【趣味】映画「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」鑑賞
全然気にしていなかった羅小黒戦記(ろしゃおへいせんき)。
評価が高いっぽい感じの情報をどっかで見て、会う予定だった友人に「見ない?」と聞いたら「見ない」と言われ
ひとりで見よう…と思っていた矢先に「職場の仲間が観てきて、イイ!と言っていたので観る」と言われた。
なんだよ…自分の情報に対する不信感すげーな……(笑)
ロシャオヘイ戦記は中国アニメ。今まで見たことが(たぶん)無いので、どんなもんやろ?と思っていた。
なお、見終わってから感じたんですけど
このポスター中国人が作ったんじゃないよな??勝手な偏見だけどこれ日本がデザインしてるだろ!
あの内容で、制作陣がこんなポスター作ると思えないんだよなぁ。
こんな……例の登場キャラブロッコリーみたいな……こんなん…この映画を作ったスタッフが考えるとは思えないんだよな。
(調べてみた)
よーわからんかった(笑)!でもこのブロッコリー方式に中国語が載っている画像は見当たらず、日本語のみだった。
勝手な偏見を言いますが、このポスターはこの映画の魅力をぶっ殺してると思います。
ということで、当然のごとくネタバレの感想言うよ!
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■手描き感覚のレトロさとCGっぽい最先端さ
このアニメ、キャラの線がぶっとくて、最近のしゅっとしたラインじゃないからレトロっぽさがあるのに
それが遠景になって動きがついた瞬間にすごく最先端な表現になる。すごい。
こればっかりは見てもらわないとわからん。自分でも書いててよーわからん(笑)。
■ジブリ感
それっぽい表現がかなり出てくる。こだまっぽいやつもいたりする。
でもこれパクリとかじゃなくて、めっちゃジブリ好きなんだろうなー!と思って思わずこっちが
微笑ましく感じてしまうような、そういう好意を丸出しできている感じがかわいい。
ちゃんと自分たちの世界観に昇華できているというか。
ぜんぜんジブリ好きじゃなかったらごめん(笑)
■黒猫のシャオヘイ
黒猫の妖精?だったかな?あれは「猫の」じゃなくて「黒猫の」という理由がなんかあったやろか・・・
表情はいかにもな「かわいいでしょ」狙いの感じだけど、動きがまぁすごい猫!しっかり猫してます!
顔や目が大きく当然キャラクターとしてしっかりデフォルメされているけど、動きが猫ですばらしいです。
■故郷を追われるシャオヘイ
ゆっくりしてたらドーンドーンとぶちこわされ、自分の居場所を失います。
人間の世界にやってくるしかなく、なんとか魚をパクッたりパクらなかったりして生きています。
魚はパクらず綺麗な川とかで自分で穫ることもできる。
ここで疑問が起こったんだが「自分で穫れるなら、人間から盗む必要なくね?」と。ただ、その疑問はすぐに事故解決だ。
人間の住処だのなんだのは関係ない。
自分のいた場所を奪われたんだから、生きるために移動しただけで、そこにたまたま人間がいただけで
たまたま人間は金で買い物したりするだけで、シャオヘイはただそこにあった死んだ魚を穫っただけだ。
そうやって堂々と生きるシャオヘイは、おそらく人間から恨みを買ったんだろう。
とうとう追いつめられてしまう。
■化け猫じゃー!
追いつめられたシャオヘイは、果敢に人間の攻撃を避けるが、いよいよ危険になる。
このへん、なんかホントに猫がいじめられてるっぽくてめっちゃ辛くなった・・・
日本ならこんな感じの描写まではないのかなぁ?
あそこまでの攻撃的な描写したら、なんか文句言う人とか出そうだ。とにかくまぁ、辛くなるほど追いつめられる。
そんなシャオヘイはとうとう巨大な猫っぽい獣に変化して人間に対抗しようとする。
おお、そんな変化できるんや・・・という気持ち。
■そこに助けが!
(名前失念したので検索した)フーシーという妖精(人型に変化)がやってきて、助けてくれる。
大地の力みたいなんを使って、コンクリートの下からにょきにょき木を出したりして移動もできる。すごい。
■フーシーとその仲間たち
謎の場所から自分たちの秘密の島みたいなところにシャオヘイを案内。
始め不審そうだったシャオヘイも、フーシーやその仲間たちに歓迎会を開いてもらい、めっちゃ嬉しそう。
人間に化けることもできないのか、みたいに馬鹿にされると、シャオヘイは四つん這いから変化!
