっけ、と冷静さが襲い来る。

■紅子がまさかの
いや、予想通りというか、「そんなわけないやろ」という悪い想像通りの妊娠。
いやいやいやいやいやいや、どこで?どこでやったの???? 車か??????子供いるのに???????????
これエロ興味とかじゃなくて、本当に、このへん大事なことだと思うんですよ。
どこでもいいでしょじゃなくて、せめて匂わせる会話とか描写、目線とかで語ればいいと思うんですよ。
でもそんなん一切なくいきなり「母子ともに無事です」みたいなん言われても、まぁ自分は一切変わらないスーンてした顔なわけですけど、うっわwwwwとなるわけです。
あの天下のドラクエⅤですら、結婚後に宿屋でビアンカが「そっちにいっていい?」と聞いてくる。そんなん見たら、あー、仲良しさんやなぁと思うやんけ!!!
そういうのが一切ない!!!!!!!!!!!!

■疲れた
もう疲れた。イライラしまくりで疲れた。でも書く。

■病院で絶望
保険証もないから高額の医療費。そんなん払えるわけない、みたいな感じになっているけど自分からしたら
(いいやいあいやいやいやいや、あの暗転したら謎の錬金術でお金増えるんじゃないんすかwwwwウェヒヒwwww暗転すればいいんじゃないすかwwwww)
みたいなくだらないことすら浮かぶ。おそらく今やっている病院の絶望感は自分の好きな感じだけど、それすらもう穿った見方しかできない精神状態。
先生に呼ばれて、中村は子供に「ここにいてね」と声を掛けて、診察室みたいなところに入っていく。一人取り残される子供(推定4歳)
ありえなくね???病院で一人ぼっちでこんな子供待たせるって。普通一緒に入るか、ちょっと横で看護師さんが少しだけ話したり相手したりしてくれるんやない?
主人公の危機の為にバカをさせすぎ。
……と思ったが!!!!!!!この病院はもしかして、爆破テロに加担していたあの病院なのでは!!???と思ったらなんかワクワクが止まらない。
いやー、それなら、怪しい主治医みたいなんをちらりと出すとか、あのスーツの男とすれ違わせるとか、匂わせ方はなにかしらあるだろうにな。

■神登場
そんなところに現世のキリストこと(誰も言ってない)ポール登場!!!
めっちゃいい感じで子供とお話してるーかわいいー!!!
子どもも自然でかわいいーーー!!!ひゃー癒し~~!と思いながら見る。

■ポールと中村
看護師さんに連れられて子供が紅子のところへ行ったあと、そこに戻ってきた中村が観たのはポールの姿。
「桃は…」「ママに会いに行ってる」みたいなポールの返答で普通に大人しくしている中村。
普通そんなん信用するか?????
自分やったらこんな奴無視してとりあえず確認しに行くなぁ。
――とまぁ、思うところはあるけどそんな描写入れてたらまどろっこしいからなくていいか。
ということでポールは「戻ってこいよ、衣食住確保されてて何が不満だよ。俺たちは家族だ」みたいに言うと
中村は「そんなの、家族じゃない!家族っていうのは、一緒に過ごしたり、悩んだりして、そうやって作り上げていくものだ!」
と力説するけど、その姿がもう舞台役者さんなんすよ……あの感じ……なんていうか大げさというか、わざとらしいというか。声はいいのになぁ。

■オチ
まぁ、想像ついてたけど納得の職業に落ち着いた。あれ以上も以下もなくて、ミステリとしては十分に仕事をした感。
ただミステリにあると非常にいいどんでん返しのやられた感はゼロ。

■んん?
最後に、妊娠しておなかが大きな紅子が寝ている時に、音楽解除の機械が二人分置きっぱなしになっていることに気付いてなにやら神妙な感じを醸して、上記したオチになるんだが。
……どっちかというと、これをオチに持ってきたほうがいいんじゃない?
最後のお仕事シーンをオチに持ってくると、この前の謎を残したインパクトが薄くならないんかなぁ……。と思った。
で、この「二人分の機械が置きっぱなし」の件について、自分の解釈を。
解除の機械が二人分残っている→中村が持って行ってない
ということは確定なわけで、なんで中村がそれを持っていっていないかというと・・・・・・・
(自分の解釈)紅子がおそらく妊娠10カ月ちょい前くらいかな?臨月ではなさそうな感じだったけど。つーことは、妊娠発覚からだいたい9カ月くらい経っているわけです。
家もいるし、いろんな金を稼ぐために、おそらく中村は早々に仕事についたはずだ。
就職してから9カ月目、もう一人で立派に仕事ができるっ状況になっている中村は、完全に頭の中が染まりきっておりあの音楽もまったく聞こえない状態になっていた。
・・・という感じで考えました。

