下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【趣味】映画「映画大好きポンポさん」鑑賞!

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なんかめっちゃいいというざっくりした感想を見て、映画に関する何かなら見ないと!と思い、小さな映画館を探してやっと見ることができた。

その感想を言いたい――が。

 

正直なところ、まったくいいと思えなかったので結構な酷評になる。

見たくない方は見ないでいただきたい。ほんとに。

なお、総評すると★☆☆☆☆(ほし、1.4ちゅ!)です。

 

◆鑑賞条件

原作知らず。他映画のときに予告を観て(えっ?こんな感じの映画なんか!?)とびっくりしたが、良いというざっくりした感想を知っていたので見る気は揺らがず。

 

 

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◆初っぱな出てきた女優みたいなキャラクター

声ほっっっっそ!!!!!!

しっかりした大人のキャラクターなのに、声が子供っぽくてほっそい!!!めちゃくちゃ細い!それで流ちょうに英語の発音で歌っている!

いや、そこはむしろどうでもいいから、がっつり歌ってくれやと!

あんな「この人は立派なエンターテイナーですよ」感のある炎とかの演出をする人の歌声じゃないぞあれ!

なんでその声優さん使ったんや!?

…と、もう初っぱなからがっつり引く。始めの印象ってすごく大事やないですか。

だからこそ、圧倒させるものをあそこは見せればいいんだと思うんですよ。

なのにほっっっそ!!!ということでまぁ自分の心はやや遠ざかる。

 

◆登場人物の誰一人にも感情移入できない(辛うじて銀行員アランのみ)

★ポンポさん

ただ説明だけですごい人だと説明されるポンポさん。

あのビジュアルはなんなん?幼く見えるとかそういう問題じゃなくて、どういう視点で見たらいい人なの?と気持ち悪さばかりで全然魅力的に見えなかった。

ポンポさんは何?どうすごいの?映画観てると、おじいちゃんが超すげー人というだけなんですけど。「なんとかするわ」とか言うけど、結果なんとかなってるシーンばかりなのでその裏でポンポさんがどんだけ苦労しているのか全然分からん。

そんで、ポンポさんのシーンはほとんど余裕ぶって何か食べてるか、ため口で何かやってるばっかり。いや、お前のため口完全にじーちゃんの七光りにしか見えねーよ…だってどんな凄いことやってんのか一切見えてこないもん。

なのにやたらとジーンや他の人にすごいすごいともてはやされている感。かんっぜんに離れる自分の心。

あと「映画大好き」ポンポさんっていう題名だけど、どう映画が好きなのか理解できなかった。これは読みが浅いとかもあるかもしれん。

映画を作るという情熱がある、ということで言えば映画が好きなのかもしれんけど、その根底にあるものは本当に「映画が好きだから」なのか?

ポンポさんが全否定した「映画が好きで、撮りたい」と思っているキラキラした目の人はなんで否定されないといけなかったんだ?そのキラキラした目に至るまでに経験し、乗り越えたこともだめなわけ?

あと「おじいちゃんに見せられた映画が退屈で九十分で十分」とか、ただの自分の過去のトラウマみたいなんだけで映画の時間を決めて良しとしてんのが糞だと思うんですよね。

※九十分については後述

「ポンポさんがきったぞー★」みたいなん毎度ウザすぎて^^ハイハイてなってた。

 

ジー

ポンポさんの補助で頑張っていたジーン。自分で色んな想像をして書き留めたりと、過去がありつつも結構良い感じだと思っていたのに。

CMを担当することになって集中したジーンが言い放った「ポンポさんが言ったことを全て十五秒に入れる事は無理!」というのにびっくり。自分があがめ奉っている人が指示してきたことをがっつり無理、って。なにそれ?その判断へ行き着くまでに苦悩はないわけ?「守ろうとしたけど、でも自分はこうがいい!」てなった時のカタルシスの方が大事じゃない?

しかも出来上がったものは正直全く面白くない。そしてポンポさんの言いつけを守っていないものなのに、どうしてそうなったかの説明もない。勝手に入れたオフショットをいいねともてはやされるのが気持ち悪い。

とはいえ、頑張って作っていた。偉いぞジーンくん。

自分のイライラが募り(あーこのキャラも無理や)と思ったのが、監督に抜擢されたシーン。「自分なんて無理です!」と本気で言う。謙遜ではなくて言う。

動揺して「考えさせてください」ならまだわかる。完全に青ざめ、叫んで、無理だと言い切る。しかし、いかにジーンが良いかを説くポンポさん。

もう、このへんでうんざり。必死に持ち上げてじつは彼は自分の才能に気付いていないんですよ、という丁寧なご説明。いやー気持ち悪い!!

