下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【趣味】映画「パトリオット・デイ」鑑賞

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www.patriotsday.jp

見たかった「パトリオット・デイ」見てきた。

2013年のボストンマラソンで、実際に起こったテロがどのように収集されていったかを、犯人逮捕まで追ったもの。

基本的にはノンフィクション風である。「風」というのは、主人公のトミー(ポスターとかにデカデカと載っている)は実在しない人物だからだ。 


【鑑賞条件】

日時:平日夜

埋まり具合・客層:埋まりは1割くらい。客層は男女比8:2


さてでは、ネタバレ有りの感想を言っていこう。

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 ■ほのぼのした「愛国者の日」を襲った悲劇

こちとら何が起こるのか知っているから、見ているとしんどい……というのはよくある事。

今回も見ていてつらかったが、その「辛さ」は、目の前の、そして一般の人に何が起こるか分かっているというところにある。



■平凡な愛国者の日を過ごすそれぞれの人

始めから、たくさんのシーンでいろんな人が出てくる。

モブではなく、ちゃんとスポットがあたり、名前も紹介されて、細かい心理描写がある。実在の人たちだ。

今回、展開・表現方法としてすごくおもしろいと感じたのは、初っぱなから映るその人たちが、直接「ボストンマラソンテロ」に関する人ではないことだ。

初っぱなからしっかりとその人たちの1日のスタートを見せられると、「あぁ、この人たちテロでどうにかなってしまうんやろか」と想像してしまうが

実際に冒頭から紹介されたそれらの人のなかで、テロに巻き込まれるのは少数だ。残りの人は、何事もなく、ただ「テロが起こったという事実」を知って一日が終わる。

話しが進展していくうちに、紹介された人たちの感情や境遇、他の人との関係などが深く掘り下げられていく。

「いったいどうしてこの人はこんなに掘り下げられているんだろう」と思い、こっちは不安を抱く訳だ。

まだ元気でいるのに。ボストンマラソンのテロにも巻き込まれなかったのに。いったい彼らには何が待っているのだろう。そんな不安とはらはらする思いが沸き上がる。

自分はこんな感じの手法の映画を見たの初めてだった。



■主人公トミー

実在しない主人公トミーは、今回の事件の解決の為に奔走し、苦しみ、戦った人の全ての要素を含んだ象徴的なキャラクターになっているらしい。

それは、このテロの解決を一人にスポットを絞って行くことが出来なかったからという理由だそうだ。

なるほど。

ではこのトミー、見ていてどうかというとそんなにいい感じではない。

初っぱなからあんまり人望がない。でもまぁ、嫌な奴ではないっぽい。

くだらない事件の犯人捕獲の為に、ドアを蹴破り膝を壊し、痛みを我慢しながらマラソン大会のゴール地点を守っていて、今回のテロに見舞われる。


ここまで書いておいてなんだが、この主人公トミーにはまず全く共感できなかった。

リアリティが感じられないというか……部下だかを殴って、やること(捜査?)に制限をされているらしい事が始めにほのめかされるんだが、その時点でクソじゃねーかと思ってしまう。

そして、テロ後はいち警察官なのに首をつっこみまくりである。

FBIの捜査にも首をつっこむし、意見も言っちゃう。

だめだめだった奴が、本気になったらすげぇ的なアメリカンドリームがそこにちらついてしまうのは自分がゆがんでいるからだろうか。

それはエンディング前に、おそらくアメリカンのこころを揺さぶったであろう決めゼリフにもいえる。(別項目で記述する)


トミーには妻がいる。マラソン大会の警備中に膝が腫れてきたからと、妻にサポーターを持ってきてもらうんだが、妻はテロにぎりぎり巻き込まれずに助かる。

愛する人の無事を喜ぶ」という感動であろうと思うんだが、実在しない人のエピソードをあんまり掘り下げられてもぐっとこないんだよなぁ。←非情

そのほか、二人には子供ができずつらい思いをしていて、不妊治療からかえってきて車から降りたら近所の子がいて、妻が悲しそう(?)な顔で……とか言われても、実在しない人のエピソードをあんまり掘り下げら(略)



■テロに巻き込まれた人々など

・子供の遺体に8時間(?)付き添い続けた警官が、涙ぐんでいたのが印象的だった。

・当時、人命救助が先だから、家族だろうがカップルだろうが収容できる病院にがんがん運ばれていく。

身元が分からない人は回復を待っていたんだろうが、見てるこっちとしては「あーあの人と夫婦なんだよぉー、一緒につれてってやっておくれよー」という気持ちにもなる。つらい。

・テロの怪我描写などは、血が地面に流れたりしてはいるものの、そこまでの表現ではなかったとおもう。

PG12ではあるので、そこそこだとは思うが・・・直接的に、ちぎれたり破損した人体がしっかり映るという場面はなかった。

負傷したおばさんの「あれはなに!?足が転がってる!」といったようなパニクった発言はあったものの、それがそのまま描写されることはなかった。



■犯人役の二人

下手すればヘイトを集めそうな役だが、よく引き受けたよなぁ。偉い。

どっちもイケメン(役者が)だったのがつらい。



■ケヴィン ベーコン

事件後、FBIが来て、自分のスキなベーコン様登場である。渋くて格好良い!良い役なのに悪役に見えてしまうところはさすがベーコン様である。

お年を召してもいい感じの役者やなぁ。



■テロ実行犯判明まで

ベーコン演じるデローリエが登場すると、「なんだおまえら!」みたいな警察と「いやもう、ちょっと黙って」的に冷静なFBIの対比が少々描かれる。

まさに事件は現場で起きている感覚。いいねーいいよー所轄の苦悩は本部にはわかんないよね!