かわいいおしりが見えている!かわいい!
しかし耳が出たままなのを「おい猫耳が残ってるぞ!かわいいなぁ!」みたいにわっしゃわっしゃされ
「なんだよ!人間の変化になれてないだけだ!」みたいに言い返すのもかわいい。
でも変化でちゃんと服も出るもんなんやね・・・そりゃ全員変化するたびに素っ裸なのも問題か。
しかし、フーシーの仲間にほぼ虎と額から角出てるやついるけどそっちは突っ込まれないんだな・・・と思った。
■優しい仲間
「シャオヘイ、ここで一緒に住まないか」
みたいなのを言うフーシー。めっちゃ優しい兄ちゃんの感じです。
きらきらした目でシャオヘイは「いいの!?」と聞く。
もうね、それまで孤独に必死で生きてたシャオヘイの姿を知っとるから、幸せにおなりよ・・・という気持ちがわきまくる。
ええんやで。幸せになってええんやでシャオヘイ。
■おふとーん!
なんとシャオヘイ専用の部屋もできている!
ふかふかの藁みたいなのが敷かれて、そこにシャオヘイが飛び込んでニャオニャオ喜んでいる(笑)。かわいい!
いや、しかし・・・シャオヘイと出会ってまだ数時間なのに・・・「ここはシャオヘイの部屋だよ」みたいに
がっつり用意されてるの、用意周到すぎねーかとちらりとよぎるが
シャオヘイが幸せそうなのでどうでもいくなった。
■そして襲来
突然の轟音で目を覚ますと、フーシーたちが何かと戦っていた。
このアニメ・・・戦闘シーンがすごい!ほんまにすごい。
最近の、戦闘があるようなアニメほぼ見てないんだけど
そんな自分はついて行くのに必死で、それでもめっちゃすごいと思った。
スピード感と空気感がすごい。
世界観が「妖精」とか「気」とかだから、目に見えない部分を描く必要があるんだが
その「気」が見えるような空気感すばらしい。
■執行官ムゲン登場
フーシーとやり合っていたのはムゲンという人間(超強い)
ほぼ無表情で、腕についた細い鉄板をしゅるしゅる動かして攻撃しまくるし防御する。
おお、全体的になんか新しいな・・・という衝撃がおそう。
無表情でクールな感じを出しても、その人が動かしているのは鉄板。
「鉄」は重い、大きいとかいう発想になりがちだが
それを質量の問題ではなく成分として取り扱うのに新しさを覚える。
そんな視聴者の自分の感情とは別に圧されているフーシー。
子猫だけど一所懸命で義理堅い(?)シャオヘイは、必死でフーシーの名前を呼びながら探しまくるし
「行くな!」とほかの仲間に言われても行く。
自分は「自分から問題に飛び込む守られキャラクター」が大嫌いなわけだが、シャオヘイは違う。
やっと自分が得られた安寧が奪われようとしているんだから、戦って当然だ!という理由付けがしっかりあって良い。
■ムゲンに一発かまされて失神
フーシーを守って一発かまされてしまい、気を失うシャオヘイ。
その間にフーシーは悔しそうに撤退。
「シャオヘイ!必ず助けるからな、シャオヘイ!」
という声を残して消えていく。
熱いぜ・・・・!仲間熱いぜ・・・・!!
■ムゲン
残ったシャオヘイは気を取り戻すと「フーシー!」と必死に叫んで探しまくる。
これが、短時間でサラッとするならいいけどシャオヘイはずっと探している。
ずっと声を出してずっと走り回って探していて、埋まってしまった秘密の扉をガリガリ掻いたりする。
なんか涙が出そうになる・・・飼い主を探す捨て猫みたいやないか・・・
そこにムゲンが登場「フーシーはおまえを置いて逃げたぞ」と言われて「そんなことするはずない!」と起こるシャオヘイ。
語弊はあるけど、そうやねんでシャオヘイ・・・と悲しくなる。
そんで、今いる場所が島だったのでムゲンが筏を作ってそこから脱出。いざ海原へ!