 

<追記>

■「出るのも入るのも自由だが逃げることはできない町とは?」

結局帰るところはここ。というか、ここに帰るしかないという。

でもこれって町に何かがあるのではなくて「一度入ったら戸籍とかも無くなって外では生きていけないから戻る」という

結局ある意味物理なわけで…決して魅力的だとか、何かの作用で戻るとかではない。

ちょっともにょもにょするんですよね。

だって人によっては、「ひとりで」出て、どこかの出稼ぎに落ち着いて生きている人もいるかもしれないし。

 


***************************
総評:★☆☆☆☆ ほしひとつ
途中離席を考えたが怖いもの見たさになんとか見ることができた。
なんていうか、もう早い段階ですごくイライラした作品だった。映画見ながらイラついたことが無かったので(ドラクエはどんでん返しでイラついたけど)
こんな感情になる自分にびっくり。

 

【趣味】映画「プロメア」(英語吹き替え版&日本語版)鑑賞!

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初めて見たプロメアが劇場で英語吹き替えってアツない?
日本でもまれじゃね?オンリーワンJyane?

ってことで、今更ながら劇場で放映していたプロメアを観ました。
面白いという感想はそこかしこでぼんやり見たので興味が出て見たわけですが・・・感想を言っていきたい。

ちなみになんで英語吹き替えかというと、日本語のはいつでも見れるかなぁと思ったからです。

前日譚(?)は日本語だったので、キャラの日本語時のイメージとかはそのときにある程度理解した。
そのほか、結局「ここ日本語だったらどういう言い回しなのかな」と思うところがたくさんあったので
先日、日本語でも見直してきたぞーー!!!!
はまりすぎやろ!!!
おのれ・・・おのれ、プロメアアアァァァアア!
許さんぞおおぉぉおおープロメアアァぁぁぁあぁぁぁ!

つーことでいつもの通りネタバレあり。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


◆びっくり
なんていうか、絶妙な絵でめちゃ驚いた。
アメコミっぽさと日本のマンガのすっげぇ中間。
曲線のあまりないバキバキッとした表現も面白い。
スピード感を出すためのコマが少ない感じを受けたのはアメコミっぽかったかな?
次の瞬間にはビュンッと跳んでるというか、そういう表現。
よくある、よく見るアニメはそのあたりのコマもしっかりかかれてぬるぬる動いているイメージなので新鮮だった。(Dとかジブリ比)
色味が透明感あってきれいだった。ピンクとライトグリーンの組み合わせはさわやかでいいですね。

一方で、直線が多いだけに画面のごちゃ付きがやや気になった。
どこで何を誰がしているのか分かりづらい。
ただまぁ、そこまでの問題でもなかったな。それを補ってあまりある魅力が今作にはあると思う。

◆ギャグシーンがえらい海外アニメっぽい(笑)
かわいい。
後半の展開はまじめな感じなのに作画がやたらとラフな雰囲気になっているのが気になってしまった。
大した問題ではないんだが。

◆GALO side
初っぱな日本語でスタートして「うぉいうぉーい、英語ちゃうんかーい!」と思ってた。
とりあえずスタートしたのはどうやら主人公のガロ紹介みたいな小話。
ここで滅茶苦茶気になったのが・・・・
アイナ「マッドバーニッシュ・・・」
ガロ「マッドバーニッシュ?」
アイナ「そう。バーニッシュの中でも凶悪な奴らよ」
みたいな会話をするんだが、今更ガロがマッドバーニッシュ知らんて問題じゃね?
ここで少なくとも自分は「ん?ガロはその人たちを知らんのか?」と思ったけど・・・・これが次に流れたLIO sideの伏線となろうとは!!

