下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【映画】ルパン3世カリオストロの城 MX4D

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3度の飯より映画が好き!アッ、嘘嘘!やっぱりメシが好き!

でおなじみの芥文亭です。全国TOHOシネマズの一部劇場で上映している「ルパン3世カリオストロの城 4DMX」を見てきた。

MX4D上映「ルパン三世 カリオストロの城」公式サイト

カリオストロはテレビでも(当時)ビデオでも見まくったが、最近見ていないしそもそも映画館で見ていないため

4DMX目当てではなく、カリオストロの世界をちゃんと映画館で見てみたいという気持ちで行った。

内容は9割くらい覚えていて、展開も覚えており、多くのシーンも頭の中にある状態。一部シーンは(皆様おなじみの、レベルの)セリフも覚えている。

そんな自分が今回初めてカリオストロを見てどう感じたか、書き記しておきたい。

<鑑賞条件>

◆時間帯:平日昼間

◆客層・埋まり具合:男女比5:5 おひとり様も多かったがグループもいた。珍しい感じ。ただし年齢層は高かった(笑) 埋まり具合は3割といったところ。

◆特記事項:自分はMX4Dを何度も体験しているのである程度MX4Dへの慣れがある。

 

<感想>************************

■MX4Dの必要性とはいったい……

 何度も体験しているMX4Dだが、見た作品の中でもトップクラスに肩肘を張って効果を盛り込んでいたと思う。正真正銘の焼き直しなので、そういう部分を張り切らないといけないのは理解できるが、そこまでせんでもそもそもの作品が持つパワーがあるわけで。

 MX4Dはその作品をより生かすために居ないといけないと思うんです、自分は。

だども……初っ端の効果の肩肘の張り方たるや、凄まじい盛り込み具合である。

 今までMX4Dを何度か見ていて思ったが、見ている人は「主人公」か「傍観者」側でしかない。感情移入するのはそちら側というわけだ。ということは、揺れたり影響を受けたりするのはそちら側の時でないといけない。

 だが、今回のルパンの初っ端は全部に効果が付きまくり「まずはどうでしょうか!これがMX4Dですよみなさん!」というのを必死で出しすぎて、されるこちら側としては「アッ、ハイ」という置き去り感がすごかった。そこで自分は一気に引いてもうた。コレ、ずっとされたらお尻死ぬぞ……と。←そっちかい

 とまぁ、始めこそ肩肘を張って隣の客のラーメンどんぶりに肘先が入る勢いの効果を演出しまくっていたわけだが、だんだんちゃんと視点はルパン(と銭形)、そして傍観者というところに固定され、それには安堵した。

 

■MX4Dで良かったところ

 もう、声を大にして言いたい。銭形の乱闘シーンが最高すぎて、笑いそうになった。左右後ろから、ボコボコにされる自分(笑)。「やめろー銭形やめろー」という気持ちにさせるし、一度そこを楽しんだ後は「バカモーン!そいつがルパンだ!」展開の後にまたボコしてもらえる。ボコられながら「くっそールパンめー」という気持ちになるから不思議。

 あと、風のあるシーンは「プシュー」と音がするものの、爽やかな風を感じられて良い。

 次元の銃が唸れば激しいフラッシュが起こる。やりすぎ感もあったが、自分はそこそこ好きだった。

 

■MX4Dでいいかげんにしてほしかったところ

 MX4Dって、水とか出るんです。プシュッと飛んでくるんです。カリオストロの時点で水からは逃れられないので、覚悟はしていたが……まさか、戦闘シーンまで水かけられると思っておらず、ルパンの目先を鋭いツメが通るたびに水かけられるので「エッ?水?何?爪先に汁仕込んでんの?」という感情が湧き上がると同時に、目に入りそうになるので瞬き3倍、画面で何やってんのかよくわかんないという事態に。

 あと、アオリの目線が多いため、座席もあおるったらない。場面全体を見せようとすれば必然的にアオリになるわけだが、いちいち座席もアオられるとアオリが気になって「あっ、またアオった」と思ってしまう。

 

■大画面の凄さ

 今までテレビでしか見た事が無かったため、初めて大画面で見たが、入ってくる情報の多さに驚いた。埼玉県警とか、うどんとか、何度も見て気づいたり知ったりしたけど大画面で見たら一発やんけと思った。

