下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【趣味】自分と万年筆

 自分は地味に万年筆が好きだ。

遡れば「夏目漱石」が愛用していた万年筆「オノト」が欲しくてたまらんかった事から始まる。

結局すでに生産されていないので手に入らないわけだが、そうやって様々な店舗を巡るうちに万年筆の魅力にとりつかれた。

 

丸善の万年筆物語(用紙)を大量買いしてとりあえずオノト熱を散らし

夏目漱石の書いた「余と万年筆」を読みながら、ショーケースの中の万年筆を

まるでバイオリンを欲しがる西洋の子供が如く憧れの眼差しで熱く見つめるのである。

 

しかし、実際万年筆は手が掛かる。

カートリッジを持ち歩いても頻繁にインク切れを起こしてしまい、満足に字が書けないこともしばしば起こった。

また、手帳に書くために「F細字」を購入するも細くてガリガリとした書き心地が気に入らず使用を止めたものも多数ある。

見た目、持った感じが最高に気に入っていたのはウォーターマンパースペクティブ。ただしこれが先述したガリガリ感を感じたやつの筆頭。

 

結局自分には「M中字」の方が良かったんじゃ……と思い中字を購入したりしてきたが、パースペクティブほど気に入るものもなく今に至る。

 

イギリスのヤード・オ・レッドがめっちゃ好きで、羽田空港書斎館ですっげぇ何度も見ていた。しかしどうなんだろう、書き心地は堅そうだよなーと溜め息を吐く。

ただの趣味であそこまでの金額を出す余裕も当然無い。

 

そんなこんなで万年筆を持ち歩く事は無くなり、このところはbicのボールペン¥150の軸色を二色(上下)で替えた奴を使い倒していた。

ただ、豪快にワイルドに使い倒す……本当にそういう使い方だ。それはそれで良い相棒になってくれていた。

 

そんな日々を送っていた約2ヶ月ほど前。

自分に電流が流れるような出会いがあった。

たまたま手に取った万年筆の試筆でその書き心地がとても良く、その時点では「やっぱいいなぁ、万年筆。欲しいなー」程度の思いだったんだが

キャップを閉じる瞬間の「中で何かぐっと噛み合う瞬間」そして「パチン!」と音を立ててそれが閉まった瞬間、完全なる快感としてその音と感触が自分の中に刻み込まれたのだ。

 

自分は夢中になってキャップを外し、閉じた。

キャップが「パチン!」という音を立てて接続され万年筆は一本になる。
自分の中で万年筆の概念が一つ壊された瞬間だ。良さというのは書き心地やヴィジュアル、ブランド価値だけではない。

それを使用した人が「気持ちいい」と思える事も、一つの価値なのだ。

 

少しの逡巡も無く自分はそれを手に取りレジへ持って行った。

その万年筆の見た目も、書き心地も気に入っていた上、使用することの快感があるのなら買わない選択肢など無い。

 

ということで、本当に何年かぶりに万年筆熱が再発する原因になったのはこれ!
lalabeginxchalkboy万年筆

LaLaBegin×CHALKBOY万年筆 | Hmmm!?公式サイト|「ん!?」という驚きから始まる雑貨

 

やっすい(笑)!すごい安い!

いろんなことが最高なのに安い!

しかもカートリッジがヨーロッパ規格なのにコンバーター付いてる!!!

なんだこれコスパと価値ともども振り切っとるやないか!

さらに自分の好きなアーティストのチョークボーイさんやないか!コスパ振り切って天までいくわこんなん!

 

早速家に帰ってモンブランのボトルインクを吸い上げてみた。

なんか……書いたらうすい……そういえばモンブランインクは薄墨っていう名前だったような……。帰ったら確認しよう。

書き味はMのわりにはさらに太く感じる。Bに匹敵するんじゃないか??

ミュージックまではいかないけど太い線も書ける。5ミリマスでは漢字が読めないレベル。

 

とりあえず手帖の12月のところに映画のイラストと簡単な感想、☆評価を記入してみた。いい感じだ!

まだ絵は慣れてないけど、そのうちチョークボーイさんみたいな味のある絵が書けるといいなぁ。

これで、2019年は手帳を書いていくんや……そんな気概をもって挑んでいきたい。

いい相棒に出会えたと思う。