◆LIO side
リオ初登場なわけだが、バーニッシュ軍団と出会う前は一人で何やってたんかなぁ。
いきなりのカリスマ性でリーダーになったわけだが……よくあの美少じょ……美少年をがちがちのリーダーに認めたな(笑)
それもこれも、あの装甲見たらそりゃね!認めるしかねーですよ、格好よすぎやろあーまー!!あとバイク!
3人そろって街を襲うときのテーマ曲と、股がっぴらいて玉座に座るあの感じ最高にアツいわ!自分の心臓ドクドク言ってた。
なんでリオをあの美少じょ……美少年でひらひらっぽい感じにしたんだろう。
アツい男との対比で冷静な感じにするなら、クールな大人(美男子)キャラはベタだったからかな。
一方で美少女にしたら、恋愛に一気に転がっていくだろうから話の焦点が色々とあわなくなる。
ってなってくると、やっぱり美少年が一番適任だったんだろうな。
個人的にはガロよりも年上の色っぽいお姉さんで、ガロを小僧扱いも良かったなぁ……ふふふ。

◆マッドバーニッシュの認知
30年間から暴走しているバーニッシュの中に過激派が出てきてマッドバーニッシュになったのが、世界的にも注目されている。
LIOsideで、街を襲ったときに住民が「きゃー!」「マッドバーニッシュよ!」みたいなん言ってて、そこで自分は「ん?」てなった。
GALOsideの話へのつっこみに戻るんだが……こんだけ世間が知ってるのにガロが「マッドバーニッシュ?」てアイナに聞くの本当に迂闊すぎるやろ!!!!
もうそこが、なんでやねん!と!!!
救急救命のことも習ってきてる、とガロは大まじめに言っていたから、ちゃんとそのへんのことも学んできてるんちゃうんかい!
っていう気になり具合はもうね、消えません。

◆アツい熱血男ガロ!
キャラとしてはベタ!昭和以前から使い倒されたアツい主人公!
でも、そこがこの作品のすごいところだ。
作品の全体的なテーマが「燃やす」「燃える」といった部分なので
このキャラクターがそこへがっつり入り込んでもおかしなところがない。
むしろこいつ以外に主人公はいないと思わせるくらいの熱さ。
名前の「ガロ」というのがどうしてガロなのか気になる・・・違ういろんなガロが頭をよぎる昭和世代・・・。

◆オープニング
バーニッシュという存在が生まれて、世界的に認知されるまでがめちゃくちゃ興味深い演出で描かれる。
真っ暗な画面で「我々は平和のために、何ができるのでしょうか」みたいなのがバスドラム(?)のリズムが刻まれる中
印象的に響いていたのがすごく良かった。

◆バーニングレスキュー出動!
横広の車体がギャギャギャとドリフトっとるのがめっちゃかっこいい。
なんていうか、英語で先に見たからの勝手な印象かもしれないけど
ロボットアニメというわけではないのにメカメカしくて、でも雰囲気は海外アニメみたいな感じというのが
自分の中でものすごくチグハグに思えて、理解しようとすべてのシーンで食い入って見てしまった。
いやー、すごい。すごい融合です。
どの時代にも射出にはロマンがある!!

レミー
自分、結構レミーの存在がアツくて。
メガネかけた細腕が、あのレスキューロボみたなんに乗ってがんがん活躍してるのよくない!?
いつもだったら基地でタカタカキーボード打ってそうなキャラやのにゴリゴリ活躍する!
しかもよくあるクール過ぎる感じでもない。ちゃんとつっこみみたいなんもする。
ややフワッとした感じのキャラだけど、優等生でノリが良い優しい兄ちゃんみたいな感じがすげーツボ。
生まれてくれてありがとう。

◆ガロの見得
ガロの動作で絶対見得切ってんだろうなー!というところは、英語ではさらりと流されていたので
日本語版見て「そうそうこれこれ!!」とめっちゃテンション上がった。
特に見得切り中にリオにとっとと攻撃されたシーン。あれ英語でなんつってたかなぁ・・・。

