下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【趣味】映画「すみっコぐらし とびだす絵本と秘密のコ」鑑賞!

見てきたよおぉーー話題の映画すみっコぐらし!!
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http://sumikkogurashi-movie.com/

やってる映画館も遠いし本当は行くか悩んでたんだが、映画館の近くに用事があったので用事終わりに行ってきた。

特にすみっコぐらしが好きなわけでもなく、興味があったわけでもなく、むしろ「どうでもいい~好きじゃない」ぐらいの
感覚だった自分がどうしてそれを見に行こうと思ったかと言うと
Twitterでちらりと見える評価がやたら高かったから、に尽きる。

「すごく泣いた」「胸が痛い」「子供も声を上げて泣いていた」「すごくびっくりした」「横のお姉さんも泣いていてもらい泣きした」

などだ。
別に泣きたいものを見たいわけではない。
◆子供向けだった印象の作品がなぜ大人に受け入れられているのか
◆それどころか「子供の見るもの」という概念をひっくり返している感じがある
◆子供も見られて大人も見られるものはどういう映画なのか
◆っていうか子供むけキャラクターの映画ってなんだ
という単純な興味だった。

そうして若い女性ばかりだろうと思いビクビクしつつ一人乗り込んだ自分には、40~50代男性グループという力強い味方がいた。
彼らはややぴりぴりした空気を漂わせていた。映画開始前からの雰囲気は決して「子供向けのキャラが好き」という感じではない。
むしろ自分と同じ香りがぷんぷんしているのだ。おそらく何らかの創作に関わる方だろう。
前方から射す画面の明るさは前方の頭部に反射している。それはさながらスポットライトだ。(どうでもいい)

ということで、前方に同士の存在を意識しつつ見ることになった。

時間;平日夜
男女比;埋まり具合20%くらい。 男女6;4
 年齢層平均20代後半(おじさんを入れてもそんな感じ)
ということで驚きの大人!男子大学生グループみたいなんもおり、イメージしていた女性ばかりの光景とは違っていたのが驚き。


ということで、はじめにもう結果を言いたい。
★★★★☆ ほしよっちゅ!つーか厳密には3.7だな。

まずは総評でネタバレなしの感想を述べます。

そもそも、すみっコぐらしのキャラがなんなんだかよくわかってないけど、昔は子供に人気だったイメージがある。
しかし今回の映画で、その全貌をしっかり知ることができた。

人見知りで恥ずかしがりやのねこ・・・
食べられず残ってしまったとんかつ・・・(夢は食べてもらうこと)
自分が何なのかを忘れてしまったペンギン・・・
自分を偽ってこっそり生きるトカゲ・・・(本当の姿を知られたら研究所に連れて行かれる)
寒さに弱いシロクマ・・・
吸われることなく残ってしまったタピオカ・・・

これ、ものすごくものがなしい欠点を抱えながら、自分を肯定してるキャラばかりなんですよね。
何かのキャラや人とコラボしまくる雌猫のパリピねーさんとは全く視点が違う。
あこがれのキャラクターとしてではなく、我々と目線が同じで「そういうことあるよね」と思わせるキャラであるという時点で
キャラに対する引き込まれや思い入れが多いのは圧倒的に大人となるのだ!!
・・・というのは、彼らを見ている自分が「うんうん」とか「そっかー、食べられたくて努力してるのかー」と謎の共感をしている時点でもう体言したようなもの(笑)。


ということで、ファーストコンタクトはかなりの好感度だ。
うざい、トラブルを巻き起こすキャラクターが嫌いな自分だが、彼らにはそれを感じなかった。
個々に勝手にではなく皆で解決しようと努力をし、それがかなわない状況であれば個々が奮闘する。
そんな姿はとても理解のできるリアルな「人の動き方」だと思った。



さて、最終的におもしろかったかどうかで言うと「うーん」というところだが、見て損は無かった。
なにせ「喋らないキャラクター」のみで展開する話というのが斬新。
喋らないが、頭の上に「いっしょにいこう!」とかの文字が浮かび上がる。
そして優しい語り口でキャラクターの心情を読み上げ、時にはツッコむナレーション。
(エンドロールで井ノ原さんと本上まなみさんということが判明。お二人とも落ち着いた良い声でした)
でもそのツッコミも嫌みではなく、時々鋭いガチツッコミ「するのかよ!」みたいなのがあったりと緩急あって楽しかった。

だから、声優さんの活躍というのが皆無なこの映画。
そして点と棒で構成されたキャラクターの表情。
これで泣けるんかと思うでしょう。ーー泣いた。泣きました自分。

何がすごいって、それで泣かせる脚本っていうのもそうだけど(これがすみっコぐらしじゃなくてクレヨンしんちゃんでもドラえもんでもなんでも泣いてるような脚本)

この映画音楽がすごいですわ!!!!ほんと!!!!!