■抵抗しまくるシャオヘイ
「フーシーはお前を助けにくる」「フーシーの元に連れて行ってもらうぞ」という理由でムゲンに連れて行かれるシャオヘイ。
しかしシャオヘイは抵抗しまくる。
すきあらば逃げようとする(笑)。それはもうしつこいほどに逃げようとする。
映画開始からかなりのところまでずっと逃げようとしまくっている。
ぜんぜんチョロくない感じがすごくいい!
・逃げるために海に飛び込んだがおぼれたので、ムゲンの鉄板に助けられる。
・ムゲンタヒねと思って備蓄食糧のココナッツを海に流しまくったらばれて拾うよう指示される。
などいろいろかわいい。
■なんか鉄板に興味を持つ
シャオヘイは純粋なので、嫌いでムカつくやつでもすごければちゃんとすごいと思っている。
だからムゲンが扱う鉄板にやや興味を持ち、ムゲンもそれに気付いたからこそ「お前もやってみたらいい」となんとなく扱いかたを教える。
そいだら・・・なんとしっかりと素養があり、なんとか動かせるようになったりしていて
ムゲンもそれに微妙に驚き「本当に才能があった・・・」と呟いていておもろい。
ただね・・・個人的な趣味の問題だろうけど、ムゲンの無表情キャラ的な部分があまり好きじゃないんだよなぁ。
綾波レイとか、そのへんの時期にはやったであろう無表情たんたんとした声色のキャラが好きじゃなくて
そのせいでムゲンのしゃべりや動きにもイマイチ感情移入はできないまますすんでいる。
■ギャグシーンが増える
ムゲンと一緒にいるとギャグシーンが増えた。
正直、フーシーとやり合い、シャオヘイをとらえたところまではこっちは完全に気持ちが
フーシー&シャオヘイペアなわけで、お前なんやねんと。シャオヘイのこれからの平和を奪うなと。そういう気持ちでいたのに
行つのまにかムゲンとシャオヘイのペースに引き込まれている。
魚を穫って口に入れて「おえー」と吐いたシャオヘイに「おい、命を粗末にするな」みたいなのを言いながら口に入れた瞬間に「ボエ」と吐くムゲン・・・
なんだこれwwwww
この映画、笑いの箇所がちゃんと笑いだと感じられていい。
笑いに国境は無いんだな、ということをヒシヒシと感じた。
笑いのテンポとかが日本アニメにも通じるものがあって良かったなぁ。
■大波
シャオヘイと二人きりで海原・・・なにも起こらないはずもなく・・・
海が荒れてどーん!と筏が揺れたとき、シャオヘイが意識を失い海に投げ出されそうになってしまう。
そのとき襲い来る海水へ筏がつっこみ、海水はまるで筏を避けるようにドーム状に空間ができる。
「これは・・・!」
というムゲン。これは・・・なんなんだよ!!!!と笑いが出そうになる。
でもムゲンは何かを察している様子。
■説明パート
海の時間がとても長い。
シャオヘイは鉄の修行を続けていたり、それぞれになんか空間があるみたいな説明をされたり
さらっと色んなことを短時間で詰め込まれる。
無理のない程度だけど、すげー説明パートだなと思った(笑)。
■陸地に到着!
もはやお家芸の逃走芸(笑)のシャオヘイ。
海の時間を経て二人の掛け合いはとても軽妙で温かな遣り取りすら見え隠れする。
それでも逃げようとするシャオヘイ!貫こうとする姿が男だぜ!
っていうか、どうあろうともムゲンは自分の大切な仲間を襲った悪者なわけで、そこですぐにほだされることはないよな。
おなかがすいている二人。「ごちそうしよう」と言うムゲン。
店で二人でめちゃくちゃ食いまった後、お金を払おうとしたらグチャグチャのビリビリに。胸ポケットからヒスイ?を出して「これは高価なものだ。釣りはいらない」みたいなのを言うが、当然店員は食い逃げと認定して追ってくる。
逃げる二人。このへんのボケもしっかりしている。イラストもデフォルメされてかわいい。
■呑気な感じの二人に対してフーシー
同じ時間を過ごし、だんだんと互いを理解し始めた二人。
そんな一方、追われたフーシー達は必死にシャオヘイを探している。
切羽詰まった彼らの捜索に対する呑気な二人という緩急がついていてすごい。
そのフーシー達のピリピリ感を見ると「ああ、シャオヘイはなんか呑気にどこぞで生きているよ・・・」と遠い目をするしかない。
■バイクがノーヘル
ほぼノーヘルなんやけどあれ中国では当たり前なの(笑)??