◆ガロVSリオ
めっちゃアツかったな!炎で剣作ってるのとかもめちゃ良かった。
つま先立ちアーマーどうなってるのか気になる。
「子供かよ!」「お前が言えたことか」のやりとりもいい!
つま先立ちアーマーをリオが装着してるのを、どういう感じで装着してるのか必至で目を細めて透かし見ようとしたけど見えんかった
(当たり前)
マトイテッカーにリオが収納されたのめっちゃかわいいけど
この作品リオみたいな細腰にもボコす容赦なさあるからそこがすごい

◆炎の存在
バーニッシュが炎を物質として扱うのは理解。
それ以外の人(バルカンとか)が炎に乗れたりするのはどうしてだろう

◆ルチア
マッドサイエンティストのルチア!
これね、英語版もそのまんまだから見てほしい!すごいっすよ!そのまま!!!
でも日本語版はちょっと斜にかまえた感じすぎて何いってっか分からん発音がちょいちょいあったかなぁ・・・

◆バーニッシュの二人
キャラ濃そうで濃くない。でもあれ異常個性持たせたら話の展開がぶち切れになりそうか、と理解している。

◆ガロとアイナのキス
すればよかったのにー!
ガロは真顔だったから、そういう感じでもなかったのか?
でもあのアイナかわいかったやんか・・・・

◆洞窟に隠れるバーニッシュ
ガロ「ハッ! バーニッシュが食事すんのかよ!」
という言葉に大して、リオが「当然だ。バーニッシュも人間だ。食べなければ死ぬ」と冷静に言い放った。
正直、それはすごく安直でバカみたいな質問だし意見だったと思うんだが
それほどまでバーニッシュへの偏見があって、内情まできちんと理解されていないということにほかならない。
バーニングレスキューのガロがその意見言ってもていいんやろか・・・と思わなくもない。
勉強とかしてきてないんかと。
ただ、感情の高ぶりで言った感じもあるし、いいシーンだと思うので自分は好きです。
その後の女性へのリオの人口呼吸も、のちの伏線になってるし。
あと、日本語版でリオが「何も知らないんだな」といったあの冷静さと呆れと怒りの混じったあのトーンの声最高だった。

松山ケンイチ
さしすせそが苦手。 良かった。

早乙女太一
声が低めなところが逆にいい。

◆旦那と呼ぶなあぁぁー!!!!
堺雅人の日本語(GALOSIDE)を聞いたあとで吹き替えだったので、ここで堺雅人がどんな怪演をするのかめちゃ楽しみだった。
この時のクレイは、やはり堺雅人優勝やろ・・・・・・
一方ガロは英語の方が悲壮感すごかった。聞いてるこっちの胸が痛むほどにすばらしかったなぁ。

◆アイナの姉ちゃん
英語吹き替えの声も日本語も声がすごく良かった!

◆じいさん あいつが裏切ってる意味あった?
なんか、あそこ雑に感じるんだよなぁ。
長い映画だし仕方ないのかもしれんけど、突然感すごいんだよなぁ。
「生い先が短いと保身に走る」ということをバルカンが説明するってことは、がちでじじいが悪い奴になるしかないわけだし。
リオはじじいの裏切りに対し後から何も言及しなかったけど、
少なからずあの仲間を殺した憎い奴らの原因を作ったのはあのじじいでもある。
なんかこう…誰かを守るために裏切るしかなかった、とかであればリオの怒りは「バーニッシュを返せ!」のみですむはずなのになぁ。
リオはそういうの関係ないんかな、バーニッシュに対して優しいから。

◆リオぶち切れ
作画変わった!いきなり遊戯王っぽい!
火山の噴火の絵がいきなりこてこてになってすごい!手書きなんかな、手書きっぽい感じだったけど。
どわーっ!どーん!ていう重さを感じる描写がすばらしかった。一瞬リオの苦しそうな、感情が爆発する表情で盛り上がるのもすごい(かわいい)
クレイイイィィフォオオーーサイトオオォォオオ!!!!
がめっちゃかっこいいし爽快だ!

んで、ガロ「リオ……?」て通じすぎやろ。しかもあの炎の竜見て「泣いてんのか」と言える理解度。
どこまでや。どこまで通じあってんねや。(通じあってない)
人を殺さないんじゃなかったのか!と言われてハッと我に返るリオ。
あれ?じゃあやっぱっぶちぎれモードになってから、人死んでんだよな?