これが、本人に情熱があって、ビビりながらも、怒られながらも「やります」ならまだ良かったのに…。

これが、ポンポさんの前述もあり「完全拒否をする陰キャ(でも才能があるからあの大物のポンポさんが説得!)に負ける目がキラキラの陽キャざまぁ」感を感じてしまった自分は意地が悪い。

<監督になってから>まぁなんかこう、自分の意思で色々やっている感が良かった。

ただ、脚本を読んだときに素晴らしさを語り、配役が難しい理由に「ほぼ二人で展開する話だから」みたいなのを言ってんのに、正直二人以上めちゃくちゃ出てますけどーwwwてなって笑いそうになった。

どこが二人だけの世界なんや?始め作ろうとしてたときには「リリーと出会うまでに一時間三十分かかってる」みたいなん言ってたけど、それだとリリーと出会ってから三時間くらいないと二人だけの世界にはならないね。

しかも映画(監督作品)の締めにもリリーは不在、主人公のおっさんの気持ちをガンガン他者が代弁しまくっていて、なんか浅い映画だなぁと思いながら観ていた。(映画を観ている気持ち)そこまで代弁させるなら、完全に二人の映画じゃないね★

あと、撮影しててシーンについて役者やスタッフから意見が次々に出てきて「最高ジャン!」みたいな空気が気持ち悪かった。

とはいえ、頑張って作っていた。偉いぞジーンくん。

過労で入院。一週間の絶対安静が言い渡されたのに病院脱走。運び込まれた病院の迷惑も考えろや。ここで、病院に筋通しておけばまだスッキリしたのに。

それ以降の展開は、次のナタリーへ続く…。

 

★ナタリー

へっっっっったくそな声優でマジびっくりした!!!!!!

ナタリーは演技がヘタなので、へたくそな役だからへたくそにやってるのかと思ったら純粋なへたくそでした!!!!!

いや、あれは原作ファンもどうなんやろ?自分が原作ファンだったら絶望だな。

羅小黒○記の花の妖精、紫羅蘭の日本語版の絶望くらい絶望や。

もう延々へたくそで一切慣れ無かった。

で、この人。声はク○ですけど、キャラとしては本来可愛いと思うんですよ。

真っ直ぐで、一所懸命。まぁよくあるベタな頑張り屋さんだけど、ソレを補ってあまりある頑張りが見えていた。(道路工事の誘導員など)だから魅力はある。

ただ、女優ミスティアに付いてからそれらの魅力がどんどん失われた。ハングリー精神みたいなのが見えなくなった。

一人で頑張って何かをやるシーンあったか?いつもミスティアが横にいて、ウフフみたいに笑っていて、本人は自分の部屋でドサッとベッドに倒れこんで寝るばかり。

同じようにミスティアが練習やジムをやっているのを考えると、同じ量を学び続けた彼女に最後まで同じ繰り返しを見せられたのは成長が感じられず面白くもなかった。

そもそもヒロインに抜擢されるきっかけになったオーディションで、彼女はポンポさんにズバッと「不合格!」と落とされている。なのに「一目見てキャラクターが浮かんだ」みたいなのをあとから言われている。彼女以外にありえないと。

ハァ?じゃあなんで不合格と言い放つわけ?全く理解できないし面白くもない。ナタリーの悲しみは深すぎる。

そんで、まぁ声が糞なので仕方ないかもしれないが、抜擢された役が「少年と少女の要素を持つリリー」なわけだけど、この少年うんたらの設定どこに活きてたんだ?

映像からも声優の演技からも少年うんたらが見え無かったぞ。で、この少年と少女の二面性がどうのというところが、創作映画の本筋に関わるのかと思ったらまっったく関係ない。意味わからん。

そんで(もう帰ろうか)と思ったレベルに糞むかついたのは後半に観た彼女のシーンだった。

過労で倒れたジーンが病院から脱走。「やっぱりここにいたんですね!」と編集部屋へ来たものの、ジーンが「僕しかできない」みたいなのを言って戻ることを拒否。そいだらナタリーが「じゃあ、私が傍に居ます!」みたいなんを言い切る。

そんで、そばにいると言い切ったからには、何かサポートしたりするんだろうと思っていたのにそんな様子は全くなく、むしろ創作映画のシーンをガンガンカットしていくジーンに向かって「あー!そのシーンは私のファーストカット!」「マーティンさんとの初共演のシーン!あー!」とかめっちゃデカい声で騒ぎまくっている。

くっっっっっそうざい!!!!!!!!!!!!!

そりゃ言いたくなるのは分かるよ!!!でもせめて何か言いそうになるのを耐えるとか、監督の判断も含めて迷惑にならないように存在すべきでは!?!?!?

ほんまウザすぎてイライラが頂点に達して映画館出たかった!自分の横に人がいたから出なかった!!!

最後に【みんなで発想してイイネ!と思ったシーンをカットすることを躊躇するジーン】の表情とかはすごく良かったのに、ここにまた糞ナタリーが出張って「私は監督を信じます!」とかどや顔で言って一緒にデリートキー押すのがもう、ひっどいwwwwwwwwww

マジ笑えるわ、そこは監督の意思で押すんじゃないんや!?はーあーそうですか^^

 

★ブラドックさん

往年の俳優。よくわからん。凄さもよくわからない。でもすごい人なんだろう。

旧知の仲であるポンポさんのおじいちゃんからの依頼で久々に主演を受けた。

はい、出ました。ポンポさんがすごいからじゃなくてこれおじいちゃんがすごいからなわけで。なのにポンポさんがすごいみたいなもてはやし感。

ブラドックさんも(多分)小さな頃から可愛がっていたポンポさんだからやっぱり可愛がる。そのへんも気持ち悪い。嫉妬やない。嫉妬や無いで。

 

★アラン

なんかビジュアルに合わない低めの良い声。この声やないとあかんかったんか…?合ってないと思うんだが…。

学生時代超陽キャ。ビジュアルはイケイケでいじめてそうなのに、全然そんなことはなくジーンの落とした映画感想ノートを拾い上げて渡してあげたりしている。

でも、就職した銀行では上手くいかないし先輩にいびられている。自分の中では、この映画の中で唯一そこそこ心を寄せることができたキャラクター。

今まで何でもそれなりにこなせて、銀行員もやりたいわけではないと。だから「今日限りで」辞めさせてもらいますと言いに行った先輩のデスクで、ジーンの資金不足を知る。

それを見て「これ、俺に任せてもらえませんか!」とベタだけど熱い展開!おおお!

やっと自分の意思ではっきりとコトを起こす奴が出てきたぞ!!!それが、過去にすれ違っただけの同級生に久々にあったら映画監督になってたってことだったとしても(嫌み)!!!

このキャラどうやら、映画オリジナルらしい。あれか、主人公に影響を与えたいけど、過去のいじめみたいな感じにすると本編のキャラクター形成に大きく関わってしまうからだろうな。だからアッサリした関係でしかない。

んで、上司の偉い人たちににプレゼンするががっつり断られる。

そしたら…まさかの「全世界に今これを生配信してます!!!」ほんまバカ。信用問題が一番大事な銀行で、会議を生配信。顧客からの信頼失いまくりだろこんな銀行。めっちゃバカ。ほんとうにバカ。で、その配信でのコメント(バカみてーなコメント)が映る。なんていうか、本当バカ。それが視聴者の数という演出なんだろうけど、なんか…凄く気持ち悪い…きもちわるい…きも……

その生配信を盾にするのって本当卑怯だと思うわけです。それを当然の良いことのようにキラキラ演出してんのがマジできもい…

最終的に頭取が出てきて「フォッフォッフォ」みたいなベタな感じでもう、あーはいはい^^(二度目)

 

ミスティア

声がどこかで聞いたことのある人だったけど良かった。キャラもかわいい。

ただ、完全にただの善人だったので面白みはない。

 

コルベット

ポンポさんのそばにいる監督。良い奴だけどキャラのビジュアル濃いわりには存在感が無い。もっと強烈な感じにすれば良かったのでは…と思ったけど、面倒くさくなりそうだからあの感じくらいが丁度良いんだろう。

 

◆ナタリーの水たまり

水たまりを跳ねるナタリーの姿を、バスからジーンが見て世界観が広がる感じはすごく良かった。綺麗だったし、ナタリーにフォーカスしてからの彼女の表情とかもかわいかった。

 

◆演出としての大げさ

アニメだから仕方ないのかもしれない。でも、入り込めない世界の中で繰り返されるしつこい、わざとらしい演出に自分はまったく心が動かなかった。

・大したシーンでもない花火

 ジーンとナタリーの会話。自分なんてヒロインに向いてないみたいなのを言うナタリー。それを、ポンポさんが良いって言ってたから大丈夫みたいに言うジーン。このシーン自体はいいと思うが、二人が前向きに笑うと突然大きな花火が上がる。しかも結構低い位置で爆発している。

その割には花火の明るさと影などの演出も無く、打ち上がったことに対するキャラクターの驚きや喜びみたいなのもない。ただ「ここに花火上げたらいいんじゃないか」みたいな浅さを感じてしまい、せっかくのシーンがもったいなかった。

 

・すごみを感じるビリビリ

 度々登場する、ジーンが「すげぇ!」と思った時のビリビリ。こっちには全然凄さが伝わってこないのにビリビリしてて、全然いいと思わなかった。

 

◆カットすることこそ美学

最終的に「しんどい思いをしてカットしてるんだよ」という映画。

 

◆上映時間

ポンポさんの映画九十分の話しで(あーこの映画は九十分ジャストでドヤってんだろうな)と薄々思ったけど、九十分でも辛い映画があると思い知らされた。

 

 

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以上です。

どこがいいと思ってるのか、これから他の人の感想を見てきます。

何か変わったら追記します。