コンポーザー 羽深由理さん 出羽良彰さん 堀川真理子さん

とのことだが、本当に尊敬する。
この作品は、絵本の中にすみっコぐらしキャラが入ってしまうというのがメインの見所なんだが
正直そのへんは自分には冗長で(子供はきっと楽しめる)スーンて見てた部分があった。
それでも「桃太郎の和風」「マッチ売りの少女の悲しそうな感じ」「あかずきんのドタバタ」「アラビア」
とか、どこか原作がありそうな(笑)何か匂ってくる感じの音楽の流れがあってめちゃ面白かったし
自分が一番飲んでたスプライト吹きそうになったのは「にんぎょひめ」のシーンでやたらガチのクラブ音楽が流れてたことです。
一瞬だけかと思いきやにんぎょひめをさしおいて、響く低音早いBPM。なんじゃこれ(笑)
音楽と映像のシュールさがめちゃおもろい。

そんなセンスを披露しつつ、しっかりとシメるところはシメるのが怒濤のラスト。
感情の盛り上げ方がすごい。音楽すごい、と思いながら見ていた。


ということで、まさか声優さんもいない映画で泣くとは思ってなかったところもあり
・ー・ で表現された顔で泣くとは思ってなかったところもあり、自分は衝撃の作品を見たなぁという気持ち。





※※※※※※※以下ネタバレあり※※※※※※※※※※※※※



◆ラスト
想像はできてたけど、あのおばけが去るときに花が落ちたのが伏線だったことにしばらく気づいてなかったよ!
伏線がつながって「あっ」て思った時の、微妙な「やられた」「くやしい」という気持ちを覆い隠す爽快感。
そして、それが真実であると知ったときの悲しみ。これはえらいことじゃった・・・

ちなみにラストは泣けてたけど、やや長い感あったかなぁ・・・。
そもそも声がないので、動作や感情をできるだけ表情の・ー・で表現するわけです。そりゃ時間もかかるし理解させるのも大変。
倒れる塔を支える迷子ひよこは無理あるんじゃないかと思ったけど、その後の絵本の仲間感を増すには必要な流れだった。ということで理解はしています。


ちなみにどこが一番泣いたかというと、エンドロールです!!

最後、別れの後に絵本をゴージャスにしてあげたすみっコぐらし面々。
そのままエンドロールに突入すると、すみっコぐらしメンバーが迷子の子のようにひよこのような形状になっている。
それがめっちゃかわいい。
「ほえーかわええー」と思いながらぐすぐすやってたわけだが、その中で迷子の子とめちゃ仲良くやっている。
助けたり、助けられたり一緒に寝たりと「彼らが一緒にやりたかったこと」がそこで繰り広げられていて
自分はもう号泣ですよ。あかん。あれはあかん。

そんで「あぁよかったね」と思わせておいての、最終的にすみっコぐらしメンバー全員が寝ていた(夢)という・・・!

これ、たぶん「夢かな? 夢じゃない、よね。きっと」みたいな感じなんだろうと思うけど、自分こういうの無理です!
絶対泣くから!

だいたいそういうの夢なんだからね!←現実的

つーことで最後のほんっとうに最後で号泣。
あと原田知世の「冬のこもりうた」はいい曲だったし声もすごく美しくて癒された
・・・けど、エンドロールの間じゅうずっと「子守唄とふゆごもりをかけたのか、すごく巧いな・・・かわいいし巧いな・・・冬のこもりうた・・・・篭もり・・・子守・・・・」と泣きながら延々と考えてしまった。いやー巧い!!




結局、あの絵柄でこんな展開になるなんて思ってなかったというのは正直なところです。
たしかに予想してないところからぶっこまれてきた。
ただ、大人も見るものだと考えたら(ターゲットが大人も子供も)クレヨンしんちゃんの映画みたいなもんなんかなぁと。
自分はクレしんもちゃんと見たことないんだけど。
ドラえもんのふー子?とかピー助?とかみたいな感じ?
あ、やべーそれもちゃんと見たこと無い。


やべーなんか、ちゃんといろいろ見てねぇ。


ということで、見て良かったです!!!!