【創作・小説】「完結・その声は誰にも聴こえない」について
すべて書き終えた勢いで、これは完結後にうPするためハイテンションのまま書いています。
自身の備忘録もかねているため「そんなの聞いてない」「知らなきゃよかった」などいろいろあると思いますので、作品そのものだけで楽しんでいただいた方は読まれないほうがいいと思います。
↓以下「【BL】その声は誰にも聴こえない」について見解や裏話や設定を記載
◆話を思いついた瞬間
「嫌い、嫌いだ、僕はきみのことが大嫌いだ!」
という言葉と、犯されているシチュエーションが突然沸いてきてからスタートしました。この、初っぱな思いついたここにたどりつくまで82話(◆第九章 Release 第5話「Release」)かかっています。
これが書けた時の感動はえらいもんでした。
思いついたスタートがその嫌い発言だったため、まずはぼんやりと「いじめっこ×いじめられっこ」という構想でした。
でもほぼ同時に浮かんできたのはプール後に初めて無理矢理フェラを強要されるシーン……
薄暗いシャワー室には塩素の匂いが強烈にしていて……鼻血とプールの水がまじって……鉄っぽい味が口に広がって……気管に、それらが入って咽せて……というイメージが映像で浮かぶ湧いてくる。
だがしかし、いくらいじめっこでも、なんでもない男の子にフェラさせるって相当の勇気がいるだろうよ……齧られたらおしまいだし、下手にバレたら自分がそっちだって糾弾されかねないわけだし。
ーーという、現実的にどうなのソレという部分をいろいろ考えてプロットを作ったのがこの話です。
なので、どっちかというと話をドラマチックにするために幸也をどんどん追いこんでいったという気持ちが強いです。
◆タイトルについて
もともと「誰もその手を握らない」が第一候補だったと思います。
握らないのか?握るのか?握る?握らない?「……いや、握るしwwww(エロで余裕で握るしwww)」という気持ちで急遽変更。
◆幸也の性格について&終わり方について
元々穏やかで、優しく弱いくらいだった幸也が、周囲の助けと自分の努力でどんどん強くなりました。
最終的には嫌な奴と思われかねない程の態度を見せます。
賛否あるかもなぁ、と思って書いていましたが……自分の中ではあれ以外の答えがありません。
自分を犯して様々な危険にさらしたクソ男を許すわけがない!
思い出せば思い出す程腸が煮えくりかえるわボケが!!!!
という普通に抱く気持ちを、幸也はあえて堪えながら冷静にぶちまけます。その冷静さが逆に加瀬にとっては凶器。
一方で加瀬を怒りで罵倒することができない何かが幸也の中には存在しています。そんな終わり方です。
「きみの開けた穴は、彼からのプレゼントで埋まるんだ――加瀬くん、きみじゃない」
この言葉は、結構早くに浮かんでいました。
ダブルミーニングで(笑)、単純にピアスの穴という意味と、あっちの穴という意味があります。
加瀬がこじ開けて開発していった穴も、全部岩嵜にもってかれるのです。っつーことです。
うおー加瀬が不憫すぎて滾ってくる。
◆トシ先輩(笑)
変態さと軽妙さを併せ持つ陽キャのトシ先輩。支持していただける方が多くて、嬉しかったです。
実は、もっとヤンキーっぽくて(加瀬に近くて)他校の生徒をボコボコにしたりっていう、純粋ヤンキーで考えていましたが
プロットが出来上がってみたら、自分で「昨今そんな化石みたいなヤンキーいるわけねーだろ!」という思いが沸いて止まらなくなり、純粋な喧嘩ヤンキーは加瀬と賢吾と他校の生徒だけになりました。
トシ先輩はそこからマイルドヤンキーに舵を切ろうとして「マイルドヤンキーってマイルドすぎてパンチがねぇなぁ」という気持ちになりぶっとんだ陽キャにまで発展したのが濃いキャラになった理由です。
頭からっぽな感じで、優しくも見えるけどそんなに情とか興味も無くて、楽しけりゃALL OK ★な様子が書いていて楽しかった!
