下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【趣味】映画「2分の1の魔法」鑑賞

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ディズニー映画が3度の飯くらい大好き!でおなじみ、自分が見てきました。
ピクサープレゼンツ「2分の1の魔法」。
正直、ピクサーがあまり刺さらないか刺さりすぎて痛いのどっちかに振れ幅がある自分はやや心配。

では、いつも通りネタバレありで感想をいいたい。
そしてかなり辛口です。



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■開始3分で納得いかない部分が目につき始める
大人の男性の独白で「昔世界は魔法にあふれていた」みたいなのが始まるんだが
その内容は「昔世界には様々な種族がおり、中には魔法が使えるエルフもいたが、便利さを求めるため魔法を捨ててしまった」というものだ。
実はこの書き方ならまだましだ。
映画の中では「魔法を使うのは大変だから、人々は楽な道を選んだ」とはっきり言っている。
ここで自分は納得できずにたぶん心を閉ざした感ある。

はっきり言おう。選ばれた人しか使えない魔法が廃れた理由を文明の発達のせいにするのは間違ってる。
文明が発達したのは、そういった「普通の人」が魔法を使える人なみに便利なものを求めたからで、別にそのせいで廃れたのではない。
廃れたのは「選ばれし魔法を使える人」が魔法を放棄したからだ。
そ文明の発達を喜びとする人々をまるで「悪いこと」のように描こうとする視線にイヤらしさを感じた。

■主人公
ややへたれの主人公。
なんていうか、自己表現が下手な子っているよなぁとやや分かる気がした。
声優がへたで集中できず。

■母親
キャラはお母さんぽいイメージ。(後述あり)
声優がへたで集中できず。

■兄
初っぱなからウザすぎていらだって仕方なかった。
冒頭すぐから怒濤のうざさ。
主人公が着ていた父親の遺品であるトレーナーがひっかかって少しやぶけたのを「ひっぱれば取れる!」と言い切っていきなり引っ張り案の定ぼろぼろになる。
このあたりで「あ、この兄貴はちょっと障がいがあるかな?」と認識。(後述あり)
声優がうまくてやたら美声。

■父の同窓生のおじさん
亡くなった父親を知るおじさんと出会う主人公。(むこうから話しかけてくる)
「君のお父さんは・・・」といろいろ教えてくれるが、はなしている途中で自分の子供に呼ばれて去ってしまう。
ありえなくね?普通さ、父親を亡くして悲しんでて「父はどんな人でしたか」と聞いてくる子供に対して
自分がいいたいことだけササッと言って終わらないだろ。だっておじさんは自分から「もしかして、○○の子供?」と聞いてるのだ。
だったら、その子供を残して亡くなってしまった父親の気持ちも分かっているのではないか?
なのに、とっとといなくなる。マジか・・・・。
普通電話番号渡したりしないんか・・・・?後からでも、たくさん話してやるとかすればいいのに・・・。とめちゃくちゃモヤモヤした。
これ、おじさんがめっちゃ急いでる時とか、誰かにものすごい急かされてるとかなら分かるけど、普通にいすに座って喋ってるからな。

■話を聞かないやつばっかでほんっとしんどい
これさ、自分が歳食ったからかもしれんのですけど(笑)、本当話を聞かない奴らばかりでめちゃくちゃしんどかった。
主人公が話をしている間に遮って何か言う、はなしている最中に自分の世界に入って止められるまでしゃべり続ける、そんな繰り返しばっかり。
たぶんそういったやりとりで難しい設定を説明していかないといけないんだろうけど、聞いてるだけでうんざりだった。

■父ちゃんの話がでると泣いちゃう
主人公がカセットテープの父ちゃんと会話するところでぼろぼろ泣いてもうた・・・
もうさ、だめだよ。そういうのあかんて。

■父ちゃん
パンパンに服が詰まった上半身がどうやって自立しているのか気になってしゃーなかった。

■サンダジア?諦め早くね?
そのせいで車が死んだ

■母ちゃんの彼氏
話聞かない系でしんどい

■母ちゃんと伝説のライオンみたいなやつ
ペアにして笑いを取ろうとしてるのかもしれんけどしんどい

■石が地元だと判明して
なかなかのテンション高いところからの落差!めっちゃよかった!
でもそこでぶち切れる主人公。え?え?マジで言ってんの?
だって古い地図に基づいてやってきたわけで、その先がどうなってるかなんて分からなかったわけだろ?
なんで兄貴にぶち切れられるのかぜんぜんわからん。
これ、テンション下がってもなんとか無理矢理鼓舞して記されたその場所に行ったけどなんかめっちゃ崩壊した建物とか校長室の地下とか
普通に入れなかったり見るからに崩壊してたりで呆然としてからの諦めと激怒とかの方がよかったのでは?
なんで地元に戻ったからってぶち切れたのかぜんぜんわかんないんだよなぁ。

■兄貴のカンのよさ
最後の最後ですごい兄ちゃんらしくなっていくなぁ。かっこいい!

■母ちゃんが勇者?
なにそれ。もっとにおわせとけば面白かったのに、突然感(予想はしてたけど)すごい。

■兄の吐露
「弱ってしまった父親と話をするのが怖くて、病室から逃げ出してしまった」
という兄の言葉がめちゃくちゃ胸に来る。そうなんだよな、分かる。めっちゃわかる。
現実から目を背けたら、それは現実じゃなかたように思える。
でも本当はそれは「目を背けてるだけ」なんだよな。なんの解決にもなってない。
でもなー、わかるよめっちゃ怖いんよな。うん。
主人公格のキャラで、こんなに生々しい弱さを見せたキャラクター初めてかもしれない。
くそ泣いてもうた。

■復活する父
兄を父親に寄り添わせ、記憶にない父親の姿をせめて見ようと必死に背伸びしている主人公。
優しすぎるし、思いやりに溢れている。
ちらりとでも見られればいいのに、見れなかった…悲しすぎる。
でもその後あった兄は清々しいほどの顔をしていた。先述した兄の苦悩が昇華されたのがわかる。

■その後
皆の前で魔法を披露する主人公。
なんか人気者っぽい感じになっている。


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総評;もやもやする。
★★☆☆☆ ほし、2.9!

流石のピクサーで涙も出たけど、主人公の成長やなにやらで感動というのではなく
その時の気持ちに共感して泣いているのであって、ぜんた全体的な話で心を揺り動かされることはなかった。
いわゆる「なろう系」?なのかな、と感じたのが「主人公が自己主張が苦手、自信がない、友人付き合いも苦手」なところから「選ばれし者」と発覚し、兄と旅に出る。
というところ。
しかし、その「自己主張が苦手」「自信がない」ということが旅の中で自信にも変わり自己主張ができるように・・・・と思いがちだが
自信が出てきたり主張したりするのが結構突然。突然自信が出るのに次には「僕には無理だ!」を繰り返す。
ええかげんにせぇや、と思わずにはいられない。

とにかくバタバタしているばかりで集中はできなかったこと、全体的に声優が結構ヘタクソだったこと、主人公やその周囲の感情変化に没入できなかった。
とにかくキャラクターの一方的な会話が多く疲れてしんどい。しんどい。