◆湖底の施設
いきなり怒濤の説明wwww
いや、いいよ!もうここまできたら付き合うよ!と思ってもしんどいわwwww
と思ってたら、ガロが寝てるしこっちの感情をうまいこと理解していて面白かった。
とはいえ、英語の初見では意味が分からず!!日本語で見てやっと少し理解できた感じ。
あと、アイナの水玉コラうまいことやるなぁと関心した。
画面の右と左ではリオとガロをうつしながら、中央のアイナの肌露出部分がうまいこと(一部は露骨に強引なくらいに)水玉コラっててすごいと思った。

◆ガロとリオじゃなくても良かった。
誰でも良かった
うん!・・・・このくらいのあっさり感がこの映画にはあってるね!ほめ言葉です!

◆リオデガロン
ガロデリオンにしなかったのをマシと思えみたいなんをガロが言うが、たぶんリオはそれどうでもいいんじゃないのか(笑)
ガロが言うことをいちいち理解して「はいはい」みたいに出してあげてるリオがめっちゃ大人。

◆クレイのロボ
勝手にガロが名前呼んでるの見て「へぇー、そういう名前だってのどこかで知ったんか」と思ってたら
本当に勝手に付けててクレイに切れられてたwwwwそりゃ切れられるやろ。
技の癖がつよい!開墾ビームとかもう字面がずるい!
あと、このロボの何が好きって、殴られてコックピット(頭)がずるずるずるーって引き出されてもすぐにがシャン!て戻って、そこから一気に動作へ移行するところ。
あれ印象的でめっちゃ好きなんだが、みんなどうだったんだろ・・・・。

◆戦闘場所
英語の時は世界観とかもしっかり見ることもできなかったんだが
今回いろいろ見てたら、あの青空のビルの谷間が船のなかだということをちゃんと理解できた。
船の中から空見上げたら青空に見える的な感じかと思ってたんだが2回目でちゃんと天井がはがれ落ちるのとかも理解できた。

◆冷たいやつ出されまくる
リオ「ガロ!これはどういう戦法だ!」
ガロ「やせがまんだ!」
というやりとりめっちゃかわいい。そのあと寒くてがちがちになってるガロを溶かしてあげるリオの両手がやさしい。
クレイの冷却と、リオの炎で互いの機体に羽みたいなんが出てるのめっちゃいい。

◆理解に苦しんだこと(2回目で理解できたこと)
プロメア(平行世界の炎のひと)に苦しみを与えると火山爆発する
→バーニッシュの力を引き出してくるしめるとプロメアにもそれが共鳴して苦しむから火山爆発する
→でもプロメアはもっと暴れたいと言っている!
というところで2回目(日本語)見るまでうーんと思ってたんだが
どうやら「バーニッシュが気持ちいい力の使いかたならいい」という感じなんだな。
だからリオがリオデガロンでがんがん力を使うのは◎で、無理矢理力を引き出されるのは苦しいから×なんだな。
やっと理解できたよ。あってるかは分からんが。

◆バルかーん!イグニース!
おっさん対決かわいい。

◆人口呼吸(キス)
なげーわwwwwもっと短くてよかったんじゃないか。
それにしても、あそこリオの腰の細さとか腰と背中のSラインとかめちゃくちゃすげーですよ・・・なんで男の子であれにしたんだよ・・・罪作りすぎるだろ・・・
がちの人工呼吸なら、肺が膨らんでるのを確認とかもするけどしてなかったから
どっちかっていうと人口呼吸というより、炎を口移しで身体の奥に戻したっていう感じなんかな。
口の中にぶち込んで手でふさいどきゃいいじゃんと思わなくもないが、それでは奥までちゃんと炎がいかないんだろう。

あのシーン何がいいって、我に返るまではガロもなんの意識もしてなくて(くそ、息が戻らない)くらいの感じで真剣にやってたのに
リオがちょっと美人な感じで「ガロ……お前が助けてくれたのか」みたいなんを言ったら
ハッと気付いて距離を保ちつつ赤くなって「お前のせいで俺は生まれて初めて火をつけちまったじゃねーか!」ていうのが
リオの命の炎を付ける、ということと何らかの火を二人の間に灯したというBLな空気になっており
もうね……これは、これはですよ(笑)