……という組織あるあるを感じながら、そこはにやにやと見ます。


結局FBIの管轄となり、デローリエ広いところにテロ現場をざっくりと復元させ、トミーを呼びます。

出たー出たよー所轄の意見を聞く本部の人きたよー!

ということで、トミーは様々な質問に的確に想像を働かせ「室井さん!こっちす!」と室井さんを案内します。

このシーンはすごく緊張感があり、そしてヒーローっぽさがあって興奮した。何せテロの犯人特定への大きな糸口だから。青島さすがだ!


このシーンは本当に緊張感と高揚感のある部分だと思うが、真実だったんかなあ。少なくともそういう意見を述べていた地元警察官がいたんだと信じておきたい。



■テロ犯人の二人

isisでもなく、ただの一般のイスラム教のアメリカ人だった二人。

今回の映画では、二人でなんとなくようつべのイスラム動画を見てなんとなく感化されている感じが出ていたが、実際のところはどうだったんだろう。

今回の映画はメインの視点が警察、FBIや町の人といったいわゆる一般的な「善」の視点だったわけで、テロを起こしてしまった二人のバックボーンまで掘り下げる事はできないのは分かる。壮大すぎるしな。

でも、普通の生活を捨ててまでもテロを起こした理由が未だに分からないんだよなぁ。

感化されるにも、そこまでに行き着く理由があるだろ。


一応、逃走中に「おまえは911の真実を知っているか。あれは嘘だ。アメリカの自演だ」「あれを理由にして、イスラムを攻撃しようとしている」的な発言があった。

もっと深く掘り下げていた方が自分は好みだったが、犯人側の境遇や思考を映画かすればへたすりゃ反アメリカ的な意識を育てかねないのは理解できるので仕方ないことだと思う。



■「うん!ヒーローだからね!」を地で行くアメリカ

へこたれるわけにはいかない。負けない。

そんな市民や国を挙げての気合いがヒシヒシと感じられた。



■中国人留学生をデートに誘えた警官ショーン

一番出てきてほしくないシーンで出てきてしまった。泣いた。



■緊張で心臓が止まるかと思った・・・

中国人のダンが新しく買ったベンツを乗っ取り、人質状態で連れ回す犯人。

ダンは「さっき俺は警官を殺ってきた」という犯人の言葉に、何も抵抗できない。

圧倒的な恐怖のなかで、犯人の話を聞き、最終的には犯人の検挙までへのヒントを残すわけだが

もうこのシーンで自分緊張しすぎて、マジで心臓が止まるかと思うほどドックンドックンしとった(笑)。

こんなに自分も緊張して、手に汗を握るのはほぼ初じゃないかなぁ。スマホ取り出して、彼がどうなるのかネットで先に調べたくなったもん。

それを我慢して見た結果のカタルシス。すさまじいものがありました。



ウォータータウンでの壮絶な銃撃戦

これスゴかったっす。町中で、爆弾を投げたりするような銃撃戦が繰り広げられていたなんて知らなかった!

何がすごいって負傷した警官はいたけども、犯人兄以外誰も死んでいない。

銃を威嚇で構えたことはあれど、使用などしたことのなかった警官たちが勇気を振り絞って犯人に挑むのは、すごいことだと思う。

犯人を追おうとしたトミーの車を間違えて銃撃したのは、実際にあった事なんだろうか・・・。気になる。



■トミーが犯人弟を発見

「おまえが見つけるんかい!どこまでも出しゃばるやっちゃな!」というキモチ。



■トミー「愛が悪に打ち勝つんだ」

たぶん、この決めゼリフがすべてを物語っている。

これを聞いて「うぉおおおおお!」って思うんだと思う。

でもこの言葉、すごく曖昧だと思う。自分は。

「じゃあ愛を持って、銃を捨てたらどうなのか?」とか「その愛はどういう宗教のどういう定義なのか?」とか、いろいろあるわけで。

いわゆるアメリカの「愛」でもって、イスラムの「悪」の思想に打ち勝ったという印象も強い。


難しいよなぁ、これ。 

 

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つーことで★★★★☆ほしよっちゅ!

しんどかったし、辛いのでもう見たくないけど、冒頭のモブ(じゃない)紹介からはじまるところは、一般の人の生活を素直に見られるし

夫婦のやりとりはどれもめっちゃかわいいし、その表現手法を知らなかった自分は感動すら覚えた。


なお、これを見た帰りには「チームアメリカワールドポリス」の主題歌がぐるぐる頭をよぎった。

https://youtu.be/U1mlCPMYtPk

 

 

なんか色々、興味持って見てるものの傾向が分かってきたぞ。

自分は基本的に「ノンフィクション作品」が好きなようだ。

同じく映画好きな友人に「(ばかうけ型UFOでおなじみの)メッセージ」が良かったぞと感想を聞いたが、心惹かれる事も無く……

次に見たいものは銀魂かなぁー。←ノンフィクション?