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下衆なマニヤの有神論

小説を書き続け(途中絶筆したが)十云年、自分の力が如何程のものか試したい。

【ネタ】職場の便所戦争について考えた

【ネタ】

寒さが身に染みる昨今、いかがお過ごしでしょうか。

自分は元気に(普通の)仕事に勤しんでいるが、職場で少々気になることがあるため今回はそれに言及したい。

 

職場のトイレについてだ。

職場のトイレのいわゆる「個室」に関して、非常に気になる攻防戦が繰り広げられている。

個室を使う事に対する抵抗だの遠慮だのではない。物理的に気になることがある。

個室のトイレに座ると、自分の視界左側(壁)にやたらと目立つ汚れが現れる。

鼻糞だ。

左側が擦り付けられた鼻糞に汚染されておるのだ。

右を向けば、純白で輝き放つ扉があり、一方左を向けば擦られた鼻糞が流星の如く視界に降り注ぐ。

「いい大人が何やってんだよ、汚い」

と思いつつスルーしていたが、ある日突然それは明らかに増加し、左壁を覆いつくさんばかりに(言い過ぎ)増殖し続けた。

そこで初めて職場でその話が出た。失笑しながら部下が話をしている。

「ちょwwwwまたwwwww増えてんだけどアレwwwwウェッウェッ」

「なんなんwwwあれwwww」

ということで自分も馳せ参じずにはいられず、部下と推考するのだが、そもそも100人を超える社員が在籍している。

一方で自分が利用しているトイレのしかも個室を利用する人間はある程度限られてくるが、正直言って面識のない人も多すぎるため特定には絶対に至らない。

そもそも、特定したとして突撃するなど絶対に無理だ。

同時期に、清掃員さんがそれに対して怒り心頭になったらしく、ピカピカに清掃した左側面に張り紙で「鼻糞をなすらないでください!」という掲示がされた。

自分は、便座に座りそれを見る度に笑いをこらえるのに必死だった。

 

しかし翌日、その掲示は撤去されていた。

撤去された理由は不明だ。しかしおそらく、清掃員の上司から何か言われたのだろうと思われる。

しらじらとした胡散臭い左側面を見て、「上司(あんた)がなんぼのもんだ、掃除をしているのはアタシだよ!」というおばちゃんの悲しい叫びが聞こえた気がした。

 

そしてそれから約1週間、また犯人(ホシ)は動き始めた。

始めはペーパーホルダーの下部から、そっと姿を見せる鼻糞。そこには日本の失いつつある「恥じらい」という奥ゆかしさすら感じる。

そして少々主張を強めてくるのはお転婆な鼻糞だ。とはいえまだそこまで目立つほどではないが、そうやって増えはじめると一気に増殖していくのがいつものパターンである。

やがて鼻糞に侵食されていく左側面。

さて、ここまでくると自分は「どうして、ほぼ名指し状態で“鼻糞を擦るな”と掲示されたにも関わらず、再犯するのか」という事を深く考えずにはいられない。

座って鼻をほじくるだとか、ティッシュもあるのにわざわざ擦るなどの悪質さは、もう「癖だから」では片付けられないものがそこにあるはずだ。

そして考え尽くした結果、自分は答えに辿り着いた。

 

おそらく、自分の在籍するビルの所属する階に設置されたトイレ個室の左側面は魑魅魍魎がやってくる鬼門なのだ。

それを封じられるのは、わが社のAさん(仮名)の神聖な鼻糞しかない。

Aさんはきっと、魑魅魍魎とにらみ合いながら己の鼻を穿り、掘削機さながらの動きで鼻を犯して

「えいやっ」の掛け声とともに左側面へそれを塗りたくる。

多少狼狽える様を見せる魑魅魍魎だが、3つ目がぎょろりとAさんを向く。

「これはならん」と小さく呟き、右の小指を高々と掲げると、躊躇なく右の鼻の孔に突っ込み、中から黄金の鼻糞を引きずり出す。

3つ目にめがけてそれを擦り付けると、僅かな声を上げて消滅する。

Aさんはしばし左側面を睨みつけ、魑魅魍魎がまた姿を潜めたのを確認すると、溜息を吐いて半立ちになりケツを拭いた。

その姿は、ただの企業戦士とは言えない威圧感を漂わせている。

 

ある日、Aさんは違和感を感じトイレの個室に駆け込んだ。Aさんの目の前には、左側面の封印が説かれた真っ白な壁面が浮かび上がっていた。

そして心無い「鼻糞をなすらないでください!」という掲示を発見することになる。

魑魅魍魎が……魑魅魍魎が……ッッ!!!!

Aさんは唇を噛んで、即座に左の鼻に指を差し入れた。

 

 

 

今日もわが社はAさんのおかげで無事、企業として存続している。