◆燃えて消すぜ!
二人とも見得切る感じになってたのいいけど、リオには冷静さを取り戻していただきたい(笑)完全にガロに飲まれとるやないかい。
ガロデリオンが大きくなったイメージで地球をボコすの何度見ても笑えるなぁ。壮大すぎておもろい。
で、なんで燃やすねんってめっちゃ思ってたんだが、江戸時代の火消しって延焼を抑えるために破壊するんすよね。
で、住民たちはそんなん嫌だけど、そうしないと街が全部燃えちゃうから泣く泣く承知するわけ。
というか、火消したちにドケドケドケーイ!とぶっ壊されるわけです。
消すんじゃなくて燃やし尽くさせて終えるという状態。止めようがない(壊しようがない)から燃え尽きるという状況はまさに今じゃないか!

リオからプロメアの力が失われていくシーン、リオの表情とかすごく良かった。
プロメアがなくなるのが嫌というわけではないが、今まで自分の身体の中で生きていたものがスッと無くなっていく感じがめちゃ分かる演出。

◆ラスト
力を失ったリオはただのリオになるんだよな。ただの美少じょ……美少年になっちまうわけです。どうすんだろ。
ぼろぼろになった地球で呆然と立つ人々。
そこで、ガロはさわやかに言います。「これからだ!」
そう、これからなんです!お前らに降りかかってくる火の粉は俺が振り払ってやる!と豪語するガロ。
しかしですよ。
意味が分かって前向きに戦ってやってきたガロたちと違い
一般市民は
突然竜の形したマッドバーニッシュが町中を燃やしまくってびっくりしてたら
突然クレイ財団の施設周辺が船になって浮かび上がってびっくりして
近寄ろうとしてたらクレイ財団から銃とか向けられてびっくりしてたら
火山が噴火しはじめてあわててびっくりしたけど
なんか熱も感じないっていう状態で街とかは燃えまくって財産とかも燃えちゃってびっくりして
でも熱はなかったけど衝撃とかはあったからびっくりして、もうびっくりしている。
という状態なわけですよ。
そんな前向きになれんやろ…かわいそうすぎる…
あ、あとぶち切れモードで人を殺したであろうリオの逮捕を求めます。(突然の寝返り)
あとクレイは当然殺人しまくってるので逮捕。
あとガロもとりあえず逮捕。
堺雅人もいつもと違って声が太かったので逮捕。

堺雅人
プーさんのクリストファー・ロビンとの差!


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
総評 ★★★★☆ ほし、4.1!
とにかく映像が飽きない、飽きさせない。
キャラも魅力的。
んで、結局前述した通り映画館で「英語」「日本語」で二回見たんだが
気付いたことありますねん。

ガロの熱さとか、見得とかキャラデザの雰囲気とか、何かににてると。
これ!天外魔境風雲カブキ伝のカブキです!
www.youtube.com
いや、似てないとかいろいろ意見あると思うんですけどぜんぜんいいんです(笑)。
見得切ったりするところとかキャラのテンションとか熱さかなぁ。
懐かしいなぁ、これ出てから結構たってた後で、めちゃくちゃやりたくてPCエンジン本体まで買ったもんな。
めっちゃ思い出してなっつかしい!てなった。

今更だけど2回、映画館の大画面と音響で見れたのは本当に幸運だった。
ブルーレイ欲しいけど見ないだろうなぁ・・・(テレビを使わないひと)

【趣味】映画「ルース・エドガー」鑑賞!

f:id:tora_kaibuntei:20200801181032j:plain
http://luce-edgar.com/sp/

これどこで予告見たんだっけなぁ?
単館映画系のところで予告を見て、うっわめっちゃおもろそう!と思って見に行ったわけです。

<あらすじ>
 バージニア州アーリントンの高校に通うアフリカ系アメリカ人のルース・エドガー(ケルヴィン・ハリソン・Jr.)は、文武両道の模範的な優等生だ。陸上部で活躍し、討論部の代表として全米大会に出場したこともあるルースは、さまざまなルーツの生徒が通う学校で誰からも慕われている。戦火の国エリトリアで生まれ、7歳の時にアメリカへ渡ってきた彼は、養父母となったエイミー(ナオミ・ワッツ)、ピーター(ティム・ロス)のエドガー夫妻から現在の名前を授かり、幼少期に戦場へ駆り出された悲惨なトラウマを克服した。今や若きバラク・オバマを彷彿とさせる聡明な若者に成長し、将来を嘱望されるルースは、人種のるつぼであるコミュニティの希望の星となっていた。

