【創作・小説】一人称が苦手
読む小説が基本的に三人称である。その為、一人称の小説が非常に苦手だ。
三人称を読むから一人称が苦手なのか、一人称が苦手だから三人称を読むのか、鶏が先か卵が先か理論状態である。自分はおそらく後者だとは思う。
苦手な理由はただ一つ「恥ずかしいから」である。一人称の小説は昔からあるし、名作もあるだろう。
読まない自分が愚かなのだとも自覚があるが、とにかくこっ恥ずかしくて読めない。
しかしながら、自伝であれば読める。
なぜ一人称の小説を読むと恥ずかしくなるのか。ずばり「自分が主人公じゃないから」である。
入り込めない……とにかく入り込めない……。イケイケの主人公だった日には、恥ずかしさにそっと本を閉じ天を仰ぐ勢いだ。
自分はイケイケでもヤレヤレでもない。どうしようもない糞人間で、小説にあるような、褒められる能力も気概もないのが事実である。
しかし「坊ちゃん/夏目漱石」にはどっぷりの不思議。おそらく主人公がどこかダメ人間だとイケる(笑)。文章的には淡々と、自伝的に語ってくれていれば良い。過剰な主人公の感情表現がなければ読み切ることができる。
現在読み進めている(いた)「銀の匙/中勘助」も結構キツい。なぜ読み進めるのがしんどいか。
おそらく、主人公がいい所の男の子で、その事を言葉の端々に感じるからだと思う。
病弱だという性質にも、気力体力時の運で生きてきた自分には寄り添う事のできない部分である。
ここまで書いていて気付いた。自分は、読んでいて自分と重ね合わせて主人公に共感する部分がないと、一人称を読むことができないようだ。
どうりで
親類のものから西洋製のナイフを
<坊ちゃん/夏目漱石 ―青空文庫より引用―>に共感できるのだ。
アクティブすぎて残った傷は数知れず。坊ちゃんの短気なアホさが愛おしい。
◆執筆中の短編「MT」
四百字詰め原稿用紙換算122P(35822字)
ファミレスGにお世話になっていないが、地道に自宅で書き進めている。最終150枚くらいに収まりそうか。
現在、次のネタも深く掘り始めた。次のネタに入る前に、長編を終わらせねばいかん。