下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【趣味】映画「ルース・エドガー」鑑賞!

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http://luce-edgar.com/sp/

これどこで予告見たんだっけなぁ?
単館映画系のところで予告を見て、うっわめっちゃおもろそう!と思って見に行ったわけです。

<あらすじ>
 バージニア州アーリントンの高校に通うアフリカ系アメリカ人のルース・エドガー(ケルヴィン・ハリソン・Jr.)は、文武両道の模範的な優等生だ。陸上部で活躍し、討論部の代表として全米大会に出場したこともあるルースは、さまざまなルーツの生徒が通う学校で誰からも慕われている。戦火の国エリトリアで生まれ、7歳の時にアメリカへ渡ってきた彼は、養父母となったエイミー(ナオミ・ワッツ)、ピーター(ティム・ロス)のエドガー夫妻から現在の名前を授かり、幼少期に戦場へ駆り出された悲惨なトラウマを克服した。今や若きバラク・オバマを彷彿とさせる聡明な若者に成長し、将来を嘱望されるルースは、人種のるつぼであるコミュニティの希望の星となっていた。

 そんなある日、エイミーはベテランの歴史教師ハリエット・ウィルソン(オクタヴィア・スペンサー)から学校へ呼び出される。息子のルースが歴史上の人物をテーマにした課題のレポートで、アルジェリア独立運動の革命家フランツ・ファノンを取り上げ、彼の過激な思想について記したというのだ。そして、その内容を問題視したウィルソンはルースのロッカーを捜索し、危険な違法の花火を発見したという。息子のプライバシーを無視して調査を行ったウィルソンに反発するエイミーだったが、不安に駆られて夫のピーターに相談することに。「たかが花火だ。心配するな。息子がテロリストだとでも?」と事もなげに答えるピーター。

 帰宅したルースと夕食を囲んでその話題を向けると、ルースもウィルソンへの微妙なわだかまりを抱いていることが判明する。ウィルソンは教育熱心な反面、生徒たちにレッテルを貼る傾向があり、彼らを従わせて自分の政治的な主張に利用しているというのだ。「僕に与えられた役は“悲劇を乗り越えた黒人”で“アメリカの良心の象徴”なんだ。責任を感じて重荷だよ」。

 その後もルースとウィルソンの緊張関係はじわじわと高まっていった。エイミーは愛する息子を信じ、彼を守り抜きたいと思っているが、嫌な胸のざわめきを抑えられない。「なぜ違法の花火をロッカーに?」とルースを問い詰め、彼が以前交際していた同級生ステファニー(アンドレア・バング)から事情を聞き出そうと試みる。それでもルースへの疑念を払拭できないエイミーは、息子が自分のまったく知らない別の顔を隠し持っているのではないかと苦悩を深めていく。

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これもう、細かいこと書かずに一気に感想言うよ!!
★★★☆☆ ほし、2,7!
こまけーことを気にしない人には
★★★☆☆ほし、3,2!

いつも通りネタバレ注意ですので、ネタバレがイヤな人は適当な壁に全力で今すぐお持ちのスマホやPCをぶんなげるといいと思います!
映画をこれから見ようと思っている人には絶対にこの先はおすすめしない!
見たあとにまたお会いしましょう!





※※※※※※<以下ネタバレ注意>※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



◆ハリエットはハリエットでも、前回見たパワフルで頑張りやなハリエット(別作品)とはほど遠いな!!!!!

つーことで、感想をバンバン言っていきますが・・・・
ルースは非常に魅力的です。
聡明で、頭がキレるところはヤガミライト的なダークヒーロー感ある。
結局教師のハリエットと張り合った(言いたいだけ)んだが
そこまでの切れ者と分かっているルースに対して、ハリエットを始めとした大人がまぁバカ揃い!
特に前述してるが、彼とモロにぶつかっていくハリエット先生はもう一番バカです。
何がバカって、あんだけ切れ者なの分かっていてどんな状況でもなんの録音や録画もしてない。
そりゃ初期はそうかもしれんし、仕方がないかもしれんが自分や家族の身に危険が及んでもそこまでの対処をしない。