■ムゲンの優しさ
シャオヘイが「お前から逃げてやる!フーシーが助けにきてくれる!」という感じのことを言うと
ムゲンはびっみょうに苦しそうな顔で「シャオヘイはフーシーを信じているのか」みたいなことを聞く。
このあたりで、シャオヘイがざわつく胸の内に気付き始める感じの変化が素晴らしい。
口では「当たり前だ!」的に言い返しておきながら、ムゲンとの温かな遣り取りでムゲンの人となりを知ってきたシャオヘイ。
鉄を操る力とかいろんな知識とかも付けてきており、ムゲンにも妖精の仲間がいたりするのを知っているだけに、100%悪人だと思いきれていない様子が描かれている。
ムゲンのシーンでめちゃくちゃよかったのが
ムゲンの仲間が大騒ぎで迎えたときに「静かにしろ。子どもが寝ている」と言ったところ。
子どもwwwシャオヘイは妖精(妖怪)なのに、ちゃんと子ども扱いwwwかわいいwww
■シャオヘイとムゲンのタンデム
人間の世界に改めて来て、シャオヘイは人間のムゲンの視点を得て様々なことを理解し知っていく。
独りぼっちだったときは怖かった車やバイク、人間などをどんな気持ちで見たんだろうか。
「ぼく…あれに乗ってみたい」とシャオヘイが言ったのが車!「ああ、いいぞ」みたいなん言ってムゲンが用意したのが…バイク!!
「なんでこれなの・・・?」「わたしは免許を持っていない」だったと思うけど
むしろバイクの免許は持ってるんかい(笑)!というツッコミをしたくなってしまう。
バイクで移動して、なんか食べて、うろうろして、ガス欠になって…みたいな二人の旅路を見ているこっちはもう
(いや、完全にムゲンは今カレじゃん…)という感情にもなるもんです。
■フーシーの異変
人間に馴染んで生きている妖精仲間のところを急襲したフーシー。
店主からパワー的なものを吸い取った!!
その後ムゲンの仲間が確認したところ「気?」を他人から奪う能力をフーシーが隠し持っていたことが発覚。
当然報告を受けたムゲンはそれを知る。
■キャラクターのかっこよさ
シャオヘイの知らないところで、色んなキャラクターが闘いまくっている。
それはムゲンもそうで、涼しい顔をしてシャオヘイと別れたあとに一人でガンガン戦ってたりする。ひえー恰好いいじゃないか!
ただ、その戦いは決して自分のためでもないわけで、その理由を知らないシャオヘイは当然フーシーと戦うムゲンを理解できない。
このへんの描写がすごく上手い。見てるこっちは色んなことを理解し始めているからもどかしい。それがすごくいい。
■電車の中の戦い
早すぎてよーわからんけど(笑)何者かと電車の中で、天井の上で、めっちゃくちゃ戦っている。しかも戦いが完全にシャオヘイの取り合い。
眠らされて連れ去られそうになるシャオヘイを守るムゲン!奪われるシャオヘイ!
このへん、ムゲンの余裕さとふとした瞬間に相手に攻撃される、奪われる塩梅がすごくいい。
ちゃんと緊張感もあって、でも絶望でもない感じがすごい。
無事にシャオヘイを取り戻して腕に抱くムゲンだが、その直後意識を取り戻したシャオヘイからサッと距離を取る(笑)。
触られたのではないかと警戒しているシャオヘイがかわいい!そしてそれを理解しているからこそ距離を取ったムゲン。
クールぶっているムゲンが、いかにシャオヘイを理解して心配しているか、ひしひしと伝わってくる。
意識を取り戻したシャオヘイは鉄でできた車両の中の手すりとかをぐにゃっとまげて応戦!ちゃんと戦えていてすごい!
そしてムゲンに褒められて嬉しそう!!かわいい!