◆じゅんぺーさん
こいつが一番大出世です!当初「トシ宅で幸也を一緒になって犯すモブ」でしかありませんでした。
しかし、大筋を深堀した時に「加瀬に、より一層深い嫉妬と決意と混乱が必要だ」という思いが芽生え、自殺未遂の前に一発入れたのが「淳平に呼び出されて女装」(71話 ◆第八章 歪んだ執着 第4話「セーラー服の女」)のシーンです。
当時の活動報告にも書きましたが、えらい勢いで風景が浮かんでおりまして、キャラクターがどうのというよりも情景描写に力の入った話になっています(笑)。
この「女装をさせて萌える」という変態さはトシには無かったので、そこに執着している部分を打ち出したことで十章でも大活躍です。きんもー★
ついでに……淳平が幸也に女装させたシーン後の、強制ピアッシングは本来もっと後(化学準備室)にやる予定だったものですが、ただ女装した幸也を犯すだけではインパクトが無いのでここで実行しました。
◆大知(とユイナ)
最後まで幸也の誘惑すら退けてノーマルを突き通した漢大知。
加瀬が幸也とヤッてることに衝撃をうけたユイナとあの後付き合ってます。(すでに薬キメながら大知とエッチしてますが)
大知の方がめろめろなので、ユイナは結構大知を雑に扱います。でも愛されてる感じがして、意外と嫌じゃないユイナです。
今までトシとか加瀬とかみたいな、見目と立場だけがいいクズ男みたいなんばっかり好きになってたから、大知にはユイナを幸せにしてやってほしい。
◆町田先輩
裏設定で……彼はずっと御影のことを見ています。それは後輩に対する気持ちだけじゃない部分で。
しかし本人に自覚は無く、あくまで今まで付き合ってきたのも女性で(これからも女性でしょうが)ノンケだと思っています。
だからこそ、本当は誰よりも先に幸也の視線になんとなく気づいていました。でも、そんなことはありえないと思っていた矢先に、幸也の事件が勃発します。
その時の幸也への怒りと嫌悪は、もしかしたら御影本人以上のものがあったかもしれません。
最初からその設定なので、なんとなく匂わせる描写はちょこっとだけ入れたりしていました。
◆賢吾
漢気あって好きじゃ。←なんじゃそれ
馬鹿なだけでホモじゃない。
◆岩嵜さん
幸也が甘えて言う名前の響きは絶対「いわさきさん」だったのに、身近に「岩崎」がいるせいでそいつの顔が浮かんでしまい
苦肉の策で漢字を、稀少なほうの「岩嵜」にしました。書き物する人あるあるやと思います。
全体のプロット仕上げてだいぶ経ってからも、本当は岩嵜がトシとつながってた、とか何かの黒幕だった、とか
色々悶々と考えて(悪魔が囁いて)いましたが、マトモな大人で終えられてよかったです。「ここにきての裏切りって安っぽい展開にしかならないなぁ」と思いました。
もう、すでに幸也は加瀬に裏切られてますから、それ以上の衝撃もねぇだろうよという感じです。
最終的には幸也と一緒に苦しみを分かち合う辛い立場にも置きました。岩嵜について、より深く掘り下げられたと思います。
◆加瀬について
暴力と煙草と酒と女(と賢吾)だけが友達だった加瀬。実は容姿の描写で後半省きまくっているのがあります。
(絶対描写)グレーの瞳と髪、ダラッとした制服
(たまに描写して言及)ピアス、金色のネックレス
(最初だけ書いてその後不要と思って書かなくなった)黒い数珠みたいなブレスレット、同じ腕に時計
脳内では当たり前に装着していたんですが、書いてもそんなにエロスも無かったので書くのやめました。
家庭環境が悪く、そこから逃げる為に陽キャ軍団に入り浸っている寂しい子供という感じです。子供です、子供。
フルネームの「加瀬 瑞希」は「加瀬」はただ響きだけでつけました。シュッとしてる、鋭いイメージの名前が良かったのです。
んで、瑞希は「お前瑞希(みずき)っていう顔と態度ちゃうやん」というツッコミを入れるためにつけました。
本人は女の子っぽくきこえるその名前を嫌っています。なので、周囲の人は誰も瑞希と呼びません。
呼んだら明日が無いからです。
◆「幸也」の名前について
この名前になった理由があります。本当は作中で言及する予定でしたが、その描写をすべてはしょりました。
理由は「蛇足すぎる」と思ったからです。内容としては、こんな感じ。
→加瀬、紙に「幸也」と書いて、あることに気づく
後日幸也を犯しながら嘲り笑い「こんなことされても幸せなんだろ!」と罵倒。意味がわからず呻く幸也。
加瀬「てめーの名前、普通に見たら『幸せ』に読めんだよ、ウケる」言われて怒りが沸く幸也、もがいて加瀬に抵抗する。
「ぼくの名前は、両親が大事に、一所懸命考えて付けたものだ!馬鹿にするのは許さない!」
ハズカスウィィー!嗚呼蛇足。蛇足でしかない。一応、書いたら「幸せ」に読める、というのがポイントでした。でも、加瀬が幸也の名前を紙に書くか……?最悪書いたとしても、そんなんしてたら気持ちモロバレやないか……という気持ち悪い感じになりそうだったのでやめました。
◆(エピローグ)ゴブ
真っ黒五分刈だからです。おやっさんが付けました。
惰性でやる自動車解体なんかより、自分が「こうありたい」と思う姿を目指してがんばっています。
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そんな感じで書きつづけた六ヶ月でした。
一つの作品をやりきるのには、本当に時間と労力がいります。
死ぬまでには書きたいものを全部書ききりたいなぁー。
ここまで読んでいただいた方、おつきあい下さって本当にありがとうございました!
引き続き様々なものをうPしていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします!