下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【趣味】映画「親愛なる君へ」鑑賞!

f:id:tora_kaibuntei:20210824012222j:plain

見たかった映画。特に「すごくいい」みたいな前評判は聞かなかったが、異分子として存在するしかない残されたパートナーという部分で胸を突かれ、見るしかあるめぇとなっていた。

 

この作品何がびっくりって、映画館で視聴していたのが男女半々くらいなこと。

その人たちのアイデンティティーがどうなのかも分からないが、男女カップルもいるし、老若男女いる。

同性の恋愛というものが当たり前に映画で表現され、しかもそれが奇異なものではなくヒューマンドラマとして成り立っていることで

だんだん普通のこととして受け入れられているのかなと感じている。

 

では以下ネタバレあり感想。

*********************************

 

■リン・ジェンイーイケメンすぎるやろ

めちゃくちゃ綺麗。きれい系。ややぴったりとしたサイズのシャツを、少しムチッとした体(ソフトマッチョと普通の間)で着こなしているのが最高に格好良い。

涙で潤んだ眼差しにめちゃくちゃ感情を持って行かれる。

深い愛情の眼差しが多く、素敵だと感じたし、惚れた!

 

■R18の必要あったか?

突然のエロぶっこみでびっくりした。

しかもパートナーとのものではなく、行きずり(出会い系)のセックス。

おまけにジェンイーがタチやった…まあ、あるあるやけど(何が)

泣きながら立ちバックはなかなかにクるものがあったけど、あそこまでのセックス表現必要だったかなぁ?

あれを入れた意味は「心に決めたパートナーがいたとしても、性衝動は誰にでも起こりうる当然のこと」ということなんかな?

ジェンイーが完璧なイケメンというわけではない、生々しい部分の表現だったんだろうか…

とはいえ個人的にはいらんと思いました…はい。

 

■養子ヨウユー

なくなったパートナーの息子ヨウユー。

もっと笑ったりするシーンがあれば良かったのになぁ。

優しい子だけど無表情が多くて、そこの違和感を強調しすぎ(愛情に飢えている感)かなと感じた。

 

■リーガンむかつく~!

パートナーの弟(?)リーガン。兄だったっけ?弟だったっけ?わからんくなった。

そもそも、パートナーのリーウェイは、リーガンの借金返済のために二つの仕事を掛け持ちして限界へ追い詰められていた。

それを知っているジェンイーだが、さすがにそこを突っ込んだり責めたりすることはないし、できない。そこまでクズじゃない。

だからこそリーガンは調子こいて、自分の利益の邪魔になるジェンイーに対する態度とか対応がひどい!

かなしい!わいはかなしい!!!

 

■リーウェイの母。

いわゆる義母は、リーウェイの死をジェンイーのせいだと責めている。

実際にはジェンイーのせいではないのだが、そこにつけ込んで面倒を見させている課案じ。

なのに食事も一緒に取らないのはなんでなんだろう??

 

■ジェンイーの嫉妬

リーウェイの奥さんにごりごり嫉妬して、ぶち壊してしまうジェンイー。

今は聖人のように尽くしているけど、そう言う生々しい部分があることになんとなくショックを受けるとともに、人間らしさで好きになる。

 

■リーウェイとの生活の謎

時系列どんなになってるのかわからんのだけど…

自分が一番気になっているのは「リーウェイ、ジェンイー、ヨウユーの幸せな生活は幻だったのか?」ということ。

願望であり妄想である幸せなシーンをこっちは見せられていたのか?と考えた理由は以下。

1)あんな何日にも及ぶ山登りを、四歳くらいの子供がいる親が放置していくとは思えない。

だから、離婚調停中とかで奥さんにヨウユーを預けてたんかな?とか思ってた。

2)リーウェイが亡くなる寸前に「ヨウユーをたのむ」「ああ、そうだ、二人でヨウユーを育てるんだ!」という確認と決意をしている感じ。

これから一緒に暮らすというのを決めたタイミングだったのでは?と思えたんだけどうかなー。

3)高山病のタイミングでのジェンイーの告白。「奥さんのブログを見て連絡を取った」からのリーウェイ激昂。

それまで、何も知らずに一緒に暮らしていたとは思えないんだよな。少なからず、奥さんの異変をリーウェイは気付いていたはず。だからこそジェンイーを問い詰めた。

4)ヨウユーの懐き具合

懐いているものの、少し遠い。パパ(リーウェイ)と一緒にいろんなことを三人で経験したのなら、もっと懐いていると思うんだが。

5)リーウェイとの体の関係

行きずりの相手とのがっつりセックスはあるのに、リーウェイとのシーンは一切なし!

柔らかく優しい家族のシーンばかり。

性衝動の生々しさを描いた割には、三人のシーンがファンタジックだからいよいよあやしいなと思った。

6)ポスターにある、家族団らんの食事シーンなど存在しない!!!

母親と一緒に三人が揃うシーンは一度もなかった。秘めた関係というよりも、ああいった団らん自体が一度もなかったのでは?と考察。

 

■真相

めっちゃ切ない。誰も悪くない。

 

■締め

結局ヨウユーはオジサンと一緒におるんか…しかも多分、普通に生活して普通に育つんだろうな。

でも心の奥にはパパ2号がいるわけで。

めちゃ切ないなぁ。

 

*****************************

つーことで総評 ★★★☆☆(ほし、みっちゅ!)ぎりぎり3.9かな。

映像が綺麗。役者の演技に引き込まれる。

ただ、リーウェイが亡くなった理由を「ジェンイーのせい」とされていることとか

真面目なジェンイーが違法薬物を手に入れようとしたりと、やや無理を感じた部分もあった。

雰囲気が強烈に良い映画だとおもた。