それでもあきらめない二人の追手を一人で片づけていくムゲンだが、電車の上から鉄の塊みたいなのが落ちてきて車内の少女にぶつかりそうになる…!
そこを、化け猫に変化して女の子を守ったシャオヘイ。
人々が口々に「ばけものだ!」などとシャオヘイに言葉をぶつけていく中、去ろうとした背中に女の子から「お兄ちゃん、ありがとう」という言葉が。
まぁそうだよな!そういうシーンだもんな!知ってた!
と思いながらも泣いてしもうた。
■電車の屋根の上でだんだんと分かっていく
そいつらがフーシーが放った追手だということをムゲンに言われて「フーシーはこんなことしない!」みたいに言うシャオヘイ。
信じたいけど、信じることができないと言う感じに胸が詰まる。
闘いながら、本当のフーシーの目的を語るムゲン。
もっと前に言ってもよかっただろうに、ここまで黙っていたことはシャオヘイを想ってのことにほかならない。
シャオヘイがフーシーを信じる心を大事にしてやりたかったんだろうなぁ。
■電車があぁ!!!
高架を走る電車。高架が倒壊したため脱線して落ち、事故になる…!!
この描写よく中国で許されたなぁ。検閲通ったのが驚き。
高速鉄道事故のイメージが一気に湧いたよ…!ビックリだ。
■シャオヘイ、捕まる(助けられる?)…!!!
フーシーと再会できたシャオヘイは、無事を喜んでとても嬉しそう。
しかし思いつめたようなフーシーに「人間の世界を壊すべきだ」みたいなんを言われる。
それまで人間のムゲンと時間を共にし、人間の世界に触れてきたシャオヘイは「どうしてそんなことしないといけないの?」みたいに聞く。
しかし自分たちの居場所を奪われたフーシーの想いは頑なだ。「俺達に力を貸してくれ」と詰め寄るフーシーを拒むシャオヘイ。
ムゲンに何かを吹き込まれたんだと苛立つフーシー。結構早々に話をすることを諦め、自分の力でシャオヘイを拘束。
そして、今にも泣き出しそうなシャオヘイから力を奪ってしまう。
この時、仲間のロジュが「フーシー!やめろ!俺が説得するから!フーシー!」とめっちゃ叫んで止めようとする。
なんか、すげーいいやつ。ロジュ。ただ少し気になったのは、ロジュがアツいがゆえに展開からいきなり浮いてしまっていたこと。
キャラクターのほとんどが低めのじりじりとした怒りとか不安とかで動いている中、ロジュだけ突然の主人公然としたヒーロー感。
戦闘以外で声を張っていることが無いこの映画の中で浮いてしまった感を覚えた。
まぁ、それだけ彼の必死の叫びは胸に突き刺さったとも感じるけど。
■シャオヘイ
なんか実はめっちゃ力のある子だったシャオヘイ。
悪くはないんだけど、後出しでボロボロいろんな事が出て美味い事話を持って行ってるように感じた。
あれ以外のやりようあったのかはちょっとわからんけど…ご都合主義というか。
もっと初めに、シャオヘイの能力の片りんみたいな部分を匂わせてもらえてたら「選ばれし子だった」でも納得できたかなぁ。
フーシーがシャオヘイに執着したのも力があったからで、その力をどこで知ったのかとかなんかそういうのが欲しかった。
ただ、そんな中でもよかったのはシャオヘイが最後まで一所懸命だったこと。
全然イキりもせず、ムゲンの言葉も聞いて、フーシーのことも考えて、真っすぐ前向きにいたのが本当に良かった。
キャラクターとして超強くなって敵に挑むとかではなく、最後の戦闘やその後にも、優しく、成長し続ける姿を見ることができたなぁと強く感じた。
■ムゲンVSフーシー
シャオヘイの力を手に入れて超強くなったフーシー!
ムゲンがもとから圧倒的な力で勝ってきたけど、やや圧され気味。
苦痛に歪む表情は今まで見たことのないものでどれだけフーシーが強くなったのかを観客は目の当たりにする。
それでも一方的ではなくやりあう両者。
「シャオヘイを傷つけてまですることか!」的なムゲンの言葉に対して「人間は許さない!」みたいなフーシー。
シャオヘイを本当に心からおもっているのは、明らかにムゲンだ。せつねぇ。
■白化シャオヘイが復活!