■間の素晴らしさ

 これはひとえに宮崎駿をはじめとしたスタッフの方々が素晴らしかったからだと思うが、間が本当に素晴らしくて感動した。何もしゃべらない間が、キャラクターの心の内を説明しているのがありありと分かって「あちきみたいなゲス野郎にこんな素晴らしいもの見させていただきやしてありがとうございます」という気持ちにもなる。

 喋らない間と書いたが、その間にも表情は変化しているため、心の内はなんとなく見える。しかしさらに凄いのは動作の間だ。何か一つをするにしても、その間のその瞬間に、キャラクターの心情が画面に現れるのに絶句する。本当に本当に凄い。

 

■次元の良さを知る

 自分は、次元の良さがイマイチ分からないまま今まで来た。しかし今回、次元の魅力に取りつかれたぞ!!!意外とオチャメでやんちゃ、しかしルパンの事を理解していて考えを察することもできる。途中から出てきたデカい銃を最後の最後まで大事にしている姿を描かれるのは(今回見ていて初めて気づいたが)、キャラが愛されている証拠だなぁと思った。普通主役級の持ち物なんぞコロコロ変わるんだから、言及する必要ないだろ??でもちゃんと書かれるのは「次元の銃への愛=キャラを描く側がそれを理解しているから」に他ならない。

 今まで五右衛門派だったが、次元に寝返りそうだ。

 

クラリス発見のカーチェイス(今まで気づかなかったこと)

 ルパンのテーマがかかりました!さぁ始めるぜカーチェイス!っていうところで、何かトラブル(前方の車の部品が落ちてきて直撃、前方からトラックがきて避けるなど)があり、曲が何度も止まってスムーズにすすまない。テーマが聞きたい!と焦らしておいてからの、崖上りとテーマスタートでもう焦らされたこっちの興奮もマックスです!!!!

 音楽と映像の効果って本当に凄いと思わされた!!!

 

■ルパンと不二子(今まで感じたことの無かったこと)

 「不二子ォ!ロープだ!」「偉そうに言わないで」のやりとりの破壊力。それだけで分かる二人の阿吽の呼吸と関係性。もしクラリスが多少の色ごとに通じていたら、きっとその裏にあったものもしっかりと嗅ぎ取ったろうが、クラリスはねんねなので(古い)そのへんはぼんやりとしか分かってなかっただろう。正直、あれを見て聞いたら即座に諦めるレベル。

 

■興奮がマックスに(今まで感じたことの無かったこと)

 ルパンと銭形の共闘はまぁ、分かってたし不二子の優しさで銭形を勇気づけるのも分かってたけど、あの不二子の活躍たるやすげぇ恰好よすぎて惚れた!!!!ルパンと銭形の共闘は意味がわかるけど、その後の銭形と不二子の共闘は「銭形の利益」しか無いわけで。そこを手伝う不二子って本当にいい女じゃね??いい女過ぎて、前述した「偉そうに言わないで」と相まって、そりゃルパンと付かず離れずいい塩梅で一生居る事になるわな、という謎の完敗の気持ちになる。

 

■うんどうかい……

 ルパンと銭形が逃走で走るときの音楽。「サンバ・テンペラード」は本当に興奮する!恰好よすぎる!大好きだ!運動会の短距離走で延々聞かされたけど大好きだ!

 

クラリスを幸せにしてやってくれぇぇ

 クラリスがいい子すぎてもうあかん……。おじさまに幸せにしてやって欲しかったけど、おじ様は「自分といては、クラリスは幸せになれない」という気持ちから、抱き締めそうになった手を堪えてあえて、引き剥がすという御馴染みのシーンなわけだが、大画面で見たら涙が出てもうたわ……。

 また、その時のルパンの「クラリス……」がイケメンすぎて「あれ?ルパンってこんな格好いい声出しとったっけ」と思うレベル。まぁ、おじ様はとりあえずクラリスの初めてでももらっ(略)

 

 

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ということで、完全に満足した状態で劇場を後にした。

★★★★☆※減点はMX4Dやりすぎ感のみ。

 

なお、今までいろいろMX4Dを見てきて完全に合致し入れ込んだのは「ベイマックス」のみ。その後見た中では同系統の「ズートピア」よりも良かった。

やはり浮遊感とかを出すのは最強に相性がいいと思う。あんときゃ最終電車にダッシュしてでも豊洲の映画館まで行って見た甲斐があった……。