ことの始まりは、ルースが論文で「アルジェリア独立運動の革命家フランツ・ファノンを取り上げ、彼の過激な思想について記した」こと。
過激思想を肯定的に捉えたその論文を見たハリエット先生は、勝手に彼のロッカーをあけます。
もうその時点でバカですよ。そりゃ問題になるに決まってるやん。後から問題になって「ほらいわんこっちゃない」と思うこっちはもうイライラしてます。
いや、ここで慎重にスタートしたら物語がルースVSハリエット先生にならんから、仕方のないスタートなんですけどね。
でもだからこそバカ設定にされたハリエット先生がかわいそうすぎる。
で、早速そこで見つけた危険な花火を、母親に突きつけます。
もう、さっきやらかしたのに数分後には二度目のやらかし!
誰にもそれを報告せずにやらかし!母親は当然衝撃をうけて否定します。だって息子はすてきな子だもの!
という考えはまぁ理解できる。バカなのはハリエット先生だ。

ハリエット先生には姉がいるが、精神的な障害があり施設にいる。(このへん記憶が前後)
そのことを学校ではひた隠しにしていたが、ルースにばれた上「先生は尊敬に値する」みたいな感じでみんなの前で言われる。
その後、錯乱した姉がいきなり学校に現れる。「あんたはあたしのことを嫌いなんだろ!」みたいなことを言いながら服を脱いで全裸に。
当然キャーワーなる学校。警備員に取り押さえられてつれていかれる。
ーーとまぁ、この姉騒動を起こしたのも当然ルースなわけだが、彼女をここまでどうやってつれてきたんだ?
ルースの姿をひとつも見られないできたのか?
錯乱している姉が、学校の校舎の入り口までうまいことたどり着いたのは導きがあったからじゃないのか?
じゃあなんで学校は、侵入者を取り押さえるまでに発展した事件なのに防犯カメラも確認しないんだ?
確認してたらルースの姿が映ってたりなんやりしないのか?
少なくとも、映っていなくても何らかの理由でルースの切れ者感がさらに深まる設定ができるんじゃないのか?
・・・っていう、もうバカ対処丸出しでイライラも増す。


後半、姉のこともルースがやったことだと確信したハリエット先生と、キョトン顔をきめこむルースがバッチバチになる。

「ルースに乱暴された」と先生に相談してきた女生徒がおり、話を聞くが彼女の話を鵜呑みにしている先生。
そして、大事なところで証言をさせるまえに逃げられている。
だから皆は「ハリエット先生は嘘をつている」という展開になる。
バカすぎるやろ、そもそもそんな重要な証言をしている生徒のことを自分一人で対処している時点でおかしい。
他の先生とも共有をするなどしてないのか?
少なくとも他の信頼できる先生を同席させた上で話をまとめ、その後証言に立たせれば良かったのでは?
なんだこのぬるさは。


◆そしてラストへ。
ハリエット先生のデスクで危険な花火が発火。学校がボヤになり、死人はいなかったが大問題に。
それを知った母親は、ハリエット先生から受け取った花火をかくしていた場所(けっこうちゃんと隠していた)を捜索するがーーない。
ここで、ルースの所行を確信した母親と視聴者の気持ちが「あー・・・」と一体になる。
なんというか、もやもやしたものがすっきりした安堵や興奮、一方で大事にしていた息子に裏切られた母親の悲しみが迫る。
その背後にやってくるルース。
穏やかで、優しい声で「いつも、子どものころにそこにクリスマスプレゼントを隠してたね」と言う。
「どうして知ってるの・・・?プレゼントを初めて見たとき、あんなに喜んでくれてたのに・・・」
「だって、そうやって喜んだほうがいいだろ?」
という闇の深すぎるルース!うわーすげーいい!!!!
母親はルースを抱きしめ、彼の「優秀でいなくてはアメリカで認められない」という苦しみもすべて受け取ったうえで、ルースを徹底的に守ることに決める。
それはルースを戦場から引き取った母親の懺悔と覚悟だ。
このあたりは本当に鳥肌た立つ、すばらしい流れだった。

いやしかし、花火の設置とか!絶対に防犯カメラに映ってるやろそんなん!!!!!!
なんなん!?もうバカ大人ばっかりでよー!!!

ということでハリエット先生は非常にデキる先生とのふれこみだが、完全にバカ。
というか、主人公を天才にしようとして周囲がバカになってるパターン。
見ながらイライラが止まらなかった。

正直、この点さえクリアされてれば、そんな風に思わなかったのになぁ。
それ以外はかなり良かったと思うんですよ。
追いつめられるミステリ感も、人種差別問題へ切り込む姿勢も外野の意見ではなくてその人たちが感じたものが表出していたと思う。
本当にむちゃくちゃもったいない。
俳優さんたちもすばらしかった。だからこそマジでもったいない。
こんなにもったいない映画、自分見たことないくらいもったいない。

印象に残りまくりです。もう、モッタイナイ映画。

という感想でした!