自我の中にいる(?)シャオヘイがぺたぺたと周囲を触っているのがかわいい。
何の音もないなかで、一所懸命にそこから出ようとしている。
そして自我を取り戻したシャオヘイは、一目散にムゲンの元へ!
金属をゴリゴリ動かし、やられるムゲンを守るシャオヘイ。強くなったなぁ!
でも使いこなせていないのをムゲンがフォローする。決して守られているだけではなくきちんと戦うムゲンもいい。
力を使いこなせないシャオヘイに「ここはお前の領域だ。お前の思う通りになる」みたいなのをアドバイスする。
それを受けて、なんとか戦い続けるシャオヘイ。
■シャオヘイ、ごめん
フーシーが最後に呟いたこの言葉も切なすぎる。
豪快に術を使って人間の町に一矢報いて消えるフーシー。
でもたぶん、人間はあんなことくらいではへこたれないんだよ…たぶん…と切ない気持ちにもなった。
■戦いのあと・・・
自分の居場所を妖精たちの国(集落?)に求めて移動するシャオヘイとムゲン。
他の妖精たちと楽しそうに進んでいくシャオヘイの姿をめっちゃ親御さんの視線で見ながら立ち止まったムゲンに気付き、振り返るシャオヘイ。
ムゲンはそっと「私はここまでだ」と言う。
「どうして?ムゲンも一緒においでよ」「私は人間だ。私を嬉しく思わない妖精はたくさんいる」
ということで、二人(妖精たち)には20メートルくらい距離ができている。
シャオヘイの頭に蘇る思い出。「幸せになれよ」みたいなんを言って笑顔で背を向けるムゲン。その顔が切なげすぎて悲しくなってくる…!
呆然とその背中を見つめるシャオヘイが、ひたすら思い出を巡ってから「師匠!」と叫ぶ。
背中から師匠呼びがぶつかって、長い髪がスローモーションで前方に揺れるムゲン(笑)。わかりやすい表現です(嫌いじゃない)
でもこの表現完全に恋愛アニメだよなー…胸にギュン!てきたときのやつだよな…でもこれ完全にムゲンの心に突き刺さったからほぼ一緒なのかな…(混乱)
今までそんなん一言も呼んだことがないのに!いきなり師匠!と呼ばれたムゲンの背中にさらに怒涛の泣き声で「師匠と、いっしょにいたい…!」という言葉が浴びせかけられる。
ムゲンは嬉しそうだけど静かに「また放浪することになるぞ」と聞くと「…うん!」という返事が。
もうシャオヘイは号泣。丸っこい涙をボタボタ流している。この涙の表現はジブリっぽい感じだったな。涙がトロトロの球状というか。
まあこの時点で自分ももう泣いとるわけですけどね!!!!!!
ムゲンが振り返って「おいで」みたいなんを言ったら、泣きながらダッシュで抱き着きにいくシャオヘイ!
猫っぽくてかわい!かわいいよー!
■それから二人は
…エンディング!!もうエンディングです!!!
こっからも見たかったよ!!!めっちゃ二人の掛け合い見たかったなぁ。
■声優さんについて
自分は声優さんをほとんど分からないのであれですが・・・・主人公のシャオヘイめちゃよかった!
フーシーはキャライメージに対してやや重い感じかな?でも良かった。
ムゲンは、そもそもあの感情無い感じみたいなのが好きではなかったのでウーンと思っていたんだが、戦いのときとかのアツさが良かった!
あとはロジュの主人公感がな…主張凄かったな、という…主役級の声やんあれ…。という感じでした。
別に言うほどひどいとかそういうのじゃなくて、もうちょっと緩めの人のほうが主役が立ったかな??とかは思った。
■欲を言えば…
フーシー達とのおだやかな日々をもうすこしちゃんと描写することで、後半の絶望感が引き立った気がする。
海のシーンがやや冗長だったかな。
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★★★★★ ほし、5ちゅちゅ!!!
戦闘すごい。
伏線はそうでもないけど、そこは複雑な感情表現で一気に押してきた気がする。
もうね、これ自分が帯とか書くなら「壮大なNTR物語」だな。
見て良かった!!たぶんまた見に行く。っつーか中国語版見に行くだろうな。
今年見た映画で一番と今のところは言える!