 そんなある日、エイミーはベテランの歴史教師ハリエット・ウィルソン(オクタヴィア・スペンサー)から学校へ呼び出される。息子のルースが歴史上の人物をテーマにした課題のレポートで、アルジェリア独立運動の革命家フランツ・ファノンを取り上げ、彼の過激な思想について記したというのだ。そして、その内容を問題視したウィルソンはルースのロッカーを捜索し、危険な違法の花火を発見したという。息子のプライバシーを無視して調査を行ったウィルソンに反発するエイミーだったが、不安に駆られて夫のピーターに相談することに。「たかが花火だ。心配するな。息子がテロリストだとでも?」と事もなげに答えるピーター。

 帰宅したルースと夕食を囲んでその話題を向けると、ルースもウィルソンへの微妙なわだかまりを抱いていることが判明する。ウィルソンは教育熱心な反面、生徒たちにレッテルを貼る傾向があり、彼らを従わせて自分の政治的な主張に利用しているというのだ。「僕に与えられた役は“悲劇を乗り越えた黒人”で“アメリカの良心の象徴”なんだ。責任を感じて重荷だよ」。

 その後もルースとウィルソンの緊張関係はじわじわと高まっていった。エイミーは愛する息子を信じ、彼を守り抜きたいと思っているが、嫌な胸のざわめきを抑えられない。「なぜ違法の花火をロッカーに?」とルースを問い詰め、彼が以前交際していた同級生ステファニー(アンドレア・バング)から事情を聞き出そうと試みる。それでもルースへの疑念を払拭できないエイミーは、息子が自分のまったく知らない別の顔を隠し持っているのではないかと苦悩を深めていく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


これもう、細かいこと書かずに一気に感想言うよ!!
★★★☆☆ ほし、2,7!
こまけーことを気にしない人には
★★★☆☆ほし、3,2!

いつも通りネタバレ注意ですので、ネタバレがイヤな人は適当な壁に全力で今すぐお持ちのスマホやPCをぶんなげるといいと思います!
映画をこれから見ようと思っている人には絶対にこの先はおすすめしない!
見たあとにまたお会いしましょう!





※※※※※※<以下ネタバレ注意>※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



◆ハリエットはハリエットでも、前回見たパワフルで頑張りやなハリエット(別作品)とはほど遠いな!!!!!

つーことで、感想をバンバン言っていきますが・・・・
ルースは非常に魅力的です。
聡明で、頭がキレるところはヤガミライト的なダークヒーロー感ある。
結局教師のハリエットと張り合った(言いたいだけ)んだが
そこまでの切れ者と分かっているルースに対して、ハリエットを始めとした大人がまぁバカ揃い!
特に前述してるが、彼とモロにぶつかっていくハリエット先生はもう一番バカです。
何がバカって、あんだけ切れ者なの分かっていてどんな状況でもなんの録音や録画もしてない。
そりゃ初期はそうかもしれんし、仕方がないかもしれんが自分や家族の身に危険が及んでもそこまでの対処をしない。

ことの始まりは、ルースが論文で「アルジェリア独立運動の革命家フランツ・ファノンを取り上げ、彼の過激な思想について記した」こと。
過激思想を肯定的に捉えたその論文を見たハリエット先生は、勝手に彼のロッカーをあけます。
もうその時点でバカですよ。そりゃ問題になるに決まってるやん。後から問題になって「ほらいわんこっちゃない」と思うこっちはもうイライラしてます。
いや、ここで慎重にスタートしたら物語がルースVSハリエット先生にならんから、仕方のないスタートなんですけどね。
でもだからこそバカ設定にされたハリエット先生がかわいそうすぎる。
で、早速そこで見つけた危険な花火を、母親に突きつけます。
もう、さっきやらかしたのに数分後には二度目のやらかし!
誰にもそれを報告せずにやらかし!母親は当然衝撃をうけて否定します。だって息子はすてきな子だもの!
という考えはまぁ理解できる。バカなのはハリエット先生だ。

ハリエット先生には姉がいるが、精神的な障害があり施設にいる。(このへん記憶が前後)
そのことを学校ではひた隠しにしていたが、ルースにばれた上「先生は尊敬に値する」みたいな感じでみんなの前で言われる。
その後、錯乱した姉がいきなり学校に現れる。「あんたはあたしのことを嫌いなんだろ!」みたいなことを言いながら服を脱いで全裸に。
当然キャーワーなる学校。警備員に取り押さえられてつれていかれる。
ーーとまぁ、この姉騒動を起こしたのも当然ルースなわけだが、彼女をここまでどうやってつれてきたんだ?
ルースの姿をひとつも見られないできたのか?
錯乱している姉が、学校の校舎の入り口までうまいことたどり着いたのは導きがあったからじゃないのか?
じゃあなんで学校は、侵入者を取り押さえるまでに発展した事件なのに防犯カメラも確認しないんだ?
確認してたらルースの姿が映ってたりなんやりしないのか?
少なくとも、映っていなくても何らかの理由でルースの切れ者感がさらに深まる設定ができるんじゃないのか?
・・・っていう、もうバカ対処丸出しでイライラも増す。


後半、姉のこともルースがやったことだと確信したハリエット先生と、キョトン顔をきめこむルースがバッチバチになる。

「ルースに乱暴された」と先生に相談してきた女生徒がおり、話を聞くが彼女の話を鵜呑みにしている先生。
そして、大事なところで証言をさせるまえに逃げられている。
だから皆は「ハリエット先生は嘘をつている」という展開になる。
バカすぎるやろ、そもそもそんな重要な証言をしている生徒のことを自分一人で対処している時点でおかしい。
他の先生とも共有をするなどしてないのか?
少なくとも他の信頼できる先生を同席させた上で話をまとめ、その後証言に立たせれば良かったのでは?
なんだこのぬるさは。


◆そしてラストへ。
ハリエット先生のデスクで危険な花火が発火。学校がボヤになり、死人はいなかったが大問題に。
それを知った母親は、ハリエット先生から受け取った花火をかくしていた場所(けっこうちゃんと隠していた)を捜索するがーーない。
ここで、ルースの所行を確信した母親と視聴者の気持ちが「あー・・・」と一体になる。
なんというか、もやもやしたものがすっきりした安堵や興奮、一方で大事にしていた息子に裏切られた母親の悲しみが迫る。
その背後にやってくるルース。
穏やかで、優しい声で「いつも、子どものころにそこにクリスマスプレゼントを隠してたね」と言う。
「どうして知ってるの・・・?プレゼントを初めて見たとき、あんなに喜んでくれてたのに・・・」
「だって、そうやって喜んだほうがいいだろ?」
という闇の深すぎるルース!うわーすげーいい!!!!
母親はルースを抱きしめ、彼の「優秀でいなくてはアメリカで認められない」という苦しみもすべて受け取ったうえで、ルースを徹底的に守ることに決める。
それはルースを戦場から引き取った母親の懺悔と覚悟だ。
このあたりは本当に鳥肌た立つ、すばらしい流れだった。

いやしかし、花火の設置とか!絶対に防犯カメラに映ってるやろそんなん!!!!!!
なんなん!?もうバカ大人ばっかりでよー!!!

ということでハリエット先生は非常にデキる先生とのふれこみだが、完全にバカ。
というか、主人公を天才にしようとして周囲がバカになってるパターン。
見ながらイライラが止まらなかった。

正直、この点さえクリアされてれば、そんな風に思わなかったのになぁ。
それ以外はかなり良かったと思うんですよ。
追いつめられるミステリ感も、人種差別問題へ切り込む姿勢も外野の意見ではなくてその人たちが感じたものが表出していたと思う。
本当にむちゃくちゃもったいない。
俳優さんたちもすばらしかった。だからこそマジでもったいない。
こんなにもったいない映画、自分見たことないくらいもったいない。

印象に残りまくりです。もう、モッタイナイ映画。

という感想でした!